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どうもオレです 白虎っぽい獣に転生して守護聖獣となりました  作者: タカハシあん
開拓期編

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56/225

56 点数

 モンバドレ、美味しゅういただきました。


 久々に美味いものを食った。まあ、見た目は悪いが、大森林で生き抜いて二十数年。カタツムリていどではSAN値は下がりもしないわ!


「満足満足」


 軽トラくらいのサイズなので、オレの胃には八分目。まあまあの量である。


「殻は持って帰るか」


 たぶん、この世界でも殻はカルシウムなはず。なら、草木を燃やした灰と糞尿を混ぜて乾燥させたら肥料になる、はず。ごめん。よく知らねーや。


「おっ。意外と重いな」


 軽いと思って謎触手で持とうとしたらズッシリときた。


 まあ、なんとか持てる重量なので、背に載せて村へと帰った。


「やはり、モンバドレもレオガルド様の敵ではありませんか」


 殻を持って帰ったらゴゴール族たちから称賛を受けてしまった。


「知恵を使えばモンバドレは怖くはない。塩でもかけてやればお前らでも倒せるはずだ。今度やってみろ」


 オレとしては増やして欲しいところだが、ゴゴール族の脅威なるなら駆除したらいい。蟲系モンスターは繁殖力も高く、生命力も高い。よほどの環境変化がなければ死滅なんてしないだろうよ。


「塩、ですか?」


「ネチャネチャした蟲は水が多い。そんな蟲に塩をかけると塩がその水を吸って縮むんだよ。そうなれば動きが遅くなるから槍で突けば簡単に倒せるはずだ」


 それが真実か確かめてみろと、背から殻を降ろした。


「殻は砕いて貯めておけ。そのうち畑に撒くから」


「これを、ですか?」


 ワケワカメなゴゴール族たち。こればかりは頭でわからせるより体に教えたほうがいい。まずは命令としてやらせよう。


「ゼル王たちはもう視察にいったのか?」


 今さらではあるが、ゴゴール族はこの村だけに住んでいるわけではなく、いくつもの村に分かれて住んでいる。


 この村は、ゴゴール族な中で最大の部族であり、一番強いので他の村を従えている感じだ。あ、ここ、ブランボル村って言います。


「はい。なにか用があれば使いを出しますが?」


「いや、いい。オレも視察に出る。オレがきていることは伝えてあるよな?」


 村も広範囲に散っている。こんな時代では連絡が行き届いてないことなんて当然のようにある。いきなり攻撃されたらたまらんよ。


「はい。失礼があってはいけませんから何度も言いつけて回っております」


 随分と細やかにやっていること。恐怖政治はそんなことまで気を回させるものなのか?


「そうか。ではいってくる」


 村と村は道で繋がってはいないが、足跡や獣の嗅覚があれば迷うことはない。早足で一時間くらい進むと、違う部族の村に出た。


 ここは完全にアマゾンの原住民が住んでそうな村である。着ているものも質素で、自分の毛がなければ凍死しそうな薄着である。


「オレはレオガルド。ゼル王たちはきたか?」


 姿を現すと、ダッシュで集まってきた村の者たちに問うた。


「は、はい。昼前にきました」


 大陽の傾きからして今は二時くらいか。なら、もう次の村に到着してるくらいかな?


「そうか。冬の食料は足りているのか?」


 冬の間は山芋のようなものや木の実、塩漬けの肉を食っているらしいが、充分な量はなく、毎年餓死者を何十人と出しているそうだ。


「はい。今年はゴノや塩漬けの魚が回ってくるので過ごしやすくなってます」


 回ってくると言っても量は少ないだろうな。コルモアの町からゴゴール族の住むところまで三百キロ近くは距離があるからな。


「これからもっと暮らしは楽になっていく。今は堪えて生き延びろ」


 ゼルやギギにも希望を持たせながら視察しろとは言ってある。従えさせるにも希望は見せておかないと纏まることも纏まらないからだ。


「この辺に獣は出ているか?」


 モンバドレ、水分が多いのか、すぐに空腹になってしまった。美味いのに腹持ちの悪いモンスターだぜ。


「たぶん、ゴエの群れはいると思いますが、レオガルド様の腹を満たせるかは……」


 ん? もしかして、ゴエって猿のことか?


 猿は冬でもいるが、捕まえる労力を考えたら他を探したほうがいいエサだ。


「そのゴエはなにか被害を出しているのか?」


「エサが少ないときは村にやってきて、保存食を奪っていきます」


 世界は違えど猿がやりそうなことだ。


「では、オレが食っても問題ないな?」


「は、はい。食べていただければ助かります」


 と言うのでゴエを探しにでかけた。


 猿の臭いは独特なので探すのは難しくはない。すぐにゴエの群れを発見できた。


「あー。こいつらか~」


 どこにでもいる猿の一種で、冬になると白くなる猿だ。


 サイズ的にはチンパンジーくらいで、察知能力が高い。オレの気配にもいち早く察知して逃げ出すのだ。


 弱い雷を放って気絶させるが、猿のクセに蜘蛛の子を散らしたように逃げるから雷を放っても二、三匹しか仕留められない。本当に狩るとなると面倒でしかないよ。


 だがまあ、味はそう悪くはない。点数をつけるなら六十五点。ちなみに三十点以下は食べない主義だ。


 謎触手でキャッチ。口へと放り込む。


「冬はいまいちだな」


 栄養が足りてないのか五十点くらいになっている。


 次なる獲物に駆け出し、ちまちまと狩ってちまちまと食っていたら、熊の臭いを嗅ぎ取った。


 熊も食い飽きたが、デカいのをドンと食いたいので、臭いの元を掘り出したら丸々肥えた赤毛の熊が現れた。


「こんだけデカいと毛皮がいっぱい取れそうだ」


 爪でかき出し、牙で息の根を止める。そのまま咥えて先ほどの村へと戻った。

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