7.幼馴染はすごい子です
タイトル変更しました。
採掘を終えなんとか朝ご飯には間に合った。6才にもなってお尻ペンペンは勘弁したい。父さんが仕事へ向かい、母さんが洗い物をしている隙に、俺は今日も商人のおっちゃんの元へ向かった。
「おいおい、マジかよ…」
「へへ」
おっちゃんは俺からエメラルドの原石を受け取ると驚愕していた。
「ユーマならやるんじゃないかと思ったが、まさか初日からこんなのが採れるとは…」
「これでも鉱山夫の息子だからね」
おっちゃんは少し黙った後で徐ろに例の魔導書を取り出して俺に放り投げた。
「え、いいの?」
「ああ」
「でも、これ以上採れるとは限らないよ」
「いやいい。ユーマならなんかやってくれそうな気がしてならねぇ」
うーん、取り引きなのになんだか気が引ける。それに直ぐ読みたい訳じゃない。一応鑑定の儀を終えてから読もうかと思ってた。
おっちゃんはタバコに火をつけていた。
「そういえば、これって何の魔法?」
「すぅ…はぁ…ん、何だったかな?」
おい!
それじゃあ鑑定の儀の後でも怖くて見れないじゃん!
「ん〜確か風だったか雷だったかな? 確かそんな魔法だ」
…信用できない。
「おっちゃん、それじゃあ怖くて読めないよ」
「んまぁユーマなら大丈夫じゃねぇの? 多分だけど」
「…じゃあ一応貰っとくよ。読むのは10才の鑑定の儀をしてからだと思うけど」
「おう、大事に持ってろよ」
俺は取り敢えず服の中に隠して家に帰ることにした。秘密の宝箱へしまっておこう。
「あ、でも採掘は半年間頼むぜー」
「はーい」
♢
お昼から何をしようか悩んでいた。
「ユーマくーん、遊ぼー」
近所の女の子が遊びにきた。
彼女の名前は、ジャンヌちゃん。年は俺の1個下で、とても活発な女の子だ。
金髪碧眼で、うちにある英雄譚や勇者の絵本などをよく読みに来る。
都会に住む女の子だったのだが、村の端に住む老夫婦の孫で、最近彼女の両親と共にこの村に引っ越してきたのだ。
「いいよー」
今日は彼女と遊ぼう。
ただ1つだけ嫌なのが、彼女が遊びにくると決まって母さんが、
「あらあら、もう彼女が出来たのかしら? お父さんの血筋かしら?」
とか言ってからかってくるのだ。
全くこちとらただの6歳児だぜ。
暫く本を読んでいたが彼女は飽きてきたのか本を読んでいた手が止まった。
「なんか外で遊びたくなってきた」
「じゃあ師匠のとこいく?」
「いいよー」
彼女の本を読む間隔が段々と短くなってきている事に、この頃の俺はまだ気づいていなかった。
♢
「やあ!」
「とお!」
「どんどん打ってこい!」
ジャンヌと一緒に打ち込み稽古をする。師匠は1人で俺たち2人の打ち込みを軽々と受け止める。
「やあっ!」
「むっ…」
すると鋭い一撃が師匠を一瞬ヒヤリとさせた。
「やるのぉジャンヌ」
「へへへ」
「……」
彼女は既に剣術スキルを取得している。俺が1年かかったスキルをたったの数日でもう取得したのだ。
才能なのだろうか?
負けたくない!
「とぉりゃ!」
「ほっほっ、ユーマもやるわい!」
「私だって!」
「ほっほっほっ」
彼女も負けたくないのだろうか?
より一層打ち込みが強くなった。
負けるもんか。俺は英雄になるんだ。こんな辺境の村に住む近所の女の子に負けてる場合ではない。
すると頭の中にメッセージが流れた。
「「剣術スキルがレベル2になったー」」
⁉︎
彼女も同時だった。
嘘でしょ。いくらなんでも早すぎやしないかい?
ステータス(鑑定の儀、前)
【名前】
ユーマ
【スキル】
剣術1→2、速読1、剥取り1、罠師1、研師1、採掘1
【装備】
木刀
【宝箱】
魔導書『?』、剥取りナイフ、罠道具、砥石、子供用採掘道具




