第12夜
いらっしゃい。少し、おひさしぶりですね。
「ふゆやすみだったので、たくさんあそんで、まいにち、くたくたでしたから」
それは、たのしかったでしょう。
「でも、がっこうで、おともだちにあえるほうが、たのしいのです」
じゃあ、いつもたのしいんですね。
「もちろんです! たのしくなかったら、もう、たのしくなるまで、ばばばばばばば! てんちょうさん、上にのせてぇぇぇっ!」
……ぐぇ。おもいです……
「わーい。てんちょうさん、きもちいい!」
……じぬまへに、おりてくだたい……あぁもう、いしきが……
「そうだ! こんやは、まっくらやさんのかんばんを、おみやげにもってきましたよ!」
ほう。これは。
ずいぶんとりっぱな、かんばんですねぇ。
「はい。まっくらお花のしるでぬって、もじを、ながれぼしでかいたのです。まっくらようせいのこなをかけたから、やねのうえにうきますよ」
わぁ、すごい。
ありがとうございます。
「じゃあ、ぼくちょっと、あげてきますね!」
いってらっしゃい。
「んしょ、うんしょ、……ふぅ。できました」
ごくろうさまです。
おきゃくさん、たくさんきてくれるかな。
「もちろんです! だって、しなものをぜんぶ、ひゃくえんにしましたからね」
……え? ぜんぶ?
「あ、にばんめにやすいのは、にひゃくえん。さんばんめにやすいのは、さんびゃくえん。いちばんたかいのは、ろっぴゃくえんですよ」
へぇ……いろいろと、かんがえてくれてありがとうございます。
「そうでしょう。なにしろ、おきゃくさんがきてくれるように、とってもかんがえたのです!
でも、いきものは、めちゃくちゃたかいですよ!」
えっ……いきもの?
「まっくらいんこに、まっくらはやぶさ。ふくろうさん。
みんな、きゅうまんえんもするんですよ!」
……売るんですか?
「だいじょうぶです。いりぐちにセンサーをつけたので、ちゃんとおせわできる人しか、入ってこれないのです!」
うーん。なるほど。
「あ、おきゃくさん、きましたよ!
はい、まいどあり。まいどあり。まいどあり!」
だいはんじょうですね。
「ふぅ。すぐにうりきれてしまいましたね。しょうひんを、あたらしくつくりましょう」
では、森に行って、ざいりょうをとってきますね。
「それはいらないんです!」
……? どうしてですか?
「まっくらドラゴンに、おねがいしますから。
そらからいっぱい、とってきてくれますよ!」
ふむ。そういうことなら、お願いしましょう。
森のざいりょうは、どうします?
「まっくらサラマンダーに、たのみますよ」
……だれ?
「かっこいいのです!」
じゃあ、お願いしましょうか。
「はい! じゃあみんな、いってらっしゃい!!」
まっている間に、まっくらお茶をいれましょう。
「わぁい! ぼくはケーキをきってあげますね!」
お願いします。
……………………
……………………
お茶がはいりましたよ。
おや、もうねむってしまいましたね。
それでは今夜はもう、お休みなさい。
おやすみなさい、よい夢を。