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第十三話 遭遇

第十三話です


ドエイドが動き出します

人がいっぱい出てきた分色んな展開が思い浮かびます

しばらく楽しく書けそうです

トラビスを囚人としてアルカトラズに迎えた翌日、シロイとクロイはカールゴンの執務室に来ていた。

「おはよう、カールゴン。腕は治った?」いったずらっぽく笑いながらシロイが話しかける。

「またお前たちか、そんなにすぐ治るわけないだろ」シロイとクロイの登場の仕方に少し慣れてきたカールゴン

「僕はコーヒー、ブラックね。クロイはミルクと砂糖ありで」応接用のソファーに座りながらなぜか手にアップルパイを持つシロイが注文を入れる。

「砂糖は4つだ」クロイも手にアップルパイを持ち続けて注文する。

「ここはお前たちの憩いの場じゃないんだぞ」そうは言いながらもコーヒーを手配させるカールゴン。

「うん、いいね。ローストを抑えめに酸味が効いてる、僕の好みの味だ」コーヒーを一口飲み満足そうなシロイ。

「いい砂糖だ」コーヒーの味よりも砂糖の味を楽しむクロイ。

「ああそうかい、それはよかったな。ところでお前たち普段何してるんだ?」書類に目を通しながらカールゴンが問いかける。

「んー、昨日は運転手と車が手に入ったよ」新しいオモチャを買ってもらったかの様にシロイが答える。

「車は良い」砂糖の甘みを堪能しながらクロイも答える。

「ああそうかい、だったらそれを飲んだらドライブにでも行ってこい」2人をさっさと追い出したいカールゴン。

「それがさあ、昨日の今日でまたカーチェイスしたくないってトラビスが言うから行けないんだよね」おもちゃで遊べず残念そうなシロイ。

「はあ? カーチェイスって……何やってんだお前たち」慣れたつもりではいたが呆れて言葉が続かないカールゴン。


そんな3人の様子を離れた建物の一室から伺う2つの人影があった。

薄暗い部屋の中にはモニターが1台据えられ、窓のブラインドの隙間に設置されたカメラからの映像が映し出されていた。

「今の見た? いきなり部屋に現れたね」モニターを見つめルーファスが話す。

「若いな、ルーファスと大して変わらないんじゃないか?」ルーファスと共に監視役に指名されたクライドは退屈そうに答える。

「影ってのは見えないね、何話してるか聞けたらいいんだけどね」クライドの声が聞こえていないのかルーファスは真剣にモニターを見つめ続けている。

「不用意に近づくなってことだから仕方ないな。もう少し様子見だ」一方のクライドは腕に自信がある分そういったことには無頓着なようだ。

前回のカールゴン襲撃の詳細を捕えられた5人から聞き、アルカトラズの情報収集に来ている2人。その対応は対照的だ。


「これ、いつまでやんなきゃいけないんだ?」退屈に飽きてきていたクライドがぼやく。

「んー、そうだね、サイラスがいいって言うまでなんじゃないの?」変わらずモニターを見つめたままルーファスが答える。

しばらくモニターにはシロイとクロイ、そしてカールゴンの3人が映っていたがコーヒーを飲み終えたシロイとクロイが立ち上がり部屋を出て行こうとしていた。

「あ、2人が動くよ。デスモンドに知らせなきゃ」ルーファスはモニターから目を切らずに電話をかける。

「やっとか、これでようやく解放されるな」大きく伸びをしながらあくび交じりにクライドがソファーに勢いよくもたれかかる。


カールゴンの執務室を後にしたシロイとクロイはニューヨークの街中に出てきていた。

「どうしようかな、お金持ちを探そうかと思ったんだけどそもそもお金持ちってどうやって見分けたらいいんだろうね?」

「カールゴンに探させたらどうだ?」

「いいねそれ、さっき言えばよかったね。でもせっかく外に出たんだからちょっとウロウロしてみようか。いなかったらもう一回カールゴンのところに戻ろう」

街の雑踏の中をキョロキョロしながら歩くシロイとまっすぐ前だけを見ながら歩くクロイ。


しばらく当てもなく歩いているとシロイが少し離れたベンチに何かを見つけ進んで行く。

そこにはうなだれるように下を向いて座る1人の老人がいた。

そしてシロイはその老人に歩み寄るとその顔を下から覗き込むように天使の微笑みを湛えながら話しかける。

「おじいちゃん何者?」

話しかけられた老人はゆっくりと顔を上げシロイの方を見る。

「気配消しすぎだよ、完全に暗殺者のそれじゃん」シロイがそう話しかけた時にはクロイがシロイのすぐ横に一部の隙も無く立っていた。

こういった察知能力はシロイの方が優れているようだ。

「まあいっか、今のところ僕たちをどうこうしようって感じでもなさそうだし。じゃあまたね、殺し屋さん」

そういうとシロイは振り向い歩き出す。

しばらくその老人を眺めた後、クロイも歩き出す。


少し進んだところでシロイがクロイに話しかける。

「多分さっきのおじいちゃん、ロマーノが依頼した先の仲間だろうね」

「始末しておくか?」すぐにでも片づけてくるぞと言わんばかりのクロイ。

「いや、いいよ。楽しみは後に取っておかなくちゃね」お金持ち探しよりも楽しそうなことが見つかり上機嫌のシロイ。

「そうか」次は少しは楽しめそうな相手が来ないかと思うクロイであった。


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