表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋の季節

作者: 子瑜

また短編です

無数の小さな白い粉雪が舞い遊び、消えゆく。

一体どれだけ虚しくその行為を繰り返すのだろうか。

私の恋もそうやって散るのかな と考えると辛くて仕方がない。

同じクラスになって数ヶ月。

それなのに未だに朝一言挨拶を交わすぐらいで。

彼を狙う女子は相当な数に上ると聞いている。

こうしていても仕方ないな と人がほとんどいなくなった教室を後にする。

曲がり角、不意に人の影。

ぶつかりかけた私は咄嗟に目を瞑る。

「大丈夫か?」

聞き覚えのある声に目を見開く。

忘れるはずがない。

彼の声だった。

「ううん、大丈夫。 私の方こそごめんね」

忘れ物を取りに来たのだろう。

それで遅くに帰ろうとした私とすれ違った。

彼にとってはただそれだけ。

それでも私には、とても大きな意味を持っていて。

「バイバイ」重なる別れの言葉が脳裏で木霊する。


口元を隠すマフラーが少し鬱陶しく感じ始めた今日この頃。

彼に会えるのがまた楽しみだ。

「おはよう」

不意に聞こえた声。

予定よりも早い再開に私は驚きを隠せなかった。

「おはよう」

普段と変わらない声で返す。

ただそれだけの事なのに私の世界は簡単に彩られてしまった。

また今日も始まる1日は桃色。

灰色の日常に別れを告げたあの日からずっと輝いている。

「いつか......」

言葉にならないその先は決意に留めて私は止まっていた足をまた動かした。

本当は5000文字ぐらいにするつもりでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ