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どうもオレです 白虎っぽい獣に転生して守護聖獣となりました  作者: タカハシあん
成長期編

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109 スキンシップ

 騎士試験は二十日目に突入した。


 されど、脱落した者は四人。二十四人は必死に食らいついていた。


「がんばるものだ」


「ミクニールとしての誇りと、我々に負けられない意地でしょうな」


 プライドが高いと言うのも面倒なものだ。


「あと四十日も続くとしたら参るかな?」


 ミゼルたちは六十日経っても意地を見せつけた。ミクニールはどうだろうな?


「参らないでしょうな。我らが六十日走り続けて意地を示したと知ってますから」


 ミゼルたちにできて自分たちにできないわけはない、か。オレがいなければ人間たちと泥沼の戦いをして、数百年先まで恨みを残していただろうな。


「まあ、戦うにしろ逃げるにしろ、体力がなければ死ぬだけだ。ミナレアの周辺を覚えるくらいに走らせろ」


「お任せください。レオノール国の騎士ワルキューレに育てます」


 二十日は側で見守っていたが、そう騎士ワルキューレにつきっきりではいられない。問題はあちらこちらからやってくるのだ。


「レオ様!」


「ガウ!」


 夏の暑い日、レブとチェルシーがゴゴール族のところから帰ってきた。


 頭突きを食らわしてくるチェルシーを受け止め、ジャンプして抱きついてくるレブを謎触手でキャッチしてやる。


 ……この二人のスキンシップは激しくて困るよ……。


 長いこと離れていたので、しばらくはレブとチェルシーのコミュニケーションに付き合ってやり、落ち着いたらゴゴール族の様子を聞かせてもらった。


「蟲が大量発生してるのか」


「うん。猟兵イェーガーが駆除してるけど、青蟲の女王が見つけられなくて苦労してる」


 青蟲。大森林でよく見かける蟲で、形は団子虫。サイズは一メートル。なんでも食ってしまう、大森林の厄介者だ。


 ただ、青蟲を食う蟲も多くて増える存在でもなかった。オレも最初は躊躇ったが、一度食ったら虜になる味だった。


「チェルシーも最初は大量に食べてくれたんだけど、たくさん食べすぎて飽きちゃったの。もう見るのも嫌だって」


 大食漢なチェルシーが飽きるとか、相当な量が現れているようだ。


「それなら見にいってみるか」


 レブとチェルシーが戻ってきたのだから、そう深刻にはなってないだろうが、これから深刻になるかもしれない。一度、自分の目で見て判断しよう。


「ミディア。先行して青蟲を狩っててくれ」


 巫女がいるし、ミディアが恐れてられることもない。先行させても問題ないだろう。それに、ミディアも青蟲のクリーミーさに取り憑かれている。オレがいくまでそれなりに食ってくれるだろうよ。


「レオはいかないの?」


「しばらく離れても大丈夫なように第三次防衛線辺りで臭いを残したら向かうよ」


 レブとチェルシー孝行も兼ねてな。


「ギギ。巫女と守人ガーディを選んでくれ。ミディアと一緒に連れていかせるから」


 オレなしで巫女と守人ガーディの護衛をさせる訓練をさせておきたいからな。


「ミディア。巫女と守人ガーディを頼むぞ」


「むー。わかった」


「膨れない膨れない」


 謎触手でミディアの顔を撫でてやると、嫉妬したチェルシーが頭突きを食らわせてきた。


 ……こんな嫉妬、少しも嬉しくねーな……。


 ギギともスキンシップもしたいが、ギギとは心と心が深く繋がっている。できるときに深くスキンシップすれば一月は戦える!


 準備が整うまでミディアを慰めてやり、四日後にブランボルへと出発していった。


「レブ、チェルシー。第三次防衛線まで狩りにいくぞ」


「うん!」


「ガウ!」


 第三次防衛線までいっきに駆け抜け、オレらの存在を示すように臭いを残し、見つけた索敵隊を狩り尽くす。


「レブがいるとバリュードを見つけるのが楽でいい」


 ミディアの嗅覚も高性能だが、それは風で流れてきたり、臭いが残ってたりしないと働かないが、レブの場合はそれは関係ない。かなり離れていても準モンスターの位置を感知できるのだ。


 ただ、距離があるからか、それとも察知能力に長けてるのか、あと少しのところで逃げられてしまうのだ。


「警戒されてるな」


「だね。なにか能力を持ってるのかな?」


「そうかもしれないな。今度は二手に分かれてやってみるか」


 レブがいるならオレの位置はわかるし、オレの行動に合わせてくれる。挟み撃ち作戦といこうか。


「わかった。あっちに大きい霊力があるよ」


「よし。やるか」


 オレの嗅覚が働くところまで一緒に駆ける。


「追い込むように頼むぞ!」


「わかった。チェルシー、いくよ!」


 二手に分かれ、レブたちには挟み撃ちできるように動いてもらう。


 臭いが嗅ぎ取れる距離を保ちながら、レブたちが塞ぐ位置につくまで駆けに駆ける。


 そして、Aクラスのバリュードを挟み撃ちにできた。


 オレの行動に合わせてくれるので、Aクラスのバリュードを狩るのにそれほど時間はかからない。


 雷が放てる距離まで近づき、黒焦げにならないていどの一撃を食らわしてやった。


「やったね、レオ様!」


「ああ。レブとチェルシーがいてくれたから成功できたよ」


 できたら褒める。そして、スキンシップする。


「チェルシー。食っていいぞ」


 さすがにバリュードも飽きてきたので、チェルシーに先を譲った。


「とは言え、バリュードも知恵をつけてきたな。もうオレだけでは狩れなくなってるぜ」


「バリュード、賢いんだね」


「そうだな。こちらも賢くならんとな」


「どうするの?」


騎士ワルキューレたちと連携して狩るのさ」


 まあ、連携できるまでまだ時間はかかりそうだがな。


「それまではオレらで狩っていくぞ」


「わかった!」


「ガウ!」


 では、もう一狩りいきますか!

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