大好きだった人
2作目です。
前作の「旦那の態度が変わる時」を見てると
さらに楽しめると思います
普通の家庭に生まれ至って普通に成長して元気に育って17才になった僕
学校で体育の授業中に目眩がして倒れてしまった
倒れて意識を失っている間に夢を見たんだ
あの人達の笑う顔が好きだった
あの人達の温もりが大好きだった
夢の中の僕は猫だった
とある家庭に飼われていた猫は飼い主の夫婦と一緒に幸せに暮らしていた
僕の指定席はリビングに置いてあるソファーに座るお母さんの膝の上
幸せな夢
でも、ある日からお父さんが居なくなったんだ
なんだかお母さんもなんだか悲しそう
僕はよく分からなかったけどお母さんとできる限り一緒にいてあげたよ
あぁこの生活がずっと続けばいいなぁ・・・
目が覚めると僕は病院のベッドの上だった
どうやら数日の間、意識不明になっていたようだ
両親が泣きながら喜んでいた
「気分が悪いとかない?なにかたべたいものはある?」
僕は一人っ子だったのでものすごく大切に育てられた
あの夢はなんだったんだろうか?
その時はただの夢だと思い深くは考えなかったんだ
高校も無事卒業して社会人となり僕は一人暮らしを始めた
同じ職場で知り合った2つ年上の彼女もでき幸せだった
たまにだけど、彼女といると昔病院で見た夢に出てきた女性を思い出す時があった
なんでかなぁ?と不思議に思いながらも、この人と一緒にいるととても落ち着くので大好きだった
特に修羅場もなく3年の交際を経てプロポーズをした
彼女もOKしてくれたが1つ条件として母親が1人で生活してるからできれば一緒に住みたいとの事
僕は「一緒に住むのは僕は構わないよ。でも挨拶しに行く時に会ってみて最終的に考えてもいいかな?」
彼女は「会ってみないとわからないよね。でも私と似てるから多分大丈夫だと思うよ」
数日して彼女から電話で
「お母さんと話出来て今度の日曜日においでって言ってたよ」
日曜日
僕は彼女を車に乗せて彼女の実家まで走っていた
「あードキドキしてきた。お母さん怖くないよね?」
彼女は笑いながら
「大丈夫だって。お母さん優しいから。でもなんかお兄ちゃんも将来の弟を見たいって言ってたから今日居るかもしれない・・・」
マジですか
帰りたくなってきた
しかし帰る訳にも行かないのであまり考えないようにしながら車を走らせた
彼女の実家到着して玄関にいくとなんだか目眩がした
「大丈夫?」
彼女が心配している
「なんだか分からないけど苦しいんだ」
彼女はとりあえず入ってい落ち着こうとの事で玄関に入り
「お母さんただいまー。彼連れてきたよー」
僕はそのあとをついていき玄関に入ると、彼女のお母さんがパタパタと小走りで現れた
お母さんを見た僕は目眩がして倒れそうになった
それに気がついた彼女が
「えっ?どうしたの??えっえっ?」
と僕を支えてくれた
挨拶もまともに出来ないまま僕は室内へと連れていかれリビングのソファーで横になっていた
あぁ・・・この家を僕は知っている
何故か分からないけど昔見た猫の夢でいた場所だ
そして、夢の中で大好きだったお母さん
あぁ君のお母さんだったんだ・・・どおりで落ち着くわけだ
体調も落ち着いて仕切り直しとお母さんに挨拶をして
「娘さんと結婚させてください」
と、ドキドキしながら言うと
「こんな娘だけどよろしくね」
笑いながらお母さんは言ってくれた
お兄さんは仕事があるとの事で居なかった
その日、僕と彼女とお母さんでお酒も飲み色々と話をした
彼女と僕が出会う前にお父さんは病気で亡くなったこと
昔、オス猫を飼っていたこと
僕はその日の晩に同居も問題ないし仕事もこの家からでも通えるので問題ないと伝えた
彼女とお母さんは喜んでいた
僕はふと
(あぁ僕はまたこの家で家族になれるんだな)
そう思えてなんだか涙が出た
拙い文章でしたが読んでいただきありがとうございました
やる気につながりますので感想あれば聞かせてください