悩む恋愛ベタのおっさん
五月六日(土曜日)
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窓から見える五月晴れが青々としている。
ゴールデンウィークが今日を含めて残り二日という現実を忘れさせてくれる青さだ。
そんな五月晴れの下、戦いの女神は散歩に出かけて家にはいない。
『この世界に来てから、不可解なことばかりだッ。精霊は恋愛も結婚も許されぬはずなのに、それを許してしまっている。我は下界の人間同士の恋愛と結婚を妬んだこともないッ。下界の人間に淡い気持ちを抱いたこともないッ。本当に不可解なことばかりだッ』
昨日の戦いの女神の発言を思い出す。
戦いの女神が異世界の天空から追放されてこの現実世界に来て、自分自身の心境の変化に戸惑っているのがよくわかる。
異世界にいたときは、戦いの女神として『戦い』だけに集中していればよかった。
けど、この世界では異世界の時のような『戦い』なんてない。
『戦い』のための集中力が途切れ、気持ちに空白が生まれ、その空白を埋めるように『恋愛感情』が芽生えたんだろうな。
なんだか初恋を抱いたばかりの少年少女の抱く戸惑いと同じだな。
初めて誰かを恋愛感情で好きになったときの、あの戸惑い。
しかし、昨晩、居間でひとりで寝ながら考えたんだけど、やっぱり、だからといって同じベッドで寝るという発想は飛躍し過ぎだろ。
俺は全年齢向けに書いていきたい。
たとえ成人向けの記事になるような出来事が起きなくても、戦いの女神の寝言がうるさくて眠れずに寝不足の日々が続くことは容易に想像できる。
さて、戦いの女神を不貞腐れさせることなく、これまで通りに違う部屋で寝ることを納得させる方法はないものかな。
無下に断るような言い回しだと、拳で殴られそうだし。
かといって、曖昧な言い回しだと、それはそれで拳で殴られそうだし。
初恋のような感情を持った相手に適切に振る舞えない俺って、間違いなく恋愛ベタだな。
そんで、恋愛ベタって罪なのかもな。




