お仕事をしている女の人とペット 4.でも
「ちなみに、実家で猫飼ってるんで
この草、うちにもありますけど、
猫が食べないとすぐに伸びきっちゃいますよ。」
そう言って、後輩は終電前に帰って行った。
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四話「でも」
次の日。
目覚まし時計は7時を指していた。
「…おはよう」
ベットに寝そべったままで
くるまった布団の隙間から
出窓に置かれたプランタに声を掛ける。
カーテンから漏れる太陽の光が
草の葉の上にある水の粒に反射している。
ペットじゃなかったのか。
…すぐに伸びきって、びろびろになってしまうというし
今日は燃えるごみの日だし。
…いっそ、捨ててしまおうか。
もう一度、
プランタを見つめる。
プランタに手を伸ばす。
パラパラパラと葉が揺れて
少しだけ、
押し返すような感覚。
「…イイコ、イイコ」
ベットから起き上がり、
ゆっくりと撫でる。
やっぱり、私はこの子を捨てるのをやめた。
なんとなく、この子は私を好きな気がするし、
私もこの葉っぱ、好きな気がするから。
私には、可愛いペットな気がするから。
四話。終わり。
お仕事をしている女の人とペット編 終わり。
これでOL編は終了です。
疲れたOL。
自分も疲れたときに
驚かれるような行動をしてしまったことがありました。
脳が疲れているのですね。