表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

お仕事をしている女の人とペット 3.きづく

「おじゃましま~す」


「どうぞどうぞ。狭いけど、くつろいで」



=====

三話「きづく」



私たちはコンビニで買ったビールとつまみたちをテーブルへ置いた。

キッチンの棚からグラスを出す。


玄関の扉を開けたときに風が入ったのか、

プランタの草たちはかすかに揺れていた。


私はコンビニで見つけた、植物用の栄養剤の蓋を取り

お酌するようにプランタへ差し込んだ。


「今日は特別ね」


ふと後輩を見ると

ゆらゆらと目線がたゆたんでいた。


「…ペット、どこすか?」


「?…、この子だけど?」


柔らかく揺れるプランタを

両手で抱え、後輩の目線の前へ差し出す。


「?」

「?」


「?え?…、この、草ですか???」


「え、うん、これ。…え、だって、ペットショップで買ったんだよ

 売り文句も、ペットにどうぞ!って書いてあったし」


後輩はむにゃむにゃして、複雑な面持ちだ。

「…、んー、…ん、…コレ、猫草っていって、

 猫が食べる草ですよ…」


「…?…はっ!!!!!」


ペットにどうぞって。

ペット(の猫に)どうぞってこと!?


ペットにする事が向いている草って意味じゃなかったんだ。


急に顔が熱くなるのを感じた。


「う、うわ、恥ずかしい。…。わ、わた、し、勘違いしてたわ」


「…、ままま、今日は飲みましょうか」



後輩は笑ってるような憐れんでるような、

複雑な面持ちのまま。

ビールの蓋を開けて私のグラスへお酌した。







三話。終わり。

うちのねこはかわいい。

ころんころん

くるんくるうん。

まわって、愛らしさを伝えてくる。

伝わる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ