1.中途半端な俺が転生するよ
思いつきで書き始めました。
書けたら投稿の不定期掲載です。
俺は日本で働くしがないサラリーマン。
しがないと言ったら少々語弊があるな。
ごく普通のサラリーマンだ。
彼女はいた事もあったが1日で捨てられたり、友人はまぁまぁいたと思っていたが結婚式に呼ばれた事はない。
会社もブラックではないが、グレーな気が若干しないでもない。
そう、俺の人生良くもなければ凄く悪い訳でもない。
なんだろう…いい事があったら悪い事が起こるプラマイゼロ、そんな人生だった。
なんとも中途半端な普通の人生。
だからだろうか…今のこの状況も。
「ちょっ、離せテメェ!」
「そっちこそ離しなさいよ!」
目の前で2人?の巨乳の女神が取っ組み合いの喧嘩をしている。ちなみにビルみたいな巨大な女神である。
※神様の単位は柱です
「コイツはアタシが見つけたんだ! コイツならてめぇんとこの人類を滅ぼす事だって出来る!」
「何を言ってるんですか! こんなに聖なる力を持つ人間になんて事を言うのです!」
口の悪い黒いドレス?に身を包むのが邪神の女神様。
少し丁寧口調の白いドレスの方が聖なる女神様。
状況が未だに掴めないが、どうやら俺は先ほど死んだらしい。
どうやって死んだか覚えてないし、目の前の2人も喧嘩ばかりでなんの説明もない。
全部、喧嘩の内容から推察しているだけだ。
この2人の女神は、破壊と創造の女神。
2人で1組の女神、らしい。
理由は分からないけど絶賛大喧嘩中で、2人で昔作ったとある世界を壊す壊さないで揉めてるそうだ。
女神様は直接介入は出来ないらしく…破壊の神は魔族を作り、創造の女神は人類に力を与えて、数百年…未だに決着がつかないそうだ。
そこで2人の女神は、人類と魔族に『異世界召喚』の秘術を与えて、それぞれ、勇者と魔王を召喚させ一気に片をつけようとしたらしい。
が、これがまたお互い互角で決着がつかず。何代にも渡って異世界召喚をしているが、いずれも互角で、そこからまた数百年経っている始末だそうだ。
そして、遂に神が想像しなかった展開になったそうだ。
なんと今代の男勇者と女魔王が結ばれて、両陣営をあっさり見限り、駆け落ちしたそうだ。
そして今、
「2人の子なら絶対に世界を滅ぼせる! 『転生の秘術』と『異世界召喚の秘術』を組み合わせれば、最恐の魔王が生まれるんだ!」
これが破壊の女神の主張。
「いいえ、2人の子なら必ず人類の希望に成り得ます! この方の魂を2人の子に入れれば人類史上最高の勇者が生まれるのです!」
これが創造の女神の主張。
「あの〜…」
「なんだ!」
「なんです!」
こえぇ…。
目の前のビルみたいな巨大な女神2人に睨まれたらそりゃ萎縮してしまう。
でも負けない。
これだけは確認しときたい。
「その子の意思? 魂みたいなのはどうなるんですか?」
そう。
勇者と魔王の子として生まれる、その子自身はどうなるのだろう?
俺みたいなしがないおっさんの魂をいれられるとか、理不尽でしかない。
たとえ今は赤ん坊で意思なんてなくてもだ。
すると、女神2人はピタリと動かなくなった。
「…そこはテメェが心配することじゃねぇ」
「え、でも…」
「…残念ながら死産になるのです。勇者と魔王が結ばれた事自体が本来あり得ない事で、まして妊娠するなど…絶対にあり得ない事なのです」
でも起こってしまったと。
「勇者と魔王の器。そんな強大な力に赤子の魂では耐えられなかったのです」
すると女神様は見せてくれた。
出産直後で布団で泣き崩れる魔王。息をしていない赤子を優しく抱いて泣く勇者を。
「ちっ」
「……」
女神様もどこか悲しそうだった。
「それで俺ですか?」
「ああ、そうだ。丁度いい魂があったからな」
「あなたの魂ならもしかしたら器の力に耐えられると思い、ここへ呼び寄せたのです」
「え、俺の魂ってそんな凄いんですか?」
「勘違いすんな! 全然すごくねー!」
「ええ、召喚された歴代の勇者や魔王と比べてもカスです、調子にのんな!」
ええ…
優しそうな女神様からも怒られた。
じゃあ何で、俺なんだ?
「あなたのその中途半端な人生…もとい魂なら、もしかしたら勇者と魔王、両方の器に耐えられるかもと思い…賭けです!」
マジかよ。
え、待って…
「もし転生して耐えられなかったら?」
「……」
「……」
そこは黙るなよ!
「あ、やべ! 早くしねーと肉体の方が完全にダメになる」
「あらホント、これでは転生出来なくなってしまうわ!」
「え、ちょっと待って…俺まだ転生するとは…」
「ブツブツブツブツ…」
「ブツブツブツブツ…」
女神様2人が何やら唱え出すと俺の魂?が眩しく光出した。
「ちょ、ちょっと待って…!」
「いいか! 上手く転生出来たらゼッテー魔王になれよ!」
「いいえ! 必ず人類の光たる勇者となるのですよ!」
「いや、まだ心の準備が…っあ」
俺は意識を手放した。




