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どうもオレです 白虎っぽい獣に転生して守護聖獣となりました  作者: タカハシあん
成長期編

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108/225

108 騎士試験

 次の日にはミナレアに到着できた。


 ミクニールの難民キャンプとなった広場にいと、感動の再会となった。


 ……ざっと百五十人か……。


 ミナレアの人口が五百人くらいと考えると、ミクニール氏族はミナレアに匹敵する勢力だったんだろうな。


 ルゼのところに向かい、今後の話し合いをする。


「ミクニールとの話はどうだ? レオノール国の民となることを撰んだか?」


「はい。民となるそうです」


 まあ、それ以外の選択肢はないだろうが、よく受け入れたものだ。その場合、ミクニール氏族は捨て、レオノール国の民となる条件を飲ませるようにしたんだがな。


「そうか。そうなるとミクニールからも騎士ワルキューレを選び出さないとダメだな」


 レオノール国の民となるなら騎士ワルキューレになれる資格を与えなければならない。じゃないと差別とか騒ぎ出す輩が出てくるかもしれないからな。


「ミゼルたちは納得しますか?」


「納得させるための試験はするさ。騎士ワルキューレはレオノール国の要になるんだからな」


 ゼルム族は大森林の奥からやってくるモンスターを防ぐ壁となるんだから、今よりも強くなってもらわなければならないんだからな。


「女子供はルゼ公爵に任せる」


 ゼルム族の女でも力は人間以上ある。子供でもよほど幼いのでなければ大抵の仕事はできるだろうよ。


「はい。まずは開墾に当たらせます。人間がもたらした豆はすぐ育ってくれますから」


「豆か。この地に馴染むんだから豆の生命力は凄いな」


 他の野菜も馴染んではいるが、豆はどこでも馴染んでいる。収穫もいいからゴゴールのところにも回そうかって話も出ているくらいだ。


「はい。芋も早く増やしたいものです」


 肉が食えないのがいいのか悪いのかわからん種族だよな。


「ジュニアはちゃんとやってるか?」


「はい。最近は開墾を手伝っています」


 まずは王の後継者なんだと言う前に、民と一緒に汗を流すほうが民衆受けするだろうよ。


 オレがいないことをいろんな者から聞き、ゼルム族の内情や考え方、問題点を仕入れた。


 やはりミクニールの問題が多かったが、今のところオレが介入する問題はないようだ。ルゼたちも日々成長していてなによりだ。


 話し合いが終われば騎士団ワルキューレズの基地に向かい、ミゼルとミクニールの騎士ワルキューレ入団のことを語った。


「受け入れるのは抵抗があるだろうが、騎士ワルキューレを増やす必要がある。受け入れてくれ」


「お気になさらず。こうなることは予想してましたから」


 まあ、騎士ワルキューレの強さや練度を見たら男として黙って見ていることはできないだろう。プライドが高いゼルム族なら、な。


「ふふ。成長したな」


「レオガルド様に鍛えられましたからな」


「口も上手くなりやがって」


 オレがやらせたとは言え、自ら変わろう、成長しようとしなければ身ならない。それはミゼルたちの頑張ったからだ。


「ミゼルを中心に騎士ワルキューレになりたいヤツらを試験しろ。数は十人だ」


 何人受けるかは知らないが、誰も彼も騎士ワルキューレにさせるわけにはいかない。騎士ワルキューレとしてのブランドを守るためにも十人だけにしておくのだ。


 それに、ミゼルたちへの配慮もある。先に頑張った者を蔑ろにしたら纏まるものも纏まらなくもなる。だからと言ってミゼルたちを甘やかすつもりはない。ミクニールを使ってミゼルたちを鍛えてやろうか。


 ミクニールとのやり取りはミゼルに任せ、オレとミディアは監督として見守った。


 騎士ワルキューレ試験に集まったのは二十八人。成人とされる者が全員集まった感じっぽいな。


騎士ワルキューレになれるのは十人。十人になるまで試験を繰り返す。ついてこい!」


 ミゼルと補佐する騎士ワルキューレが四人が走り出した。


「なにをしている。試験は始まったぞ」


 地面を叩き、戸惑うミクニールの男たちに活を入れた。


「走れ! 走って走って走りまくれ! 騎士ワルキューレに弱者は不要! 強者だけがなれるレオノール国の槍だ!」


「いくぞ! ミナレアの男に負けるな!」


 リーダー格と思われる男が叫び、ミゼルたちのあとを追い出した。


 オレらも後ろからついていく。脱落者回収のためにな。


 とは言え、さすがに一日二日で根を上げる男たちはおらず、息を切らしながらもミゼルたちに食らいついていた。


「休憩だ。水と塩をよくとれ」


 昭和の部活では水を飲むことを許されなかったみたいだが、そんな根性論で肉体が鍛えられるなら平成になっても継承されている。されなかったってことは間違っているってことだ。


 これは試験ではあるが、訓練でもある。無駄に人材を消費できないのだから全体の底上げをしておくのが未来のためってものだ。


 走り込みは八日を越え、やっと一人が脱落した。


「さすがバリュードから逃れるだけはあるな」


 生存競争に勝ち抜いたヤツは根性も座っている。誰もが歯を食いしばってついていっている。


「練度の差か」


 ミゼルたちも息を切らしているが、まだ余裕を見せていた。


「ねぇ、レオ。これって必要なの?」


「必要だよ。と言うか、基礎の基礎だ。モンスターと戦うならな」


 強い敵と戦うなら知恵は必要だ。だが、それは体力あってのこと。化け物と戦うのだからせめて種としての限界まで高めておかなければならない。


「ミディアも獲物が弱いからと油断するな。強さに溺れるな。この世で一番怖いのは弱者が群れることだ」


 弱者は数と知恵で強者に挑んでくる。なら、強者は弱者を学ぶべきだ。強者たる存在でいたいなら、な。


「……レオの言うことは難しい……」


「わからないってことはまだミディアが弱いって証拠だ」


 まあ、千里の道も一歩から。ちょっとずつわかっていけばいいさ。 

他の作品も( `・ω・´)ノ ヨロシクー!

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