第14夜
おや、こんばんは。
いらっしゃい。
「店長さん、のんびりしてるばあいじゃないですよ!」
ずいぶん、あわてていますね。
どうしたんですか?
「おにのいえのスイッチをおしちゃった人がいるので、おにたちが、まっくら森のおくからでてきてしまいました!」
おや。それはたいへんだ。
「そうなんです。おにたちはさっき、かんこくをたおして、にほんにむかっているのですよ」
……え。かんこく、たおれたの?
「そうです! じゃくてんを、こうげきされてしまったのです。
おにたちは、にほんのじゃくてんもしっていますよ」
にほんのじゃくてんっていうと、なにかな。
「じしんスイッチのありかを、おにたちはしっているんです。
そこをせいあつされたら、おしまいです!」
うわぁ……それはたいへんだ。
にほんせいふに、しらせますか?
「しんぱいありません!
ぼくが、まめをまいて、やっつけますよ!」
……まめ、ですか。
「おにはまめによわいのです」
では、この、まっくらまめをもっていってください。
「ありがとうございます!
まっくらドラゴン、まっくらネコちゃん、れりごー!」
いってらっしゃい。
がんばってね。
☆彡☆彡☆彡
おかえりなさい。
たたかいは、どうでしたか。
「もちろん、かちました!
まめをばしばしばしばし! となげると、それがみんなダイナマイトになるので、おにたちは、うけとめるのがたいへんでした」
ダイナマイトに? まっくらまめ、すごいですね。
ばくはつしなかったんですか?
「ばくはつするとイヤなので、おにたちはみんな、うちゅうのそとににげていきましたよ。
だから、ばくはつせずに、みんなまめにもどりました」
おおう。さすがですね。
「そうでしょう。ぼくは、さいきょうですからね。
それより店長さん、あまったまめで、くろまめケーキをつくってください!」
わかりました。
「ぼくは、おおきなメロンアイスをつくります!
ぎんがまで、とどきますよ!」
それはすごいですね。
けど、そんなにおおきかったら、とけちゃいませんか?
「とけませんよ。だけど、ぱらぱらくずれてしまうので、せかいじゅうに雪がふります」
メロンあじの?
「そうです! せかいじゅうのひとが、よろこんでばくばくばく! たべても、なくならないですよ!」
へぇえ。じゃあ、みんなよろこびますね。
「そうです。アイスクリームがふってくるの、ぜったいすごく、うれしいですよね」
そのとおりですね。
さぁ、ケーキもできましたよ。
「やったぁ! メロンアイスといっしょに、たべましょう」
では、まっくらお茶もいれますね。
「はい。さきにたべてもいいですか?」
どうぞ。アイスとけますもんね。
「じゃあいただきます! あむあむ……」
おまたせしました。
お茶がはいりましたよ……おや。
ねむってしまったようですね。
それでは、今夜はもう、おやすみなさい。
おやすみなさい、よいゆめを。