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現状報告はありのままに

 タマは完全に我が家の物置に住み着いた。

 いや、住み着いたという表現はイメージが悪いな。言い直そう。

 タマと黒猫は完全に我が家の物置をマイホームとして住み出した。


 そればかりではない。

 黒猫とタマはほぼ一緒に過ごしているようだ。

 出勤のために外に出たときには、黒猫とタマが一緒に散歩に出かけるのを見るし。

 昼寝のときも物置で一緒に寝ていると戦いの女神が言っていたし。

 もちろん、夜も物置で一緒に寝ている。


 だけど、黒猫とタマは仕合せとなったのかと言うと、まだまだそうでもなさそう。

 黒猫は俺たち人間と同じように感情を豊かにして、タマに猛アタックし続けている。

 タマはその辺は普通の猫らしく、黒猫の猛アタックを嫌がってどこかに行ってしまったり、威嚇して黙らそうとしたりする。

 黒猫とタマが仕合せとなるまでには、まだまだ時間が掛かりそうだ。


 その一方で時間を掛けて考えてはまずそうなのが、我が家の収支バランスだ。

 タマの三食分が増えた分、当然ながら餌も二倍の速さで減っていく。

 高級マグロの刺身もタマの分が増えたので、その分だけの出費は増える。


 タマの出費だけなら、まだいい。

 だけど、今後、黒猫とタマの間に子猫ができることを考えると、それに備えて出費を抑えて、今まで以上に金を蓄えておかないとまずい。


「おっさん。今のうちに他の出費を削らぬと、この先に生活が苦しくなる時期が来るやもしれぬぞ」


 エクセルで家計簿をつけてくれている戦いの女神さん。


「かと言って、固定費は削れないし、貯金に回す額も削りたくない。でも、食費は削りたくない」


 健康を維持するためには食べ物が大事だと思っている俺さん。


「それならば、我々が我慢せねばならぬのだな」

「そうだな。それでまずは様子を見よう」

「ビールとワインを飲むのは、週に一度。それでよいな?」

「了解」


 週に一度の休肝日以外は、ビールやワインを嗜んでいた戦いの女神さんと俺さん。


 飲む日を週に一度にすれば、その分だけ出費は抑えられ、僅かでも貯金や必要支出に回すことができるようになる。


「我が忠義高きシモベのために我慢を強いる形となってしまって申し訳ない」

「戦いの女神が謝ることじゃないし、それ以前に誰かが謝ることでもない。新しい家族が増えるということは、幸せなことなんだからさ」

「おっさんは優しいな。そう聞いて、我は嬉しくなった。さすが我が忠義高きシモベぞ」


 戦いの女神さんからシモベ扱いされる俺さん。

 もう、そんな扱いをされるのに慣れてしまった俺さん。

 でも、俺さんはMじゃないぞい。


「そうだ。後輩がさ、今週のいずれかの日に戦いの女神に会いたいって訊いてきたけれど、大丈夫か?」

「今週のいずれかの日にか? 用件はなんだ?」

「わからない。用件は会った時に話すって言ってたよ」

「おっさんの部下と我二人きりで会うのか?」

「いや、俺も同席するから、その辺は安心して」

「そうか。しかし、我にどのような用件があるのだろうか」


 首を傾げた戦いの女神さん。

 さてさて、後輩の用件とはなんでしょうかね。

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