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第23話 「すみません。静かにしてください」


私はシューという男に会いに図書館へ向かった。

この学院にあるすべての本を読んだことがあるともいうほどの読書家であることからかなり勉強ができるのだろうと思う。


 「ここにいるはずですよ」


 アイリーンが私を図書館まで案内してくれた。

 ここが図書館。

 私は図書館の入口で緊張していた。今までの人物で一番期待できる人材だ。私はシューという男をそのように今のところ評価している。

 早くシューという男に会いたい。


 「さあ、入るとするか」


 私は図書館に入る。


 「シューはどこにいるか」


 興奮のあまり図書館の中だというのに大声を出してしまった。


 「すみません。静かにしてください」


 そして、案の定というか図書委員らしきおさげ眼鏡の女子生徒に叱られてしまった。当然のことだろう。私があまりに興奮していたから常識がなくなっていた。え? 政治家に常識なんてない? そんなこときっとない……はずだ。うん。


 「わかりました」


 おとなしく図書館の中を回る。


 「あっ! あそこです」


 アイリーンが大声で叫ぶ。

 すると、


 「こらあ! 静かにしろと言っただろ」


 図書委員が大きな声で怒る。さっきのおさげの子だ。あんな大声を出すことができるんだ。私はそこに関心をしていた。

 っていうよりも、あの図書委員の方が大声を出してうるさいような気がするな。

 アイリーンは、はっとしてすぐに口をふさいだ。声を出した後だから遅いけどな。


 「あ、あの、宰相様。そこでずっと本を読んでいる人がシューです」


 私はアイリーンが指さす方を見る。すると、そこには1人の男がいた。メガネをかけて髪はやや長髪であった。私達が騒いだというのにまったく気にしていない。彼の眼はまっすぐに今読んでいる本を向いていた。

 本の虫。

 その言葉が私の頭によぎった。

 これがこの学院一の天才。

 私はいよいよその男シューに声をかけるのであった──


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