第9夜
こんばんは。
こんやは、少しおそかったですね。
「なんとですね! それはぼくが、サンタクロースをつかまえていたからなのです!」
えっ……。
つかまえちゃったんですか。サンタさん。
「はい。かんたんでした。
サンタクロースはこどもがすきなので、えんとつがあるおうちのなかに、ねんねしてる子をよういしたのです」
よく、よういできましたね。
「なにしろ、ぼくのおとうとですからね。かんたんなのです」
なるほど。
「それで、えんとつからサンタさんがはいったあとで、えんとつをとったので、もうでられないのです」
まどやドアから、でられるのでは?
「まどやドアのない、いえなのです」
それは、すごいいえですね。
「すごいでしょう。とてもくふうして、たてたのです」
しかし、サンタさんをつかまえちゃうと、クリスマスにプレゼントをもらえないのでは?
「だいじょうぶです! ぼくがほしいのは、サンタクロースのトナカイなので、もうとってしまいましたから!」
サンタさんのトナカイをとったのですか?
かげではなくて?
「かげだとお月さまへしかいけませんが、ほんものはせかいじゅうをとべるのです。
すごいでしょう」
たしかに、すごいですね。
でも、ちょっととんだらかえしてあげましょうか。
サンタさんが帰れなくなると、プレゼントをよういするじかんが、なくなってしまいますからね。
「しかたがないですね。では、とりあえず、しゅっぱつしましょう。
てんちょうさんもいきますよ! れりごー!!」
●●●
……けっきょく、ぎんがまでいってしまいましたね。
「サンタさんのトナカイだから、ほんものでも、それくらいらくしょうなのです!
あ、ほら、お月さまでうさぎさんがあそんでますよ」
じゃあまた、お月さまへいきますか?
「いいえ。きょうは、ほっきょくにいくのです!」
ほっきょくなら、もっとそうびがいるのでは?
「だいじょうぶです! トナカイさんのもふもふのまほうで、あったかいのです」
トナカイさんすごいですね。
「そうでしょう。あ、ぼくになついて、かえりたくないって言ってますよ」
ちゃんと、かえしてあげましょうね。
また、かりたらいいのですから。
「わかってますって。つきましたよ」
おお、しろくまさんがいますね。
「ぺんぎんさんもいますよ!」
ああ、あれはほっきょくペンギンですね。めったに見られないレアしゅです。
ラッキーでしたね。
「エサをあげましょう。
ほーら、エサだよ。おほしさまのさかなだから、おいしいよ」
ああ、よろこんでたべてますね。
「そうでしょう。もっと、もっとあげますよ! ばばばばばば!」
もうおなかがいっぱいみたいですよ。
「よろこんで、ぼくのことすきっていってるみたいです。ついてきますよ」
それはうれしいですね。よかったね。
「かってもいいですか?」
うーん。いいんじゃないでしょうか。
エサもいるし、ほっきょくのこおりもいりますが。
「じゃあ、ほっきょくのこおりをいっぱいとってかえりましょう!
あれ、これおいしいですよ。ぱくぱくぱくぱく……」
あまりたべると、おなかをこわしますよ。
●●●
「ふぅ。やっとかえってきましたね」
こおりを食べたらつめたかったでしょう。
あたたかい、まっくらスープですよ。はい。
「ありがとう
……ふぅ。あったかい」
では、サンタさんをそとに出してあげて、トナカイもかえしてあげましょうね。
……おや、もう、ねむってしまいましたね。
それではトナカイは、こちらでかえしておきましょう。
きょうはもう、おやすみなさい。
おやすみなさい、よい夢を。