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第十一話

異世界生活三日目の朝、相変わらず勝手に向こうの世界に戻れるわけもなく件の宿でのお目覚めとなった。一人部屋に変えたからか心なしか部屋が狭く感じるがこっちのほうがインドア派だった俺としては落ち着くんだよね…。さて、お二人を迎えに行ってさっさと朝飯にしよう。


「おはようお二人さん、飯にしようz…」

「っ…!?トキ!?」


俺が部屋のドアを開けると中には半裸のネコミミっ娘とその子の服に手をかけてナニカしようとしている漢がいた…。どう見ても事後です本当にありがとうございました。


「失礼しましたぁ…」


ガチャリと丁寧にドアを閉めて先に食堂へ向かうことにする。後ろから「トキ!?ちょ、待て、話を聞け―っ!!」とか聞こえてくるが、悪いな、腹が減ったんだ(棒)。



「おばちゃんはよっす。」

「ああ、おはよう!連れの二人はどうしたんだい?」

「なんか取り込み中だったんで置いてきました。あ、なんか手伝うことがあればやりますよ、暇なんで。」

「おお、助かるよ。あそこの皿を無効に運んでくれるかい?」

「りょーかいです。」


そんなこんなで十数分お手伝いをしてると二人が下りてきたので飯にすることにする。


「…なんでさっき置いてったんだよ。」

「へっ、そりゃ部屋開けたら半裸の女の子といい年した野郎がいたらなぁ…。」

「っ…」

「居たらなんだっていうんだよ…」


相変わらずこの辺の話題を出した時の二人の反応が本来と逆なんじゃね?ってなるような反応でとてもご飯が進むぜ…米じゃなくてパンだけどな。


「そもそもあれはああいう服を着慣れてないシーナに着せてやってただけなんだから別に他意はないよ。」

「ほんとか?シーナちゃんはこいつに手を出されなかったと?」

「はっ、はい!それはもうほんとにまったく!…私はご主人様なら…」

「ん?どうしたシーナ?」

「あっ、いえ、何でもないです…」


…ああ、飯がうめぇなぁ。





「おばちゃん、この辺で家が買えるとこってある?」

「家かい?家だったら冒険者ギルドの向かいの三軒隣にある不動産がたぶん一番でかい不動産なんじゃないかねぇ?」


そんなこんなで俺は不動産に来ていた。ちなみにヤマトはシーナちゃんと初依頼のほうに行ってもらった、というのも俺たちの戦闘能力は(おそらく)世界水準としても上位のはずだし受ける依頼を間違えなければ死ぬことはないだろうがシーナちゃんはそうもいかないだろう。まだまだ痩せこけているしこれから戦闘になったときどういう立ち振る舞いをさせなければいけないかを考える必要がある。ということで家は俺の独断で購入することにしたが、もともと俺の金だし文句を言わせるつもりはない。


「いらっしゃいませ、お客様。今回はどういったご用件で?」

「中古の家を買いたいのですが、いくつか紹介していただけますか?」


そのあと応接スペースのようなところで予算やら立地やらの条件を提示した後いくつかの家のリストを見せられたが…いまいちピンとくるのはない。俺としては多めの部屋と広い庭は必須だと思うのだが…


「すみません、これ以外には何かありますか?」

「そうですねぇ…これ以外ですと、どうしても予算を超えてしまい…ああ!そういえば一つございますよ。いわゆる『いわくつき』となってしまいますが、お客様のお求めのものはすべて揃えられるとおもいます。」


『いわくつき』…?幽霊でも住んでるんだろうか。


「こちらの家なんですがね、大きさも部屋数もこの辺の家の中ではトップクラスなのですが地下室に得体のしれない書物が大量に、しかもだんだん量が増えていく形で保管されていて捨てても燃やしても次の日には元の形で保管されているんです。読もうにもいったいどこのどんな文字なのかもわからないというんで『呪いの書物庫』と言われているんです。私共としてもなかなか売れないうえに売れてもすぐに売却の繰り返しで困っているんです。」

「…なるほど、その家を見てみてもいいですか?」

「どうぞどうぞ!買っていただけるのであれば格安でお譲りしますよ。」


テンプレ通りいくならば、幽霊やら本の魔物なんかだろうか…。なんせよ、見に行ってみるとするか。

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