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13.ルードウィン領・最大の街『ハルシオン』に着きました



 数日後、俺たちは村から1番近い町に辿り着いた。勿論、ルードウィン辺境伯の住む町ではない。俺たちの住む村は辺境の辺境。領主のいる町が近いのならそこは辺境とは言わないだろう。


 俺たちは町に駐留している、領主の騎士団へ野党団を引き渡した。騎士団の人達は俺たちが倒したと報告したが半信半疑だった。だが倒してるのは事実な訳で信用するしかなかった。


 俺たちが倒した野盗団はまぁまぁの組織で懸賞金が掛けられていた。俺たちは数十万Gを受け取った。



「もしかしてこれを見越して好きな物買って良いって言ったの?」

「い、いや…」


 おじさんも想定外だったみたいだ。なら…



「じゃあこれは俺らの小遣いにするから、ちゃんと報酬は報酬で貰うからね」

「あ、いや…」


 おじちゃんは、しまった〜という顔をしている。おじちゃんもまだまだ甘い。俺とジャンヌとルナは報奨金を分け合った。これで報酬とは別に何か町で買えそうだ。




「嬢ちゃんありがとよ」

「おう、ちゃんと償ったら真っ当に生きるからな」

「また会おうぜ!」


 捕まった野盗団の面々は全員ルナにお礼を言った。実はこの数日間、ルナは野盗団に食べ物を恵んだりと色々とお世話をしていた。ルナは自信がないのか肝が据わっているのか分からない。

 人に優しくしてもらった事のない野盗団はそれが凄く嬉しかったみたいで改心してしまった。



「いつかアンタの為に何かするからな」

「え、あ、いえ…」


 野盗団の頭目はルナに深々と礼をした。ルナは照れながら困っていた。野盗団は人を襲って物を盗んでいたが、たまたまだが誰一人殺していなかった。温情で死刑だけは免れるみたいだ。



「じゃあなー」

「あばよー」

「お前らも強かったぜ、有名になれよー」


 町の人たちや騎士団も見守る中、俺たちは野盗団と晴々とした別れをした。



「なんだこれ…」

「ねー」

「うう、恥ずかしい…」







 この町に1日泊まり次の日の朝には、目的の街へと向かった。道中、初めて魔物と遭遇した。

 俺とジャンヌとルナの3人パーティでの魔物との初戦闘。兎に角の生えた、ホーンラビット数匹。見た目は可愛くない。



「ジャンヌ!」

「任せて!」

「プロテクトかけます!」


 俺たちは問題なく魔物を倒した。ホーンラビットからは角を剥取り、肉は美味しく頂いた。それからも、スライムやゴブリン等様々な魔物を倒して素材を剥ぎ取っていった。

 時折出てくる大型の魔物は師匠がそこら辺で拾った棒切れを振って首を斬り落とす。空切と呼ばれる斬撃を飛ばすスキルらしい。いつか覚えたい。



「お、剥ぎ取りがレベル2に上がったー」

「私は剛力が2で、剥ぎ取り1」

「私は毒耐性1を覚えたみたい」


 これが魔物との戦闘か。訓練と違いスキルの上がり速度が半端ない。そんな日々を過ごす事、数日、俺たちは遂に目的の街へと辿り着いた。



「凄いです」

「私が小さい頃いたとこと同じくらい大きいかも」


 忘れていたがジャンヌは都会っ子だった。本人ももうあまり覚えていないそうだ。俺たちは街の入り口で検問を行う列に並んだ。俺たちと同じ様な馬車や行商人がたくさん並んでいた。






 ルードウィン領、最大の街『ハルシオン』



 年に一度開かれる大規模な『市』。各町や村から税を納めに来る人達。その護衛。商人。騎士。冒険者。街の人。街は人で賑わっていた。

 数時間後、俺たちはようやくそんな街の中に入る事が出来た。



「凄い人…」

「ねぇ、全然進まないね」


 荷馬車の中からジャンヌとルナはただただ人だかりを眺めていた。



「おじさん、これからどうするの?」

「取り敢えず宿に向かうか…」


 おじちゃんの指示で俺たちは自分達が泊まる宿を目指した。



「ふぉふぉ、どこの宿に泊まるんじゃ?」

「えっと、確か…月影亭ってとこだったかな…?」


 師匠の問いに、相変わらずおじちゃんは曖昧に答える。本当にだらし無くて冴えなくてモテない。オマケに記憶力もない。



「ふぉふぉふぉ、あいわかった。お主らが倒した魔物の素材は換金しておくから先に宿に行っておれ」


 そう言いながら師匠は荷物を持つと馬車から軽々と人混みを避ける様に飛び降りていった。



 ああくそ、俺も行きたかった。いずれ冒険者になる為にも換金をどんな風にするのか見ておきたかった。しかしもう遅い。師匠の姿はあっという間に消えて分からなくなった。



「まぁ俺らはゆっくり向かおうぜ…」


 おじちゃんはタバコに火をつけてのんびりと馬の手綱を握っていた。



「いや、この人混みだとゆっくりしか行けないじゃん…」


 おじちゃんは、たははって顔をしていた。

 いい加減その顔殴っていいかな?

 無性に腹が立ってきた。





『月影亭』



 古くて趣のある料亭兼宿だった。まぁ簡単に言ったらボロい宿だった。でも、俺らの村に比べたら充分凄いけど。


 一階は受付兼料亭で、2階3階が宿。裏庭があり、そこには馬小屋と井戸があった。受付の裏側はこの宿を経営している夫婦のお部屋だそうだ。


 俺とジャンヌとルナは2階の5号室。おじちゃんと師匠は3階の4号室。

 おじちゃんは馬を馬小屋に入れ、俺たち3人は自分達の部屋へと入っていった。



「私ここ!」

「あ、ずるい」

「えっと、私はどこでも…」


 5号室はちょっと部屋が広くてベッドが3つ並んであった。ジャンヌは窓際、俺は真ん中、ルナは壁側と決まった。



「明日おじちゃんは領主に税を納めに行くってー、俺たちはどうする?」

「うーん、めんどくさそうだし私はパス」

「私も…無駄に疲れたくない…」


「じゃあさ、野盗団の懸賞金と師匠が換金してくれるお金で買い物行こうよ」

「賛成ー! 私、剣が欲しい!」

「わ、私は魔導書か本が、欲しいなぁ…」


「じゃあ武器屋と魔道具店に行こう。で、明後日まわる市で何か買ってもらおうよ」

「そうだね、流石に報酬で買ってもらうにしても剣とか魔導書は高いから自分たちで買おっか?」

「う、うん…それがいいと思う」


 ジャンヌとルナはええ子や。剣や魔導書は高い。それを報酬で買って貰ってはおじちゃんが可哀想だと思ったのだろう。

 でもそれだと恐らく俺たちのお小遣いは無くなる。剣も安い物しか買えない、魔導書もギリギリ買えるかだろう。

 まぁ元々無かったお金だしそれでいいか。



「俺は何を買おうかな〜」


 俺も剣か魔導書か技能書が欲しい。剣は兎も角、まぁ技能書なんかないだろうけどね。それでも本当に楽しみだ。

ステータス(鑑定の儀、前)

【名前】

ユーマ

【スキル】

剣術3、速読2、剥取り1→2、罠師1、研師1、採掘2、縮地1、天駆1、

※不明だが何らかの魔術スキル有り

【魔法】

ライジングテンペスト

【装備】

木刀

【宝箱】

剥取りナイフ、罠道具、砥石、子供用採掘道具



【名前】

ジャンヌ

【スキル】

剣術4、剛力1→2、縮地1、天駆1

【装備】

木刀



【名前】

ルナ

【スキル】

聖魔術4、速読3、毒耐性1

【魔法】

ヒール、キュア、プロテクト、レイ

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