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53 三十四〜三十七階層

お待たせしました!

今回は階層をいくつか飛ばしてます。飛ばした部分はそのうちモモ視点で書く…かもしれません(^◇^;)


三十四階層、三十五階層、三十六階層、三十七階層と順調に移動した。


三十四階層は石壁の迷路でクィーンシケイダ、クィーンクリケット、ビックシケイダ、ビッククリケットという魔物が出た。つまり大きなコオロギとセミだな。


近づくまではただ音を出しているだけの魔物だったのでモモの【火魔法】と俺の【木魔法】で遠距離から攻撃して終わらせた。近づいても倒せたがものすごく煩いので初めに試しただけだ。


どれだけ煩いかというと、鼓膜が破れるくらい。近づいて倒そうとしたせいで両耳の鼓膜が破れた。ドロップしたスキルは【聴覚保護】のみ。あとは羽根。虫系魔物は羽根ばかりだ…。

【聴覚保護】は身体に異常が出る音、鼓膜が破れるほどの音はもちろん、頭痛がするようなこともなくなった。【聴覚上昇】を持っている身としてはありがたい。


三十五階層は草原の階層。物凄く広かったがユキのお陰で階段はあっさりと見つかった。ただこの階層に出る魔物を一度は倒しておきたかったので戦った。コボルトアームド、コボルトコマンダー、コボルトジェネラル、ニードルバグス。

コボルトはウェアウルフに近い。ずんぐりむっくりしており、ウェアウルフより小柄で灰色や茶色、黒色と色んな色がいた。


ニードルバグスはもっとずんぐりむっくりしていた。というか全身が毛で覆われており、攻撃手段は毛を針のように飛ばすスキル。

ユキが教えてくれなければ普通に攻撃を喰らっていただろう…。まあ教えてくれても何回かは食らったが、【表皮硬化】と【身体強化魔法】のおかげか弾いたので傷は負っていない。

モモが「暖かそうな毛皮ですね!」って言っていたがサラサラに見えて実は針のように硬い毛なんて暖かくても触り心地は最悪だろう。


そしてドロップアイテムはまた尻尾。コボルトの尻尾は上位種でもウェアウルフの尻尾より効果が劣るらしい。意味わからん。そしてニードルバグスは束になった針の様な毛。どうしろと?アニメのように針を素手で飛ばす技術なんてないわ。意味わからんし、要らない。モモのお仕置き用にいいかも?って思ったが流石に傷つけるようなお仕置きは良くないと自重した。何も言っていないのにモモはびびっていたが…。


そしてスキルペーパーは【腕力上昇】【脚力上昇】【体毛強化】。【体毛強化】だ。本当に意味わからん。どうして欲しいんだ。害にはならなそうなので取得はしたが…髪の毛や産毛がゴワゴワしただけで意味はない。いや…整髪料要らずになったか。髪を掻き上げた状態でスキルを使うとその状態で固定される。無駄だな…。


三十六階層は虫の階だった。そして草原の階層。見渡せば何処かに虫がいる。逆に虫が見えないところなんてなかった。ポイズンセンチピード、デスファントムバタフライ、クィーンアント、キラーアント……。


二メートル程の毒百足、一メートル程の死の幻影蝶、三メートル程の女王蟻。そして一メートル大の兵隊蟻。

ムカデはモモ任せだ。火で炙ってもらった。初め近づいて斬ったら何か汁が飛び出たから直接攻撃はやめた。風呂も無いのに虫汁被るとか最悪だ。そしてドロップしたスキルペーパーは【毒耐性】。まあ名前にポイズンってあるしな…。


蝶はユキ曰く幻影を見せる鱗粉を撒き散らすらしい。その幻影は自分が最も恐怖を感じることや、自身が死ぬ幻影を見せるらしい。俺には効かなかったが。なんかキラキラしてて綺麗だな。くらいしか感じないし、近づいても羽根を羽ばたかせるだけなので楽だった。

そしてドロップアイテムは羽根と【幻耐性】。羽根は綺麗なので高く売れそうって思ったが持って帰れないし放置。そして【幻耐性】は初スキルなので少し嬉しかった。


蟻達は地面の中にいた。下に別の階層があるのにダンジョンの床下に巣があるの?と思ったが、ユキとモモ曰く上下の階層の間はかなり距離があるそうだ。確かに降り階段は何処も長かった。

そしてドロップは何故か羽根しか出なかった。いや、草原階層の上、ユキのお陰でを階段を結構早めに見つけられたのでそんなたくさん倒したわけではないのだが、羽根以外ドロップしなかった。旨味無し。って言ったらユキに「大地の運が悪いだけじゃない?」なんて言われたが俺は運は良い方だと思うんだが…。まあスキルペーパー落ちるまで粘る気はなかったのですぐさま階段を降りた。


そして現在三十七階層。

ここまではトントン拍子で降りて来られた。ユキの能力のおかげで草に覆われていたり、影に隠れていた階段も見逃すことなく見つけられたからだ。

そして三十七階層はインプウィザード、グレムリンウィザード、バンシーウィザード。そう、魔法を使う魔物だ!


階段を降りてすぐに出会ったのはインプ。見た目は身長一メートル程、宙に浮き、灰色のローブを纏い、木の枝のような杖を持っている。そしてコウモリのような翼、二本の角、顔の造形はノッカーやゴブリンと似ている。

そして紫と黒が混ざったような球を杖の先から放ってきた。モモに聞いてみると【闇魔法】だそうだ。

魔法は欲しい。ということでインプ狩りをしまくろうとしたらグレムリンウィザードとバンシーウィザードが出てきたのだ。グレムリンはインプの【闇魔法】とは少し違う紫色の球を、バンシーは氷の球を。


「とりあえず数匹ずつ倒したけどドロップアイテムが全て杖のみってどうよ」


「どうよ。って言われましても…どんまいです?」


「物欲センサーってやつね。知識にもあるわ」


おい、迷宮。そんなくだらない知識与えないでもっと使える知識与えろよ。


「まあまだ二匹ずつしか倒してないんですから、がんばりましょう!【闇魔法】と【毒魔法】と【氷魔法】ですよ!」


そう。紫色の球は毒らしい。


「闇って当たったらどうなるんだ?物理的な影響なんてなさそうなんだが。後毒はどんな毒だ」


「闇は精神に影響を与えます。基本は負の感情を増幅させます。レベルが上がれば悪夢を見せたり、ただ単に視界を奪ったりと出来ることが増えるみたいですが…」


「まあ大地には効かないわよ。精神力が弱いほど聞きやすいし、大地くらい【精神耐性】持ってるなら精神系の攻撃はほぼ効かないと思うわ」


「そうですね!精神攻撃系に特化した最下層付近のボス相手とかなら分かりませんけど…大地さんが余程弱ってなければ大丈夫かと?」


「【闇魔法】の負の感情増幅とかは魔物相手じゃあんま効果無さそうだな。人間相手には良さそうだが」


まあ使う機会が少なくとも魔法系のスキルは取っておきたいからな。

そしてひたすらインプ、グレムリン、バンシーウィザードを倒しまくる。倒すのは簡単だ。ウィザードというからにはやっぱり魔法に特化しているのだろう。力はもちろん速度も大したことはない。強いて言えば宙に浮いているから攻撃し難いが、こちらも全員飛ぶことができるから魔法を打つ前に近づいて斬るか、魔法を撃たれても余裕を持って避けられる。


「だぁー!なんで出ないんだよ!【魔法耐性】と杖のみじゃねーか…」


「ユキさん何匹倒したか覚えてます?」


「数えてないわ。でも百以上じゃないかしら?」


百か…。問題は飽きてくるってことだ…。


「とりあえず少し休憩。さっさと降りて食べ物が欲しいが…当分水で我慢だな…」


「インプに齧り付いたらどうですか?死んだら消えますけど、実体があるうちなら食べられるんですから」


「嫌だわ。前にも言ったろ。どうしても耐えられなくなったらやるかもしれないけど、水だけで今のところ我慢できてるんだから」


しかもインプって。人型は嫌だろ。嫌悪感しかわからないわ。虫の方がマシ…いや変わらんな。


軽く仮眠をしてまた移動をする。何百倒したかわからんがモモ曰く三日ほどの時間が経ったらしい。


「ようやく…」


「おめでとうございます!」


「三つとも手に入ってよかったわね」


「すげえ嬉しいのは確かなんだが…つかれた」


「お疲れ様です!でもでも!!念願の【魔力上昇】が手に入ったじゃないですか!」


そう【魔力上昇】のスキルペーパーがドロップしたのだ。物凄く嬉しい。嬉しいのだが…喜びを表に出すほどの余裕が今はない。疲れたし空腹だし…。


それにしても俺何日食べてないんだ?というか再生持っているからって食べないでも死なないとか怖いだろ。まあものすごく空腹を感じるし、仮眠を取る回数が増えてるからあまり大丈夫ではないんだろうが…。


「寝る」


「あ、はい」


「寝るなら階段まで行ったらどうかしら?」


「面倒。どうせ攻撃されたってインプくらいじゃあ即死しないだろうし、痛いだけだろ」


「そうかもしれませんけど…」


「万が一ってことがあるわよ?」


そんなことは分かっているが一度腰を下ろしたら階段まで行く気力がなくなった。なんとかなるだろ。


「大地さーん?あ、もう寝ちゃいました?」


まだ起きてるが返事するのも億劫だ。


「まあ食事もせず、数時間に一回三十分くらい仮眠してただけだしね。そりゃ疲れるわよ。モモちゃん、見張りは交代でいいかしら?」


「え?見張りするんですか?」


「え?しないの?あ、いつも大地が寝る時は階段で寝てたから見張りとかしなかったのね」


「い、いえ、普通にこうやって迷宮内で寝てましたけど…私も一緒に寝てました…」


「え…」


モモ達の話を聞きながら微睡み、睡魔に逆らわず意識が落ちていった。




こちらも執筆中ですので、読んで頂けたら嬉しいです。


ファンタジー化した世界でテイマーやってます!

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