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同居人は戦いの女神さま  作者: あしのクン
シーズン1
38/72

戦いの女神と俺、勝利の女神に微笑まれたのはどっちだ?

 どうも、おっさんです。ご無沙汰しております。

 こうしてね、また読者の皆様にインターネットを通じてお会いできたこと、嬉しく思いますよ、ええ。


 それでね。

 読者の皆様が先に読んだ戦いの女神の三日分の文章、今日、じっくり読みましたよ。


 十月十二日の『代打、戦いの女神!』でしょ。

 十月十三日の『代打で出た戦いの女神、そのままピッチャーマウンドへ!』でしょ。

 そして、昨日の十月十四日の『ノーアウト満塁のサヨナラのチャンスに打席に向かったのは、ピッチャーの戦いの女神! さあ、戦いの女神は勝利の女神を微笑ますことができるのか!?』。


 ええ、読みましたよ。野球小説のようなタイトルのついた文章を。


 俺はね、文章の内容に驚きましたよ。

 確かにね、戦いの女神の文章力は上達していましたよ。それは認めますよ。

 けれどね、それ以上に内容に驚きましたよ、俺は。


 一日目の十月十二日。


 ノートパソコンに保存してあった如何わしい動画、あいつ、消しちゃったでしょう。

 訪問営業の人、拳で脅して追い返したでしょう。

 そんで、あいつ、キャットフードを食べたでしょう。


 ピッチャーの俺が代打で出てきた戦いの女神にスリーランを打たれて、同点になっちゃったって感じですよ。

 ピッチャーマウンドでひっくり返っちゃったって感じですよ、もう。


 二日目の十月十三日。


 俺のね、枕元の髪の抜け毛を掃除してくれるのは有難いですよ。

 白色の毛を発見して、それが白髪だ!とわかってくれただけで感激ですよ。それだけ、戦いの女神の知識が増えるわけですからね。


 でもね、僅かしか残っていなかった養毛剤に水をたっぷり入れて薄めちゃったら駄目じゃないですか。

 それはもう養毛剤じゃなくて水じゃないですか。

 カルピスの原液を一滴しか垂らしてないコップに水をたっぷり入れるようなものですよ。

 それももうカルピスじゃなくて水じゃないですか。


 打席に立った俺が、ピッチャーの戦いの女神から剛速球のデッドボールを食らったようなもんですって。

 ボールが当たったところは痛いわ、高価な養毛剤を買わないといけないから出費が痛いわ、で。


 三日目の昨日の十月十四日。


 これがいちばん酷かった。全部が酷かった。取り返しがつかないほどに酷かった。


 まずは後輩。

 ひとりだけ定時で上がるなって。それは駄目だって。

 部署の社員の中で帰ったのは、お前だけですよ。

 お前の仕事のミスを取り返すために、俺も上司も先輩たちも夜遅くまで残業したんだ。


 それと、戦いの女神に俺が浮気をしているしてない、なんて口にするなって。

 あんな先輩でも浮気するような男じゃないって、どういう意味ですか。

 誤解を招く表現じゃないですか。

 あと、俺の土産の分のビスケットを全部食べるな。


 次に戦いの女神。

 俺は浮気をする男じゃない。

 戦いの女神と交際しているわけじゃないけれど、浮気はしない。

 もちろん、魔王や魔物に寝返ったりすることもない。絶対に寝返らない。

 だから、今朝のように槍で脅してくるのはやめなさい。


 もうね、この日が三日間の中でいちばん酷いですよ。


 デットボールを受けたにもかかわらず、交代もなくピッチャーマウンドに上がらされた俺。

 デットボールの影響でコントロールが定まらずファーボール連発。アウトひとつも取れずに満塁。

 打席には、ピッチャーなのに代打を送られずに入った戦いの女神ですよ。

 渾身の力を込めて投げた初球が物の見事に打たれてゲームセット。


 サヨナラ負け投手ですよ、俺は。

 勝利の女神が微笑んだ相手は、サヨナラホームランを打った戦いの女神ですよ。

 ヒーローインタビューももちろん戦いの女神ですよ。


 でもね、おっさんは頑張りますよ。

 これでは終わりはしませんよ、読者の皆様。

 俺はね、戦いの女神には匿っている立場として、後輩には会社の先輩としてビシッと言ってやりますよ。


 明日、我が家で戦いの女神と後輩に説教だ!

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