第2夜★挿し絵付★
こんばんは、お疲れ様です
いらっしゃいませ。おや、またおいでになりましたね。
「入り口の近くに、なにかいるようだったのですが」
それはまっくら馬でございます。
「そうだったのですか。しめった鼻息しかわからなかったものですから」
よろしければ、乗ってみられますか?
「いいのですか?」
もちろんですよ、はい、どうぞ。
「森を散歩してきてもいいですか?」
どうぞ、おきをつけて行ってらっしゃいませ。
「ただいまもどりましたよ」
お帰りなさいませ。森はいかがでしたか?
「まずは、まっくらフクロウに会いました」
ほう。目だけが金色に光っていたでしょう?
「そう、お月様が2つ、並んでいるみたいでした」
会えてラッキーでしたね。ふくろうは、こううんをわけてくれるのですよ。
「それから、赤いキノコがたくさん生えて、そこだけ少し明るくなっているところに行きました」
あのキノコは、ほうしが光っているので明るく見えるのですよ。
「少しだけ食べてみたら、楽しい気持ちになって、ようせいさんとおどりました」
少しでよろしゅうございました。たくさん食べたら、そのまま悲しいことを全部わすれて、羽が生えて、ようせいのなかまになるのですよ。
「そうだったのですか」
はい。さようでございます。
「それから、森でいちばん大きな木にのぼったら、てっぺんにおにがいました」
それはこわかったでしょう。よく、生きて帰れましたね。
「小川のまっくら魚がたくさんとんできて、おにに目かくしをしてくれたので、その間ににげたのです」
なるほど。
「小川をたどっていくと、森のおくには小さなおうちがありました」
それは、まじょのおうちですね。子どもを食べる、こわいまじょです。
「でも、まじょはるすで、かわりにまっくらハチドリがでてきましたよ。まじょにつかまっていたのです」
まじょがるすとは、ラッキーでしたね。フクロウからこううんを分けてもらっていてよかったですね。
「その通りです。それで、まっくらハチドリといっしょに逃げました」
まっくらハチドリはどこに?
「ハチドリとはもともと、ほうせきのような鳥だということはごぞんじですか」
さようでございますね。
「どうしても見たくなって、とちゅうでライトをつけたのです」
ほう。そうだったのですか。ハチドリの本当のすがたはどうでしたか?
「とてもきれいな、にじ色でした。でも、ライトにおどろいて、どこかに飛んでいってしまいました」
それはざんねんでしたね。
「でも、きっとまた、であえると思います。その時には、花のみつをたくさんたくさん、上げましょう」
良いかんがえです。また、まっくらハチドリにあったら、伝えておきますよ。
「よろしくおねがいします……今日はたくさんぼうけんをして、もうつかれてしまいました」
では、こちらでお休みになってはいかがでしょうか。よく眠れるよう、まっくらのお茶も上げましょう。
「ありがとう。じゃあ……お休みなさい」
お休みなさい。よい夢を。
©️砂臥 環さま
お休みなさい、よい夢を(^^)




