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同居人は戦いの女神さま  作者: あしのクン
シーズン1
7/72

お買い物

 俺はいまショッピングモール店内のベンチに座っている。

 風邪で発熱しているわけでもないのに、顔が熱い。

 店内の空調が壊れているわけでもないのに、汗がにじんでいる。

 なによりもあの気恥ずかしさの余韻がまだ消えない。


 ちなみに隣に座っている戦いの女神に同じような症状はない。

 服や靴下、下着などの新品商品の入った紙袋を膝に乗せ、目をキラキラさせながら周りを見渡している。

 たまに「おっさん、あれはなんだ?」と指差して質問してくる。


 戦いの女神の膝の上の紙袋に入っている新品商品は戦いの女神用。

 その買い物が終わったばかりだ。どこで買ったって?

 服と靴下はファッションショップ、下着はランジェリーショップ。

 どちらの店も一緒に入店したさ。


 ファッションショップは全然平気だったんだ。

 客層は老若男女だったし、陳列されている商品は刺激のないものだったし。

 ランジェリーショップは一歩踏み込んだ瞬間に駄目だったね。

 客層は女性だけだったし、陳列されている商品は……だったし。

 ショップから出た後に、顔の熱さと滲む汗と気恥ずかしさに気付いたね。


 いや、変な誤解はしないでくれ。

 俺は交際相手いない歴更新中で、女性と外出するのは久しぶりだ(正確には、女性ではなく戦いの女神)。

 交際相手がいた時期でもランジェリーショップに踏み入れたことはない。

 久しぶりに女性(戦いの女神。今、ぶどうジュースを飲んでいる)、初めてのランジェリーショップ入店を経験した俺の表現しがたい気持ちを理解してほしい。


「顔が赤く、汗を掻いているようだが、大丈夫か?」


 戦いの女神が俺の顔を覗き込む。

 俺は頷いて、


「もう大丈夫だ。落ち着いた。これからどうする? すこし見て回るか?」

「さきほど見たことのないサンドイッチを発見した。分厚い肉と野菜を挟んだ茶色のサンドイッチだ。我はそれを食べてみたい」

「あー……ハンバーガーね。小腹も空いたし、バーガーショップに行くか」


 そういえば、戦いの女神に靴も買ってあげないと。

 サイズの違う運動靴を履かせ続けるわけにはいかない。

 あとは、女性用のシャンプーにボディーソープに……いろいろとあるな。

 ハンバーガーを食べ終わったら、それらを買いに行くか。

 もちろん、財布と相談しながら。

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