第4夜 ★挿し絵付き★
いらっしゃいませ。
おや、少しおひさしぶりですね。
「そうでもありませんよ。じつは毎夜、ほんの少しだけあそびに来ていたのです」
そうでしたか。気付かずしつれいしました。
「いえいえ。なにしろ、ほんの少しだけですからね。ふつうのまちでは毎日あめがふって、とてもつかれてしまったのです」
それはたいへんでしたね。
まっくらお茶でもいかがですか。
「ありがとうございます。
ふぅ。落ち着きますねぇ」
それは良かったです。
「それにしても、きょうのまっくら森は、ずいぶんとさむいですね」
こちらでも、あめがふりつづけましたからね。
まっくら森にふるあめは、とてもつめたくて、あっというまにさむくなってしまうのです。
「そうではないかと思って、おみやげをもってきましたよ。はい、どうぞ」
これはなんでしょうか?
「まほうびんに入れた、たいようのかけらです。ほら、フタをあけると、あたたかいでしょう?」
ああ、ほんとうですね。
けっこうなおみやげを、ありがとうございます。
「まっくらフクロウやまっくらハチドリさん、それに、ようせいさんとまじょさんと、おにさんの分もありますよ」
そうですか。では、みんなにくばってまいりましょう。
みせばんをしてもらってもよいですか?
「はい、だいじょうぶです。行ってらっしゃい、きをつけて」
ただいまもどりましたよ。
「おかえりなさい、おつかれさまです」
いいえ。みんな、とてもよろこんでくれました。
「ああ、よかったです」
ほら、このふくろのなかに、みんなからのおれいのきもちが入っていますよ。
「これは、あたたかくてきもちいいですね。うれしいです」
よかったですね。
「ところで、みせばんをしているあいだに、ドローンをとばして、あめとかみなりのげんいんをさぐってみましたよ」
ほう。どうだったのですか。
「なんとあめは、たいようがかく、あせだったのです」
おお。それはおどろきですね。
「そうでしょう。たいようがかくあせは、あついのとつめたいのに分けられて、つめたいのがまっくら森にふるのです」
なるほど。それでまっくら森のあめはいつもつめたいのですね。
「そのとおりです。かみなりはどうなのかも、しりたいですか?」
ええ。かみなりはどうしてできるのですか?
「それは、たいようがないた時にでる、なみだだったのです」
ほう。なるほど。
「かみなりの音は、たいようのなきごえなのです」
それははじめて知りました。
「そうでしょう。ぼくはこのはっけんを、ユーチューブでみんなにおしえたいと思います。こうしてはいられません!はやく帰らないと!」
おきもちはよくわかります。しかし、まだあめがふっていますから、せめてやんでからにしてはどうでしょう。
「それもそうですね」
では早めにみせじまいをして、ゆっくりおしゃべりをしてすごしましょう……
おまたせしました。
おや、まちくたびれてしまったようですね。
それでは今夜はもう、お休みなさい。
©️砂臥 環さま
やはり現代っ子ですね(笑)
それでは、お休みなさい、良い夢を