今日は時系列で
今日は時系列で。
・午前七時~午前八時
午前七時に起床。
戦いの女神は三十分前に起床しており、朝食を先に食べ終え、ぶどうジュースを飲みながら朝刊を読んでいた。
おっさんか。
・午前八時~午前十時
スマホで台風情報を確認しながら、ノートパソコンでYouTubeにアクセスし、戦いの女神に宇宙の誕生から地球が誕生するまでを紹介する動画を視聴させる。
戦いの女神曰く「なぜ宇宙が始まったのだ? なぜ宇宙は広がっているのだ?」
そんなんわからん。
・午前十時~午前十一時半
天候が荒れる前に、戦いの女神と共に車でショッピングモールに買い物に。
買い物袋をぶら下げながら店内を歩いていると、後輩の後ろ姿を確認。
ここで後輩に見つかると、いろいろと面倒。
気付かれる前に戦いの女神の腕を引っ張り、店外に。
・午前十一時半~午後一時
外の天候を気にしつつ、昼食の準備。
昼食の準備と言っても、ショッピングモールで買ったものをテーブルに並べるだけ。
戦いの女神はピザとサラダ、俺は寿司。
戦いの女神が寿司一巻を所望されたので、ピザ一切れと交換。
昼食後、ゆっくりと腕相撲をしながら休息。
・午後一時~午後一時五分。
戦いの女神が昼寝に入る。
いつも昼食後に午後三時まで昼寝をしているそうだ。
戦いの女神が昼寝に入って五分後、後輩からLINE。
『先輩、昼前にショッピングモールにいたっすよね?』
『いない』
即嘘返信。
・午後一時五分~午後二時五分。
戦いの女神は昼寝を続けている。
後輩からまたLINE。
『ショッピングモールで先輩がブロンド色の髪の毛の女性と歩いているのを見たんですけど、誰っすか?』
『幻想だ。お前は疲れているんだ。ゆっくり休め』
即返信。
後輩に気付かれていたのか?
・午後二時五分~午後二時六分
『先輩、その女性は彼女さんっすか? 同棲してるんすか?』
既読スルー。
戦いの女神は昼寝中。
・午後二時六分~午後二時四十分
玄関のチャイムが鳴ったので出てみると、なぜか後輩が立っていた。
『既読スルーされたんで、心配になって来たんすよ。同棲中の彼女さんはいるんすか?』
昼寝中の戦いの女神を家に残し、後輩を連れて近くのマクドへ。
後輩にアポなし訪問がどれほど大罪かと説教。
後輩曰く「既読スルーのほうが大罪っすよ」
俺は謝罪した上で、彼女の存在を否定して後輩を帰宅させる。
・午後二時四十分~午後三時
戦いの女神、目を覚ます。
目を覚ます十分前に「おっさん、もう一つの地球を誕生させたぞ」と寝言。
寝言について尋ねると、戦いの女神曰く「寝言だから知らん」
・午後三時~午後三時五分
『先輩、帰宅したっす』
『無事に帰れたようで安心した。ゆっくり休め。また月曜日』
『彼女さんは本当にいないんすか?』
『いない。だから、ゆっくり休め。月曜日まで色々と忙しいから返信できない。既読スルーでも気にするな。また月曜日』
『忙しいって、彼女さんとのデートで忙しいんすか?』
『既読スルー』
・午後三時五時~午後四時五分
戦いの女神のストレッチに付き合わされる。
いつもこの時間帯に一時間かけてやっているそうだ。
普段から運動をしていない俺は汗だくになる。
戦いの女神は涼しい顔をしてストレッチを続けている。
・午後四時五分~午後五時
へばっている俺を尻目に戦いの女神は槍と鎧の手入れ。
「その槍と鎧は誰に貰ったんだ?」
「初めから所持していた」
「誰かに貰ったわけでもなく?」
「そうだ。初めから所持していた」
「初めって?」
「初めとは、我の存在を天界の神々に許された瞬間だ」
「は?」
「あ?」
・午後五時~午後七時
夕食の準備と夕食。
夕食後、本気度のある腕相撲。
連戦連敗で悔し涙。
もちろん、俺。くぅ。
・午後七時~午後九時
入浴タイム。
先に戦いの女神、次に俺。
二人の入浴が終えた後、晩酌タイム。
戦いの女神は赤ワイン、俺は缶ビール。
・午後九時~
寛ぎタイム。
戦いの女神は小説版『このすば』を読んで可笑しそうに笑っている。
俺は後輩からの不意打ちのLINEに備え、スマホを持っている。