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どうもオレです 白虎っぽい獣に転生して守護聖獣となりました  作者: タカハシあん
成長期編

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148 ギギ成分

 第二港がそれなりにできた。


 確かめてもらうためにレニーラにクレンタラ号を入港させてもらった。


「上手いものです」


 一緒に見ていたオールダーが感嘆した様子で呟いた。


 確かに素人のオレから見ても上手いと思える。帆の張り、角度、潮の流れ、すべてを理解して艦を操っている。なんとも凄いものである。


 かなり広くしたが、レニーラには広すぎたようだ。難なく港の中央に停めてしまった。


 小舟を降ろしてレニーラがやってきた。


「見事なもんだな」


「お褒めにいただいてありがとうございます」


 おどけたように一礼するレニーラ。お茶目なヤツだ。


「細かいことはオールダーに任せる。必要なものはセオルに用意させろ」


 桟橋や第一港を繋ぐ道とかはミドットリー島の連中にお任せ。いいようにやってくれ、だ。


「ミドットリー島防衛艦隊が欲しいところだな」


「そうですな。せめて二隻は防衛に欲しいところです」


 レニーラが抜けるとまた二隻体制だ。開拓船でもいいから監視船として流用したほうがいいかもな。


「まあ、それもセオルと相談だな」


 命令してどうなるものではない。人間たちの努力に乞うご期待、だ。


 シャーロット号がきたらオレはクレンタラ号に乗ってコルモアへと帰る。


 これと言ったトラブルもなくコルモアに着くと、ゼル王やカルオンたちゴゴール族は帰っていた。


 まあ、同盟航路や船のことは人間たちに任せ、事後報告としてゼルに上げさせよう。


 少し休んでからセオルたち主要メンバーを集め、説明はレニーラに任せる。


「レニーラなら問題ないでしょうが、諸島連合体ですか」


「なにか問題があるのか?」


「レニーラから聞いているでしょうが、あそこは寄せ集めです。どこと組むかで事態は変わるでしょうな」


 どうなんだとレニーラを見るセオル。


「ゴールット家を考えている」


「変わり者には変わり者を、か。ゴールット家ならレオノール国にきたいと騒ぐのではないか?」


 セオルも知ってるようだ。有名なの家なのか?


「きたいと言うなら呼ぶまでだ。ゴールット家はライズ家と仲がいい。レオノール国と交易が始まれば戦艦も手に入れられるだろうよ」


「帝国やマイアナよりはマシか」


「ああ。こちらにはレオガルド様がいる。あちらの思惑に乗せられたりはしないだろう」


 オレ、それほど交渉力はないぞ。あまり期待しないでくれよ。


「あちらがきたいと言うなら認める。もし、これからも交流したいと言うなら諸島連合体にもレオノール国の出先機関を置けるよう交渉しろ。あと、試しにゼルム族を二人ばかり連れていけ。身なりをしっかりさせて、重要人物風に扱えば無茶を言われたりしないだろう」


 交易が始まってからでもいいかもしれないが、異種族に慣れさせておくのもいいだろう。ゼルム族にも外を見てもらいたいしな。


「海を渡るゼルム族はいますか?」


「それはゼル王と相談する」


 いくとしても来年だ。選別して教育して、人間の暮らしを学ばせる。充分期間はあるさ。


「オレは航海のことはわからんし、バリュードやバルバのことがある。同盟航路のことはレニーラを代表に計画を立ててくれ。よほどの無茶でなければ支持するから」


「わかりました。こちらで計画を進めます」


「レニーラ。あまり無茶を言ってセオルを困らせるなよ。まだセオルには働いてもらわなくちゃならんのだからな」


「気をつけよう」


 あまり頼りにならない返事だが、それはセオルの頑張りに期待しよう。人間代表はセオルなんだからな。


 同盟航路はそのくらいにして他のことも話し合う。


 五日ほど話し合いをしてからマイノカに戻ることにする。さすがにギギ成分が切れそうだ。


「あちらにかかりっきりになるだろうから、今年はもうこれないと思う。レブとチェルシーにきてはもらうが、難しいことはセオルが判断してくれ」


「はい。無理はしても無茶は致しませんのでご安心を」


「ふふ。頼りになる男がいてくれて助かるよ」


 謎触手でセオルの肩を叩き、マイノカへと向けて駆け出した。


 寄り道せずマイノカへと駆け、その日のうちにゼルに同盟航路のことを話した。


「おれに異論はない。諸島連合体にいく者の選別もこちらでやっておく。ミナレアを頼む」


 ゼルも大陸の外の情勢は聞いてるはず。オレの仕事を減らすために自分らでできることは自分たちでやろうと言う意識が生まれたんだろうな。


 とりあえず話はそこまでにしてギギの下へといき、ギギ成分をたっぷり補給した。


 夏の間はギギと過ごし、秋が訪れたらミナレアへと向かった。バリュードも秋に活発になる。今年中にいくらか減らしておくべきだろうよ。


 ギギを連れていきたいが、マイノカから離れられないほどギギの立ち位置は固くなっている。オレとギギだけで過ごしていた日々が懐かしいよ。


「いってくる」


「はい。お気をつけて」


 謎触手でギギを抱き締めてから出発した。


 オレの安らぎをぶち壊してくれたバリュード、許すまじ!


 怒りを風と雷に変え、一直線でミナレアへと駆け抜けた。

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