優しい光景を目にした一日
今日は昨日が昨日だけあって優しさを感じた一日だった。
車での通勤時、出勤する車と車、車とバイク、バイクとバイク、バイクと歩行者、歩行者と歩行者が進路を譲り合う光景を多く目にした。
いつもは我先にと突っ走る車やバイク、歩行者が多いというのに。
今朝は交通の優しさに溢れる光景を目にした。
俺は車にもバイクにも歩行者にも進路を譲ってもらえなかったけれど。
後輩はいつにもまして真面目に仕事に取り組んでいた。
そんな後輩に上司は厳しい眼差しを向けていたけれど、同じ部署の社員が丁寧にアドバイスをしたり、昼食に誘っていたりしていた。
後輩を思う優しさに溢れる職場の光景を目にした。
俺はどういうわけか上司と昼食を取り、愚痴を聞かされる破目になったけれど。
車での退勤時、養毛剤を買いにドラックストアに行った。
客でごった返す中、客同士が進路を譲り合っていた。
いつもは我先にと商品棚に向かう客が多いというのに。
心に余裕のある優しさに溢れる光景を目にした。
俺はほかの客に進路を譲ってもらえず、逆に進路を譲ったけれど。
帰宅すると、戦いの女神と黒猫が語り合っていた。
「おっさんの頭髪の抜け毛をだな、ごみ箱に廃棄せずにおっさんの頭に戻すというのはどうだろう」
「それはいいアイデアですニャ!」
「そうすればだな、どんなに頭髪の抜け毛が増えても、おっさんの頭から頭髪はなくならぬ」
「女神様のおっしゃられる通りですニャ!」
俺の頭髪の抜け毛を心配する優しい光景を目にした。
もちろん、俺はそのアイデアを拒絶したけれど。




