人はそれを同居人の役割と呼ぶんだぜ
俺と戦いの女神、後輩と後輩の彼女さんの四人でダブルデートをした土曜日から半月が過ぎ、あっという間に今日から五月。
その土曜日から変化した点が何点かある。
一点目が、後輩がたまに彼女さんの作ったお弁当を会社に持ってくるようになった点だ。
ボリュームがかなりあるお弁当で、後輩は完食するまで三十分以上の時間を掛けていた。
俺は後輩の胃袋に第二の歯が付いていることを知った。
そして、あいつには胃薬は不必要だ、ということも。
二点目が、黒猫とタマの距離が縮まってきた点だ。
タマはタマで俺と戦いの女神の住む家に慣れてきたようで、二匹(?)仲良く家に入ってくるようになり、イチャイチャぶりを存分に見せつけるようになった。
俺は黒猫とタマのイチャイチャぶりにわずかながらに嫉妬心を覚えている自分を知った。
そして、黒猫はレディーファーストの精神を持つ猫(?)、ということも。
三点目が、戦いの女神の口数が徐々に少なめになってきている点だ。
あの土曜日当日も後半になるにつれて口数が減ってきていたものの、今はそれ以上だ。
俺は戦いの女神がイチャイチャしている黒猫とタマの目にする度に、深くて長い溜め息を吐くのを知っている。
そして、溜め息を吐いた後に俺に何か言いかけ、すぐに口を噤んでしまうということも。
最後の四点目が、俺の頭髪が増えている点だ。
俺の頭髪が五月に近づくにつれて爽やかになっていく風と戯れているのを感じた。
俺は俺の頭髪が一年前に比べて着実に増えていることを知った。
そして、起床後に目にする枕元の抜け毛の量が減っているということも。
「おっさん、おやすみ」
と、ここまで記事を書いていると、戦いの女神が俺を見ずに寝室に入っていった。
戦いの女神が俺を見ずに寝室に入っていくことには、もう慣れた。
俺よりも早く寝室に入って就寝することにも、もう慣れた。
口数が少なったことも、大きな声の寝言が続いていることも。
いや、慣れてはまずいわな。
さすがに半月も様子がおかしいんだから。
近いうちに戦いの女神と腹を割って話す必要があるな。




