お仕事をしている女の人とペット 1.かんちがう
この女の人の話は完結しています。
毎日1話。計四話上げます。
ここはシャッターも多いこじんまりとした商店街。
その一つのアパートから、今日も私は会社へと行く。
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一話「かんちがう」
夜も更け、商店街内の明かりもひとつひとつ消えてゆく。
その中にまだ明るい、ペットショップの明かり。
私はその明りに引かれる様にペットショップの中に入った。
子猫や子犬が甘い、愛くるしい匂いを発し、
くぁと欠伸し、微睡む。
見ているだけで癒される。
「うちのアパート、ペット不可だしなぁ・・・」
可愛い子猫や子犬を眺め、ため息をつく。
目線の端にふと
”ペットにどうぞ!”
の広告の文字が映った。
そこには
青々としたさざめく様なきれいな草があった。
小さなプランタの中で整列するように生えている。
「え?草?…、でもペットにどうぞってことはこれもペットの一種なの?」
…、あ…、そういえば、どこかの文献で読んだことがある。
草も声を掛けるとよく育つんだっけ?
サボテンは人の言葉を理解するとか言うわよね。
いくつかある中の一つを手に取った。
猫の毛並の様な草の先をさらりとなぜる。
新品のノートみたいなツルツル、サラサラとした手触り。
なでたところはすぐに元の位置へ戻っていった。
確かに、ペットっぽいかも。
「300円か、試しに買ってみようかな…。」
私はくるぅりと回るように向きを変えてレジへ向かった。
心が少しだけ、うきうきしていた。
一話 終わり。
4コマ漫画のプロットで、
漫画が完成した後で二人目の話が始まります。
漫画を描くのは自分ではないので
描く人の進捗しだいではいつまでも始められない。
ネタを提供してほしいとのことで描きました。