ボクっ娘の神様?
東方外来人物語、この後すぐ。
??「...やあ。佐藤練也くん。...こんばんはかな?」
練也「...何故俺の名前を。」
その女性は千早を身に纏い、艶やかな黒髪を頭から生やし、それは暗がりでも僅かな明かりを映し出すほど綺麗だ。歳の頃はまだ全然若く感じる、というか、老けても見えず幼げにも見えず、不思議な感覚で俺はその女性を眺めていた。女性は、再びその鈴の音が鳴るような綺麗な声にて、俺の問いに答えた。
すず「ボクの名は、すず...。この社に住む、神...。君達人間の行いを、見守りつつこの場に佇み続けて幾星霜...。...なんちゃって...☆」
そういきなり厳かな雰囲気を崩して、近くに歩み寄る自称神様の女性。すずちゃんはその身をゆっくり近付けて、やがてその両手にて俺の熱く熱せられた手を包むように持った。程よい冷たさの手の感触を感じながら、俺は彼女の動作を見届ける他なかった。不思議な、感じがしたのだ。
すず「凄い力を感じるね...。...体の中を動き回っている。」
練也「一体何だ...キミは...。」
すず「だから、言ったじゃないか?ボクは、神様。そして、これから2人で暮らしたいと思っている、...同居人候補ってこと。」
練也「...話が無茶苦茶だ...。」
すず「無茶苦茶さ。だってボクは、マイペースだからねー♪」
そう笑顔にて言葉を発した後、彼女は俺の手を引いて本殿へと誘う。しかし2人で住むとは、一体どういうことだろう?よく怖い話とかでも言った、"人身御供"やら、"人柱"的な話なんじゃないかと思いながらすずちゃんのなすまま、靴を脱ぎ本殿の御神体である鏡を見るように勧められた。
すず「これを見てほしい。」
練也「....?!えっ?」
御神体に何か細工がされているとはみてくれからして思えないし、妖術的なやつとか?でもない気がする。間違いがなければ、紅白の巫女装束を着た少女、白黒の魔法使いのような、箒にまたがり空を飛ぶ少女の姿が、そこに映し出されたのだ。
すず「ボクはね。実は元々こちら側の神じゃないんだ。」
練也「あの、鏡の奥...。...まさか、幻想郷の出だっていうのか?」
すず「そう。ボクは幻想郷に帰る時期が来た。そこで、1人この身、そして自らの依代となる場所だけをあちら側に移すというのも、何かと寂しくてね...。そこで!」
すずちゃんが、ビシィッ!っと俺に指を指す。いやもう神様の威厳というか神様のキャラ要素がない、ただのボクっ娘な女性になってしまっているすずちゃんに顔を向けた。
すず「佐藤練也くん!ボクは、君に決めた!ボクと一緒に幻想郷に来てもらう!」