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同居人は戦いの女神さま  作者: あしのクン
シーズン1
49/72

抜け毛おっさん ニヘラヘラ育毛剤派

 頭髪の抜け毛には育毛剤派のみなさん、こんばんは。

 今日から育毛剤派の仲間入りしたおっさんです。

 新入りですが、今後とも宜しくお願い致します。


 しかし、昨夜の戦いの女神の書いた記事に助けられた。

 実は今朝一番にその記事を読んだんだよ。

 読んだ後に、慌ててGoogle先生に『養毛剤 抜け毛』『育毛剤 抜け毛』『発毛剤 抜け毛』と質問したんだ。

 そしたら、Google先生はこう仰いましたね。

 抜け毛には養毛剤ではなく育毛剤のほうが効果あり(個人差がある)、と。


 俺はそれを聞いて、これまでの抜け毛に対する無知を恥じたね。

 そして、それを悟らせる記事を書いてくれた戦いの女神に感謝の気持ちを込めて、ニヘラヘラとした笑顔で肩を揉んだね。


「キモい笑顔で肩を揉むなッ」


 戦いの女神はあからさまに不愉快そうな表情を浮かべたけれど、俺はニヘラヘラとした笑顔を浮かべながら、肩を揉み続けたね。


「家主様のその笑顔は不気味だニャ」


 ニヘラヘラとした笑顔を浮かべながら肩を揉み続ける俺に黒猫が言ったけれど、俺はやっぱりニヘラヘラとした笑顔を保ちながら、今度は黒猫の背中を撫でてあげたね。


 そのあとに出勤して、午前中の仕事をして、昼に一緒に牛丼屋に食べに行った後輩から、


「なんか今日の先輩は嬉しそうっすね」

「そうか? わかるか?」

「ウザい月曜日なのに、そんなに嬉しそうに仕事をする社畜って先輩しかいないっすよ」


 嬉しそうなのは育毛剤で抜け毛の量が減少するかもしれないからだ、とは後輩には言えずに午後の仕事に戻り、仕事終わりにドラッグストアで育毛剤、スーパーで高級ワインと特上マグロの刺身を買って帰宅。


「おっさん! このワインは高かったのではないのか?」

「今日は特上マグロの刺身を食べる日ではないですニャ?」


 戸惑う戦いの女神に高級ワインを、驚く黒猫に特上マグロの刺身を手渡した俺。

 そんな俺が持っている育毛剤入りのビニール袋を凝視する戦いの女神と黒猫。


「なるほどな」

「なるほどニャ」


 納得したように頷く戦いの女神と黒猫に、俺はニヘラヘラと笑ってみせた。

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