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37 森林戦


草をかき分ける音が近づいてきたため掴んでいたモモを上空に放ち、俺は斧を構える。

何処から来るのか…というよりも四方八方から音がするのは気のせいだろうか…。


「大地さん後ろですっ」


後ろを肩越しに見ると三匹の二足歩行の狼がいた。だが完全には振り向けない。俺の正面にも四匹、横からも来ている。二匹か?


膂力に優れているオーガは俺とほぼ変わらない膂力だった。つまりはこいつら、ざっと見る限り九匹くらいのウェアウルフは一匹一匹が俺の速度とほぼ同等。


「きつくね…?」


とりあえず【身体強化魔法】を使用する。


「モモ。出来るだけで構わないから俺の後ろから来てるやつの気を引いておいてくれ!」


「が、頑張ります!」


その声が合図かのように、モモが返事をした瞬間視界に入っているウェアウルフが飛び出して来た。そして恐らく後ろのやつらも…。


「はっや!?」


構えていた斧を水平に振るうと、ウェアウルフ達はかなりの速度で突っ込んできたくせに一斉でバックステップをして躱した。


後ろも意識しなければならないのは面倒だ。今までは基本背後に回られるなんてほとんどなかったからな…。

受け身じゃジリ貧だ。近いやつから倒していくしかないか…。


斧を地面に刺し牽制として両手で木の矢を放つ。両の手で、しかも速度重視の発動なので威力は期待できない。が、左右にいる二匹は木の矢を避けてくれた。

正面にはまだ四匹いるが左右のやつがすぐに突っ込んで来れないので、気兼ねなく一番近いウェアウルフに接近する。


ウェアウルフはすぐさま避けようとするが【身体強化魔法】を使っているなら僅かに俺の方が速い。そして斧のリーチがある。

殺すことはできなかったが多少なりとも深く切れたようで胸から血が溢れる。


その要領で魔法と斧で攻撃を続ける。


「大地さんすみません!一匹行っちゃいました!それと一匹倒したのでこっちは後一匹です!」


素早いから魔法を当てるのも大変だろうに、倒したか。

こっちは正面から四匹、横から二匹いたウェアウルフは後三匹。

三匹倒せたが、ウェアウルフはオーガのように傷を負うと叫んで突っ込んでくるのではなく、避ける。避けて俺の標的になってないやつが突っ込んでくる。そしてまた攻撃すると避ける。

非常にうざったい。ちょこまかと…。

後ろを見ると背後からウェアウルフが突っ込んできたので、出来るだけ引きつけ斧を後ろに向けて振り抜く。


四匹目。


俺が後ろを向き、背後来たやつを攻撃したからか先程まで正面にいた一匹が突っ込んでくる。

それを視界に捉えた俺もすぐさま反転して斧を前に突き出し跳ぶ。

刃を当てたわけではないので死んではいない。だがしっかりと転倒してくれた。間髪入れず肉薄し斧を振るう。


五匹目。


二匹なら問題ない。無駄に突っ込んでこないので右手に斧を持ち、左手で矢を生成。様子見なのか隙を窺っているのか知らないが襲ってこないので魔力を込める時間は充分にあった。

そしてこの矢は正面の二匹用ではない。後ろでモモが相手にしているウェアウルフだ。後ろにいるウェアウルフは上空のモモへ攻撃しようと木を踏み台にして跳んだり、地面からジャンプしたりと、側から見ると遊んでいるようにしか見えないが俺の方へ注意を向けていないので正面の奴らよりは当てやすい。


六匹目。


モモと遊んでいた…のではなく戦っていたウェアウルフは矢で胸を貫かれ倒れた。


「大地さんありがとうございます!でも私だけでももう倒せましたよ!」


「ならもう少し早く倒してくれ。それよりこっちの一匹頼んだ」


「むむむ…!仕方ないですね!」


その後はすぐに終わった。モモが一匹の気を引いてくれたので楽に倒すことができ、最後は地面からぴょんぴょんとモモに飛び付こうとしている、どう見てもモモと遊んでいるようにしか見えないウェアウルフを木の矢で仕留める。


「ふー。やっと終わりましたねー」


「ちょこまかと避けるし、速いし、連携してくるし、本当面倒だった。魔法の練習して範囲魔法とか使えるようになっておきたいな…」


「範囲魔法!私も練習します!」


「ああ。まあそれはいいとして…」


「へ…?な、なんでそんな睨むのですか!?」


「………もう木を切り倒すなよ?」


「は、はい!!」


いくつか負った傷はもう治ったし、とっとと下に降りたいし階段を探そう。

ウェアウルフは倒せない敵ではないし、単体なら楽に倒せるが、オークやライノマン、リザードマン、オーガの様に陸棲で脳筋かと思うほど突っ込んで来るタイプの方が相手としては楽だ。ガーゴイルは水魔法っていう物凄い弱点があったからいいが、ダゴンとかウェアウルフみたいな集団で襲って来たり、馬鹿みたいに突っ込んで来てくれない相手はめんどくさい。


「もうウェアウルフの集団は嫌だな」


「ですねぇ…」




こちらも執筆中ですので、読んで頂けたら嬉しいです。


ファンタジー化した世界でテイマーやってます!

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