10.お兄ちゃんになりました
あれから半年が経ち、俺は7才になった。
母さんの監視の目が厳しく中々外に出られない事もあってかスキルも特に覚える事もなかった。
その間にジャンヌは剣術スキルが3となり、ルナは状態異常を治す魔法『キュア』が使える事に気づいたそうだ。
2人は才能の塊だった。
そういえばだが、この度俺はお兄ちゃんになる事となった。
俺が寝込んでいた頃、母さんは既に妊娠しており、この度ついにおめでたという訳だ。
弟か妹か楽しみにしていたが、まさかの男女の双子だった。
弟の名前は『アルテマ』。
妹の名前は『アルマナ』。
なんだか凄そうな名前だった。2人とも父さん母さん俺と同じ、黒髪黒眼でとても可愛らしい。
めっちゃ大事にするから、すくすくと育って欲しいものだ。
♢
双子の弟妹が生まれた事もあり、母さんからの監視の目が少しだけ緩んだ。
別に隠れて外出している訳ではない。今までは外出をしようとすると止められていたが、今は弟妹の育児が忙しく寧ろ俺がいない方が助かるみたいだ。
勿論1人では出られない。
ジャンヌやルナ、村の大人たちが一緒でないといけないけど。
そんなこんなであっという間に1年が経ち、俺ももう8才となった。鑑定の儀まで後2年だ。
剣術スキルが3となり、速読スキルが2に上がった。ようやくジャンヌに追いついた。
「やあ!」
「とお!」
「ふむふむ、2人ともかなりやるようになったわい」
爺さん師匠は、俺とジャンヌの打ち込みを軽々と受け止めながらも褒めてくれた。
ちなみにルナも来ており、木陰で本を読んでいる。
「ふぅむ、そろそろアレを教えてやるかのぉ」
「「あれ?」」
「ふむ、高速移動のスキルじゃ」
なにそれカッコいい!
是非とも覚えたいです!
「……いや、どうせならいっそ…」
師匠はなにやらブツブツと独り言を呟いている。
「よし、これからは剣術と一緒に歩行術も鍛えるぞ」
「「はい!」」
師匠による厳しい訓練が始まった。
これには流石のジャンヌも中々スキルを覚えれなかった。というか直ぐに覚えられたら立ち直れなくなりそうだ。
「2人とも頑張ってー」
ルナが応援してくれるが、本当に厳しい訓練だった。単純に走らされるだけだと思ったけど全然違った。勿論走り込みもさせられたのだが、それだけではなかった。
体内の気?を足に集約させて一気に爆発させろとか、その爆発を最小限に留めて、移動時の初動を悟られない様にしろだの、足で空を掴めとか、全くもって訳が分からなかった。
そして更に1年が経った。
♢
俺は9才となり、ジャンヌとルナは8才、アルテマとアルマナは2才になった。
鑑定の儀まであと1年だ。
因みにだが俺には1番欲しい職業スキルがある。それは【冒険者】のスキルだ。勿論、【剣士】や【魔法使い】なんかも欲しいがやはり1番欲しいのは冒険者だ。
冒険者スキルは1つを極めるものではなく、色々なスキルが満遍なく覚えやすい職業なのだ。更に利点はそこだけではない。
冒険者スキル持ちは、鑑定の儀終了後に大きな町にあるギルドに登録でき、依頼を受けて報酬が貰える様になるのだ。10才で冒険に出られるのだ。1番死亡率の高い職業スキルでもある。
剣士や魔法使いだとギルドへは登録出来ない。その代わりに、王都にある学園に入学する事ができる。5年間通い、卒業後には騎士や魔導士として王城で働く事も夢ではない。1番の出世コースでもある。
「あと1年か…」
俺が色々なスキルを覚えようとしたのもそれが理由だ。もしかしたら元々持っているスキルや魔法の数で、職業スキルを得られるのではと思ったからだ。勿論、ただの憶測だけど。
「ユーマー、師匠のとこ行こー」
「おはようユーマくん」
「おはよう。ジャンヌ、ルナ。よし、今日も頑張るか」
今日も3人で仲良く修行に励むのだった。
ステータス(鑑定の儀、前)
【名前】
ユーマ
【スキル】
剣術2→3、速読1→2、剥取り1、罠師1、研師1、採掘2、縮地1、天駆1
※不明だが何らかの魔術スキル有り
【魔法】
ライジングテンペスト
【装備】
木刀
【宝箱】
剥取りナイフ、罠道具、砥石、子供用採掘道具




