45 三十一階層
「っと。また忘れてた。ドロップ確認しないとな」
とは言っても…。パッと見大したものは落ちていない。槍が六本に布が五枚……腰蓑だよな?
「スキルペーパーは一つだけですね。【苦痛耐性】ですので大地さん的にはハズレですね?」
モモが先に確認したが俺も確認する。ちゃんとミミズが這ったような字が読めた。『耐性スキル:苦痛耐性』って書いてあった。
「【苦痛耐性】は持ってるしな。んで槍をどうするか…」
「斧の方が大地さんに合ってる気がしますけど」
「なら槍は放置でいいか。よし、行こう」
「大地さんこれは?」
モモが腰蓑を足に掴み俺の前まで飛んできた。そんなもの拾ってきてはいけません。
「捨てておけ」
「いいんですか?燃料にもなりますし、身体拭くのにも…」
「ストップ」
「は、はい」
「お前、その布はゴブリンの下半身を覆っていた布だよな?」
「そうですよ?」
「……その布でお前の身体を拭いたり、寝るときにもその布で包んで欲しいか?」
「え、嫌ですよ。汚いじゃないですか」
「おいこら」
「ひゃぃ!?な、なんで鷲掴みに!?」
「お前は今、その汚い布を使えと、俺に言ってきたよな?更にその汚れて、臭いなんて嗅ぎたくもないが絶対臭いだろうと思われる布で肉や魚を焼けと?お前が食うなら焼いてやるが?」
「ほ、ほら。私、食べ物を食べる必要ありません、し…?というか食べれても絶対に嫌です!」
「俺だって嫌だわ!つかそんなもん掴んで持ってきてんじゃねーよ!」
「ご、ごめんなさいぃ!ちょっとした冗談ですって!いつもの仕返しになんて思ってませんよ!?」
「ほう?」
閑話休題。
「し、死ぬかと思いました…」
「お前が悪い」
「ちょっとしたお茶目じゃないですかぁ」
「あの布はお茶目にも洒落にもならなんわ」
ズルッ。ズルッ。ズルッ。
「ほら、お前が騒ぐからなんか来たぞ」
「大地さんのせいです!」
「それはいいから、何の魔物だ?」
「む…。この何かが這いずってるような音は…ワームとかですかね?」
「ミミズ?イモムシ?」
「ワームです」
あ、はい。とりあえず這いずるのような虫ね。そして様子を見ていると曲がり角から巨大な緑色のミミズが現れた。
「あれは…ビックグリーンワームですね」
「大きな緑色のミミズ…?」
「ワームの上位種ですよ!多分体色が緑なのはゴブリンを食べてるからじゃないですかね?」
は?ゴブリン食べると身体が緑色になるのか…?こわいなゴブリン…。というかこのワームデカすぎるだろう。体長はわからないが体高は俺くらい高いぞ。
「水や木の魔法より火の方が効き目あるよな。モモやってみてくれ」
「わかりましたー。えいっ!」
モモの顔の前に炎の球が現れ飛んでいく。
もぞもぞ。クネクネ。
「物凄く気持ち悪いんだが…あれは痛みに悶えていると思えばいいのか?」
「えーっと多分?」
「んじゃ俺も魔法を撃つからモモもどんどん撃ってくれ」
複数の木の矢、たくさんの小さな木の棘、水の矢、水の棘、水の球とどんどん飛ばしていく。
顔…だと思われる場所に魔法を撃ち込んでいく。こちらに襲ってくることもなくその場でジタバタしているのを見る限りダメージはあるのだろう。だが死なない。
「生命力強すぎないか?」
「まあ虫ですし?」
……まあそう言われたら、そうかとしか言えないが。魔法の練習になるからいいか。
その後も五分、十分と魔法を撃ち続け頭痛がし始めたので魔法を撃つのを止める。モモも結構前から魔法を撃つのをやめて俺の肩で休んでいる。
「あ゛ー。頭重たい、痛い。どんだけ生命力強いんだよ」
「ですねー。顔?最早ぐちゃぐちゃになってるんですけど何で生きているんでしょう?」
モモも顔なのかどうか判別つかないようだ。まあそれはいいんだが、どうすれば倒せんだ?
「斧で細切れにしてみたらどうでしょう?」
「嫌だよ。なんか黄色っぽい体液でてるし、あれが飛んでくるだろ」
しっかしこいつの身体の終わりはどこだろうな。こんだけ長かったら何十メートルって大きさだろうし…。
もう嫌なんだが…このニョロニョロテカテカ。グロいわ。別の道に行きたくても、この階層初めての分岐の道からこいつが出てきたせいで…いや道が塞がれているわけでもないから横を通ればいいんだが、ぶつかったら嫌だし…。
「モモ。下がって休憩しよう。こいつが見えなくなるくらい離れよう」
「一本道ですから難しいと思いますけど…というか避けて先に進めばいいんじゃないですか?」
「横を通ってるときに暴れられてぶつかったら嫌だろうが」
「いえ、天井とワームの間、結構隙間ありますし飛んでいったらどうです?」
「だから魔力枯渇気味だっての。こいつの身体が何十メートルあるのかわからないし、飛んでるときに魔力枯渇してワームの上に落ちるとか最悪だぞ」
「あぁ…。確かに」
「じゃあ戻ろう…か?なんだ?突然動かなくなったが…」
「死にました?」
「何かしてくるかもしれないな…。念のため一回離れるぞ!」
ワームに背を向け駆ける。死ぬならそれでいいが、なんか粘液とか飛ばされでもしたら、最悪だ。八つ当たりでモモを鷲掴みにする自信がある。
「大地さん大地さん!死にましたよ!消えていきます!」
「ほんとか!?」
足を止め後ろを振り返ると徐々に消えていくビックグリーンワームが見えた。
「はぁ。倒せてよかった。俺ワーム嫌いになったわ」
「でも魔法の練習の的としては優秀でしたよ?」
「別にあんな巨大で厄介な的なんて必要ない」
そしてワームが消えると、またズルッ、ズルッっと這うような音が聞こえてきた。
こちらも執筆中ですので、読んで頂けたら嬉しいです。
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