誰もいなくなる。
振り向かないで、明日になるまで。
立ち止まらないで、許せなくなるまで。
全てを棄てて完成する孤独。
来る日も来る日も過ちと誤りを引き寄せる。
忘れても忘れても慰めと優しさを無駄にする。
忍び寄るのは、廃棄物の記憶。
もう唇に触れないで。
燻る炎が近づいて、語る思い出が燃え尽きる。
もう振り返らないで、いなくなるまで。
もう迷わないで、思い出せなくなるまで。
不完全な祈りで捧げる不確かな未練。
もう終わりを信じて、優しさを引き換えに。
吊るされる無価値の願望。
もう囁きかけないで。
閉ざされた部屋の片隅で。
もう真実を見せないで。
取り返しのつかない決断に喝采を!
開かない扉を背にして生きる者に祝福を!
その時、不平等な聖地が曝される。