槍を持つ
すず「そう。この槍こそが、キミだからこそ使える武器。」
練也「...いきなりそんなこと...。言われて信用出来るか。」
謂れがどうのと言われる前から、宝物庫へ行きクスリを極めたあとに槍を見せられた。それはキミが持つべき槍だと言われても、懐疑的な意見しか浮かばないというもの。その様子を見て、すずちゃんは仕方がないなというように槍に触れようとした。しかしどうだろう、静電気が手に起きた時のように槍に触ることは叶わなかった。
すず「いたた...。どう?これでも演技だなんて、酷いこと言う?」
手を少し痛そうにしながら、片方の手にて優しくさするすずちゃん。その仕草から、どうやら嘘は言ってないらしい。
練也「俺が握れば良いのか...?」
すず「そう。その槍は、キミに握られることを望んでいる。なんなら、その槍はまだ無名の槍だ、キミが名付けると良い。」
濃密な存在感を放つ、両柄の末端に十文字の刃を据えた槍を前にした俺。すずちゃんが見守る中、俺は力強くそれを握り締め、力強く引き抜いた。
すず「...どうだい?ボクが言った通りでしょ?」
練也「...ああ。ちゃんと持てる。」