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6.採掘したらいきなり採れちゃいました


 朝早く俺は目を覚ました。今日からいよいよ稼ごうと思います。


 ちなみにだけど家の屋根裏部屋は今や完全に俺の部屋になった。俺があまりにも屋根裏部屋に入り浸る為、父さんが家の裏に倉庫を作り、荷物なんかは全部そっちに運んでくれた。今では屋根裏部屋にあるのは俺のベッドと布団、英雄譚や物語の本の山、それと小さな木刀だけだ。


 後はこっそりと作った鍵付きの木箱が1つ。中には砥石やナイフ、罠を作る道具などが入ってる俺の秘密の宝箱だ。いつもベッドの下に隠しており誰にも見つかる事はないだろう。


 俺は寝巻きからいつもの服に着替えると、紐で結んだ木刀を背中に背負い、鞘付きナイフを見えないように腰に下げた。最後に小さな鞄を背負って、完成だ。


 これが俺の秘密の冒険者スタイルだ。



「行ってきまーす」

「朝ごはんまでには帰ってきなさいよー」


「はーい」


 俺はバレないように家を出た。





 村の周りのボロボロの柵。その中には子供が通れる小さな穴が沢山あり、抜け出し放題であった。流石に村の正面から堂々とは出ない、そこまでバカではない。


 俺に与えられた時間は半刻(約30分)。朝ご飯までには戻らなければならない。俺は草木を掻き分け、おっちゃんに指示された洞窟まで警戒しながら歩いた。


 洞窟は本当にすぐそこにあった。今まで誰も気付かなかったのが不思議な程だ。



「あ!」


 しまった。採掘道具を持って来なかった。流石にナイフで削れるか分からないぞ。いや、しかし父さんの道具を取ったら流石にバレるし、そもそも重くて使えそうもない。



「ん?」


 すると洞窟入口に小さな採掘道具が置いてあった。

 1つは、片方は尖っており片方は平らになっている子供用の小さな片手ハンマーだった。それでもそこそこ重かった。もう1つは子供用の丸いヘルメットだった。ヘルメットには変なボタンがありそれを回すと光った。鉱山夫の息子ですから使い方は分かりますとも。


 それとおっちゃんからの書き置きがあった。



【んなことだと思ったぜ、大事に使えよ かっこいいおっちゃんより】



「おっちゃん…なら自分で掘れよ」


 俺は書き置きを、くしゃくしゃにしてポイした。証拠は隠さないとな。



「それじゃあいきますか」





 狭い洞窟を少し下ると少し広くなっている空間があるだけで、それ以上は何もなかった。



「うーん、もう行き止まりか」


 村を出て数分、洞窟に入って数分…俺の冒険は終わった。



「何もなさそうだな」


 だから誰もこれ以上掘らなかったのかもしれない。なんかこの洞窟のことは皆んな知ってそうだ。



「魔導書どうしようかな…」


 俺は適当に洞窟の壁をハンマーで叩きながら洞窟を出ようとした。



 カン!



 反応が違った。

 適当に壁を叩いていたが、今の箇所だけ音が違った。おまけに叩いたハンマーの感触も違った。



「いやいや、まさかね…」


 そんな上手い話はない。

 これは俺がおっちゃんに唆されるもお互い何も得られない、そんな上手い話はないよ、という教訓だ。

 だから…

 そんな子供がちょっと掘っただけで…

 そんな事が…



「……あった」


 小さい頃から父さんを見てきたんだ。実際に採掘現場を見た事がある訳ではない。たまに採掘の話を父さんから聞いた事があるだけだ。だから俺には分かる。これは、



「宝石だ」


 緑に光る宝石。エメラルド。まさかこんな山奥の小さな洞窟にあるなんて思わなかった。

 俺はちょっとずつ周りを削った。



「と、採れた」


 そんな大きくはない。透明度もそんな綺麗な訳ではない。それでも嬉しかった。



『採掘Lv1を取得しました』



 久々にスキル取得の声を聞いた。俺は大きくガッツポーズした。



 カーン、カーン…村の鐘が7回。



「やばい、早く帰らないと!」


 俺は原石を鞄にしまうと急いで村へと帰った。

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