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閑話2


モモside



人間さん、大地さんと言う名前の方はやっぱり再生持ちでした!下にいくことは渋って居ましたが、一度階段を降りれば迷宮の影響でどんどん下に降りる気になっていました。

この迷宮の特性は自分で気づいていただけないとお教えする事ができません。この特性、というより迷宮が自体が人間に与える影響のことは、と言えばいいでしょうか。

ちょっとした意識誘導、迷宮に対する恐怖感の軽減。傷の治りが地上より早くなること、長時間潜っていると魔力酔いになって体調を崩すこと、などなど。色々あります。魔力によって体調を崩すのは個体差がありますが。


まあ魔力酔いに関しても傷の治りが早くなる事も再生持ちの大地さんには関係ありませんし、異常に【精神耐性】が高い大地さんは恐怖を感じることはないか、感じても己の意思で抑えつけてしまえるでしょうけど…。


それにしても本当になんで耐性スキルが多いのでしょうね。迷宮から落ちる恐怖、構成中の迷宮の床や壁に叩きつけられる痛み。普通ならトラウマになると思うのですが…。


そして大地さんは迷宮の意識誘導に気がつきました。

私に疑惑をぶつけてきましたが、自分で気づいのなら私も口にできます。そしてその時の台詞や態度はこの短時間で私ことを信じてくれてるようで…とても嬉しかったです。

たまに口は悪いですし、ヒヨコヒヨコって意地悪言いますし、潰されそうにはなりますが…ん?言葉にするとなかなか酷い人間でした?


ま、まあ私も悪いのでいいでしょう。つまり何を言いたいかというと私も契約したのが大地さんで良かったです。

意外と優しいとこもありますし、私のこと信じてくれますし、楽しいです!



♦︎



ダゴンの階層。ここは大地さんがお昼寝したくなる理由もわかりますね。気持ち良いです。

そして今、大地さんは【水中呼吸】を試すそうです。

水の中で呼吸することは人間にとっては恐怖だろうと、知識から推測します。まあ大地さんなら普通に出来そうですが。


「ぶはっ!ぜぇぜぇ」


「大地さんどうしました?」


「【水中呼吸1】じゃあ使い物にならん。レベルが上がるまでここで練習するからダゴンが来ないか見ててくれ」


「あ、はい。わかりました」


確かにレベル1じゃあ水中で動かずゆっくり呼吸を続けるくらいしか出来ないでしょう。それでも基本的に息継ぎしながら泳いで、どうしても息継ぎできない時にゆっくり呼吸をするって形を取れば問題ないと思いますが…水中で戦闘することを考えたらレベル1じゃあ厳しいかもしれませんね。


大地さんが【水中呼吸】のレベル上げをしているのを見守ります。


一時間。大地さん…私暇です。


二時間。飽きてきました…。いえ、頑張ってるのにそんなこと言っちゃいけませんね!


五時間。そろそろ休憩しなくて良いのでしょうか?私暇ですよ?


十時間。この人頭おかしいんじゃないんですか?十時間休憩なしってどんな体力と精神力ですか。


十三時間。暇すぎて近くの木になっている実を食べに行ってきました!大地さんにお土産に持って行こうかと思ったけどこれ好きじゃないって言ってましたもんね。私大地さんの分まで食べてきましたよ!


十五時間。………はっ!?寝てました。大地さんが頑張ってるのに寝ては駄目です!ちょっと木の実を食べに…こほん。運動してきましょう。


十八時間。この人阿呆です。馬鹿です。精神お化けです!どんだけ訓練するんですか!?数日かけてやれば良いじゃないですか!というか数日かけてダゴンと戦えば【水泳】も【水中呼吸】も【寒冷耐性】も上がるでしょうからそっちの方がいいと思うんですが…。


二十時間。ん?潜りませんね?ステータス見ているのでしょうか?もう満足したのでしょうか?それとも休憩中?


「大地さん大丈夫ですかー?」


「疲れた」


あほですね!私よりもあほです!


「そりゃ疲れますよ。ほぼ一日中ですよ?【水中呼吸】の練習を始めて二十時間くらい経ちますもん。どんだけ異常な精神力があるんですか。いくら肉体は再生したって普通精神が持たないと思いますけど」


ほんっとーーに。精神お化けです。やばいです。

休憩はしないし、呼吸が上手くできなければ身体に負担がかかりますし、肉体的には再生しますが精神には大して作用しませんし、再生するのも遅いです。なので呼吸が上手くできない苦痛をこんな二十時間近くもやればおかしくなります!

私の知識には人間はもっと精神の脆弱な種族ってあります!大地さんは絶対変です!


大地さんは流石に限界のようで寝るらしいです。


「えぇーーー。寝ちゃうんですかー?」


なんて聞いてみましたがまあ冗談です。これで寝なかったら大地さんって呼ばずに精神お化けさんって呼びます。今でも呼びたいくらいですが。


「どうせ俺が寝たらお前も寝るだろ?寝たらまた頑張る」


「まあ寝ますけど…。おやすみなさい」


「ああ。おやすみ」


大地さんは横になるとすぐさま寝息が聞こえてきました。


「お疲れ様でした。じゃあ私も寝ますね」


そして大地さんの上で羽根を休めます。まあ魔力で浮いているので休める羽根はあっても休める必要はないのですが…。


そして目を覚ますと地面に寝てました。


「あれ?大地さんお布団が…」


周囲を見渡すと大地さんがどこにも居ません。どこ行ったのでしょう?


ザバァ!


あ、居ました。湖から大地さんの胴体が生えてます。


「って!まだやるんですか!?」


急いで大地さんのところへ向かい一言言ってやります。

 

「大地さん起こしてくださいよー!」


「別に練習してるだけだし寝てて構わないぞ」


いえいえ、流石にそんなに薄情じゃないですよ?昨日もずっと見守ってましたし!あ、いえ、少し…おやつ…じゃなくって運動しに木まで行きましたけど!


「大地さんが頑張ってるのに寝てるだけってなんか申し訳ないというかなんというか…」


「気にしなくていいんだが…。とりあえず4まで上げたいからもう少し待っててくれ」


スキルペーパーで取得したスキルを4まで上げるって異常ですよ!?戦闘系スキルで言ったら達人級ですよ!?仮に丸一日ぶっ続けでやっても4までは無理だと思いますが…。ここは素直に応援しましょう。


「わかりました!」


その後五時間以上も大地さんは続けました。私が寝ている間もしているのでどれくらいやっているのかわかりませんが…。


「ふぅ…。やっと上がった。何時間経った?」


あ、上がった!?まじですか!?4に!?異常です!化け物!というよりもはや変態です!

大地さんのへーんーたーいー!


あっ。こんなこと口に出したら確実に握り潰されます!平常心平常心…。

えーっと。


「私が起きてから五時間くらいですね。時計があるわけではないので正確な時間はわかりませんが、私の腹時計は結構正確ですよ!因みに何故かわかりませんご、迷宮が出来てから何日経ったかどうかはちゃんとわかるんですよね。知識に何日目って更新されていく感じで」


そう。私の体内時計…もとい腹時計は正確なんです!


「へぇ。まあ今の状況じゃ正確な時間がわかる必要もないし、いいさ。それより4になったから階段を探しに行こう」


本当に4に上がったんですね…。


「はい!やっとですね!じゃあ案内します!」


「おう。頼む」



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