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俺と彼女の逃避行  作者: もち蔵
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よく見る展開

初投稿です。あんまり設定とか凝らないで書いているので矛盾しているところも結構あるかもです。

聖母マリアのような温かい目で見てくださると助かります。

『超能力』

きっと誰もが聞いたことある、アニメや漫画などでよく出てくるあれのことだ。瞬間移動、物体移動、高速移動、ん、なんか移動系に偏ったな。まあ、他にもいろいろある。これは、そんな超能力とやらが実際に存在する世界の話だ。


~~~~~~~~~~~~~~~~


アニメのヒロインを現実世界に召喚する超能力あったらもしかして最高なのでは?なんていうことを大切な大切な講義中に真剣に考えてる愚かな男がいた。ていうか俺だった。

そう、なにを隠そう親が学費を払ってくれているというのに講義中にしょうもないことを考えている俺こそが花咲ユウである。今が旬のピチピチキャピキャピの大学一年生だ。女の子らしい名前だねって言われそうな名前だろう?まあ、名前からは全く予想つかないくらいに普通の男なんだが...


そんなくだらない男のことはどうでもよくて、今重要なのはアニメのヒロインを、ってことではなく今俺が生きているこの世界には超能力が存在するということだ。存在するとは言っても絶対数は非常に少なく、俺が住んでるこの日本に100人いるかいないかくらいなもんだろう。あ、もちろん俺は無能力者だ。むしろあまりにも長所が無さすぎて長所が無くなる能力の持ち主なのでは?と思うこと多々あるほどだ。なんか、特徴が無いのが特徴みたいな気持ち悪い話になってしまったな。


そんな超能力者だが、俺は実際に見たことはない。たぶん見たことある人の方が少ないだろう。数が少ないというのも理由の一つではあるのだが、基本的に超能力者というのは変人が多い。変人というと語弊があるかもしれんが、ようはめったに人前に姿を出さないのだ。


じゃあ、なんでそんな超能力者のことが俺にも認知されていて世間一般的にも知られているんだよっていう人もいるだろう、そのことについて説明しよう。説明しようとはいっても某ビックリしてドッキリするメカのことでは無い。超能力者のことは初めは都市伝説レベルの話だったのだ。偶然見かけた人がSNSやネットの掲示板に書き込みオカルトの類とされていたのだが、つい最近になって目撃証言や存在を肯定する証拠があまりにも多いということで世間的にも存在しているということになったのだ。


こんなにも超能力者のことを長々と説明したのは別に俺が超能力者マニアだからとかミーハーだからとかそういうわけではない。いや、そういうわけではあるな、超能力とか超羨ましいし。まあ、本当の理由は今俺の目の前に明らかにソレらしい人物がいるからだ。


俺は講義も終わり大学から帰宅してる最中だった。さっきまで講義中じゃなかったのかとかいう文句は一切受け付けない。俺が親元離れて一人暮らしをしているアパートは大学からは結構遠く、電車に乗りさらにそこそこ歩かないといけない不便な立地である。東京の中でも田舎の方ってことだな。そういえば都会の田舎というのは田舎でいうところの何なんだろう?田舎の都会かな?じゃあ、都会の田舎=田舎の都会?

またくだらないことを考えていたな。


今日は講義が夕方まであり、帰るころにはすっかりと日が落ちてしまっていた。俺の帰り道には花の都大東京には似ても似つかわしくない工場の廃墟がある。毎回暗い時間帯にそこを通るのが嫌になるほど不気味な場所だ。


今日も今日とて頭の中で童謡でも流しながら平気を装ってそこを通り過ぎようとしたその時だった。

俺の首に後ろから何かが触れた。

「ひぃっ!!」

もはや100点満点とも言えるほど綺麗な悲鳴を出したあとに後ろから声が聞こえた。


「なるほど。19年間ろくな人生送っていませんね。なんとも普通な一般人って感じですかね。すいませんが、助けていただけませんか?」


耳を疑った。小さい時から母ちゃんに何事も疑ってはいけないと教育されてきたが、自分の耳くらいは疑っても許されるだろう。まるで文頭と文末に因果関係の欠片を感じ無い文に驚きながらも俺はおそるおそる振り返ってみる。


まるで人形のような女の子だった。なんか使い古されてる表現な気がして国語力に自信のある俺からしたらなるべく用いたくない言い方なのだがそれ以外に表現のしようが無いのでここでは使わせてもらおう。ていうか国語力っていう単語自体がもう既に国語力無いように感じるが気のせいか?気のせいだろう。


歳は高校生くらいに見える。長いまつげ、きめ細かい肌、身長は160cmくらいか?そして何よりも彼女を人間離れしているように見せているのがさっきから俺のことをまっすぐと見つめているまるで墨を1滴白紙に垂らしたかのような真っ黒な瞳と、彼女の顔の周りを小川のように流れている長く真っ黒な髪の毛だろう。


俺は息を飲んだ。見つめているとこっちの心の内まで全て見透かされているような気分になってくる瞳から目をそらすと俺は思考の波に飲まれた。


なんだこの子は?ていうか今何を言ってた?俺がろくな人生送ってないとか、普通な一般人とか。何で初対面の女の子にそんなこと分かるんだ?いや待てよ、そんなことよりもなんか大事なこと言ってなかったか?

助けてとかどうとか...


「すいません、どうしたんですか?あまり時間が無いので私を助けてくださるのかそうでないのか早く決めていただきたいんですが?」

「まあ、いろいろと聞きたいことが富士山並みに山積みになっているがこれだけは言える。お前、超能力者だろ?」

「はい。そうです。私は超能力者です。」


その時、彼女のさらに後ろから一人の男が現れた。


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