第6話 「実はお願いの議がございます」
私が宰相になった翌日。
さっそく仕事がやってきた。
「宰相。こちらの書類を見てください」
「宰相。こっちの書類もお願いします」
「宰相―」
「うわああああああああああああ。仕事が多いいぞおおおおおおおおお」
私は、仕事があまりにも多すぎて叫んでいた。
宰相ってこんなに大変な立ち位置にあるのか。総理もよくこんな激務をすることができていたな。そんなことを思った。
「そんなこと言ってないで仕事よろしくお願いします」
「そうだそうだ」
「そうだぞー」
この国の官僚たちは宰相を何だと思っているのだろうか。
働きすぎだ。
そして、上のものをこき使おうとしている。
「わかった、わかった。だが、私1人ではできることに限りがある。そこで提案がある。だから、国王の場所に向かってくる」
私はそういうと、官僚たちから逃げるように執務室から出ていく。
国王に会いに行くっているのは本当だし、妙案も思い浮かんでいる。だから、嘘を言ってはいない。
「国王陛下」
私は国王の部屋に入る。
「何だね。宰相殿」
「実はお願いの議がございます」
「お願いの議? それは一体どういうものかね?」
「はい。この国には多くの行わなければいけない施策があります。その政策について私がすべて目を通すことは不可能です。ですので、私が昨日話したようにこの国にも複数の大臣がいる制度を採用しましょう。そうすれば施策も今よりも早く進めることができます」
私は自分の仕事量を減らしたい……ではなくこの国のためを思いスピーディな施策を実施できるようにする提案をする。
「わかった。そなたの好きなようにするがよい」
国王は、私に全権をゆだねてくれた。
これで私の案を実施することができる。
「ありがとうございます!」
やることを減らすためにやることが増えたが、気にしない。
まずは、大臣になるような人材を探すことにしよう。




