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無知の知の正体

[前回の話]

 正しい努力をしよう

[今回の話]

 努力しても無駄?

 ソクラテスの名言に『無知の知』というものがあります。

 これは得た知識を(ひけ)らかすだけの者よりも、それを持たぬ者の方が分を弁えた言動ができるという現実に言及したものであると私は理解しているのですが──。


 日頃歪な解釈で物事を揶揄する私ではありますけど、世の中には私以上に皮肉な解釈をする者も存在するようで。

 無知の知とは無知の自覚。されどそれを自覚したところで知の無いことに変わりはなく、知を育てようにもその知が無ければ知の育つことなどあり得ないという。つまり知とは神の与えた才能、故に天才というのであり、それ無き者は才に能わぬ故に無能というのだとか。


 こんな風にいえば暴論ですけど喩えを用いれば論理的。

 例えば、種の無い土に水をやっても芽は出ず実の生ることもない。いかに慈愛を以て接したところで求める者は得られない。正に因果応報の文字通り、元が駄目ならば結果も駄目という現実が嫌でもそれを証明します。

 なるほど人間の資質の有無を種なんて言葉で表すわけです。まあ、これの場合だと優劣はあれど元となる種のある分マシな表現なのかも知れないですけどね。だってこの場合育て方次第、品種改良等で優良種を超える可能性がありますから。これが本来のソクラテスの言葉の意味合いなのでしょう。

 ともあれそんな種が無ければ全ては徒労に過ぎず、愛も努力も全てが無駄であり早々に廃棄するのが合理的。これが社会における排他の原理というものでしょう。ゴミを大事に取っておく者はおらず、風通しを良くするために掃除は必須なのは誰しもが認めることですしね。


 なんとも何様な話ですけど、これを言えば返ってくる言葉がまた辛辣。「エリート様だ」なわけですから。

 いや、誰か特定の相手を想定してというわけではありません。ですがしかし──。

 かつてのとある宗教ならばこれな「神の敬虔なる信徒」と答えたことでしょう。そしてこれを肯定するのが宗教家カルヴァンの予定論。「全ての運命は人の生まれる前から決められていて、人の意識でそれは変えられない。故に人は神に定められた役割を受け容れ生きるべきである」的な感じだったでしょうか。これに従うならば人の知性も能力も最初から定められたものであり、正に天賦の才能ということになるわけで。

 そして努力することに意味はなく、間違いなく徒労に終わることが確定している。なのにそれでも努力することを信仰の上で義務化されている。

 客観的に見れば道化師以外の何者でもなく、それだけに上位存在から観れば格好の喜劇。神様というのは悪趣味ですよね。(苦笑)


 あまりこれをいうと某宗教への誹謗中傷となるのでこのくらいで。まあ、手遅れ感はありますがそれでも倫理的観点からすればこの歪な思想に毒のひとつやふたつ浴びせたくなるもの。なお、これを否定するのならば彼らがこれを掲げるのを止めればよいだけの話ですし、思想と宗教を結び付けなければ害のないこと。そうすれば誹謗中傷でもなくなりますしね。


 ……といいつつ、怖いのでフォローも。

「富める者はより富み、失う者は際限なく失う」というマタイ効果なるものもあるわけですが、これと併用すれば好意的解釈も可能なのかな。『幸せの兆しを得ればそれを掴み取る努力をせよ、マタイ効果がそれを保証する。そして予定論を信じるならば成功は間違いなく保証される』──とこんな解釈になるのでしょうか? この宗教には忌避感ばかりで正しい解釈を知らないためこんなこんな感じとなりました。


 とまあ、ヘイトの後のフォローも行いバランスもとったことですし。なお、解釈の間違いは知らない故の事故ということで。

 無知の知は痴であり恥というで笑って許してもらえませんか?

 作中の引用は全て私見と偏見が混ざっております。ご注意ください。

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― 新着の感想 ―
 上に立つ管理者との格差が腹立たしくなった時は、価値観をひっくり返してみるのもアリかもしれない。  外敵も無く有り余る食料とエネルギーを手に入れながら、自ら人口低下を招いている先進国人類は、生命の価…
まあ、某宗教は平等を謳いつつ個々の負担がまるで平等ではない謎理論を平気な顔で騙って、もとい語ってくる時代もあった程厚顔無恥であった訳で、それよりは時を経て多少はマシになっている…………かも?
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