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7話「狂気とその先……」~輪廻〜

『テン……ソウ……メツ。テン……ソウ……メツ』

「ああもう! この姿で使う能力は、大変なんです! 無機物転生! 獄門!」


 私は、東雲さんを助けるため、この世界での私の能力、無機物転生を攻撃転用。

私の手の触れた範囲の空気を刃に変えヤマノケの急所を一気に両断して、道を切り開き、東雲さんに一直線で走っていく。


「ふふん! 私の能力なら……きゃあ!」


余裕綽々かと思ったら、犬型のヤマノケが数体生き残っており私に向けて、爪を立てて襲ってくる。

私は、無機物転生で身を守ろうとしたのだが、一匹のヤマノケは、銃弾で打ち抜かれ、もう二匹は玉藻の放った矢によって、一瞬で気を失った。


「全く! 玉藻の前が犬追物をするなんて! アナタのせいですからね! 堕落女神! 今度、一日拓君借りますからね!」

「はあ、良いですが……そう言えばメタボは……」

「メタボは、管理官……人間なので、アーティファクトでの援護です……普段から動かないからこういった有事でも動かない武器を愛用するんです」


私は、銃の打たれた方向を見ると、木の上から、銃を持ち私たちを覗いていた。


『聞こえているぞ……それよりもあのあほ記者を助けてや……。女神さんはサポート不要か?』

「もちろん」

『なら、俺は、玉藻のサポートだ。短期決戦。さっさと帰ろうか! 『怪異殺しのオートエイム壁抜けチート』《オートフール》!』


メタボの銃弾は、障害物をすり抜け必ずヤマノケに当たり、倒れていくヤマノケ。

まるで、FPSゲームのチートの様であった。


「すっごく不愉快な能力です……まあ、私は私のやることをするだけです。無機物転生、獄門」


くぅ……獄門、効果力範囲攻撃で使いやすいですが、使うたびに疲労感が増していく。普段から自覚できるほどの自堕落な生活で、体力依存の技は、長続きしない。


「ああ、もう面倒くさい! 無機物転生! 車裂き! 騎乗!」


私は、全てを轢き殺し突き進む高速の牛車を繰り出し一気に東雲さんの所まで移動する。一直線の相手のみの殺傷能力の為、ヤマノケを一掃することはできないが、移動となれば、明智さんのコペンちゃん並みの速さは出る。


「ヒャッハー! 全員引き裂きです! さあ、おじいちゃん助けにきま……」

「はぁ……はぁ……これでようやく! ワシが正しい……ということが……」

「こ、この人! なんで! あ、そうだ! 無機物転生! エピペン!」


私は、アレルギー反応とヤマノケに裂かれた体で今にも死にそうな、東雲さんにエピペンを刺すが……効果はもう薄く虫の息であった。


「し、東雲さんが! やばいです!」

『女神様! 能力で治療は?』

「無理です! 流石に私のここでの力じゃそんなことはできないです!」

『とにかく脱出! 玉藻! そっちの状況は!』

「……ああ、もう! 緊急事態なんでしょう! やるわよ! 欺瞞! エゴ! 全部を騙す!」


玉藻は、親玉のヤマノケに触れると、ヤマノケは、不思議そうに玉藻を見る。

えっとなんですこのピンク空間。

そして、人間の東雲さんと、メタボの体も同じ色に染まり動かなくなる。


これは、時間が止まる能力なのだがなぜか、変な音がどこからか流れ。

シリアスには、似合わないというか。


『てん……そう』

『あ、あ。そうですか。貴方は、そうかもしれませんが……くふふ』


玉藻は、舌でペロリと唇をなめると、私の想像を超す行動を始める。


『ワンちゃんとは、初めてですが。…………果てないでくださいね』

『て、てて。てててんそそそ』


始まるのは想像の斜め上をいく光景。


『あら、そんなに大きく……ほら……頑張って』


ヤマノケは、玉藻に上乗りになりそのグロテスクな股間を……玉藻の股間に……。

(ここからは、一部描写をカットします。本当に勘弁してください)


『はん! まだ、50回しか! メスがオスの悦びを知ると他は考えられなくなると知っていました! ですが! あん! あぁ……いい攻めですが甘いですね。もっと腰を強く振って』


……色々時間が止まる。

犬の大群が玉藻に群がり…………その、果てては、灰になってなっていく。


『ええ、もう最後ですか?』

『ててててんんんんん!!』

『果てなさい』


そして最後の一匹が果て、そして、灰になる。


「ご馳走様です。ああ、ワンちゃんは、腰を振るだけで全く逝けませんでしたわ」

「……びっち!」

「いやですわ。私は、私を孕ませられないオスに興味はございません。その点……ふへへへ」

「やめて! 色々削除対象になるから!」


にげて! 明智さん! 全力で逃げて!

歩く18禁が一糸纏わない姿で全身◯液、体液まみれと言うありえない光景で茫然としていたが、時間が動き出し、もうすでに東雲さんは、完全に回復ができない状態になっていた。


「東雲さん! なんで! こんなこと!」

「妖怪はいた……秘密組織もいた」

「な、なにを言って、それよりも治療を」


私は、ありったけの能力で東雲さんを治療する道具を出すが、東雲さんは、笑いだした。


「あーははははははははははははは! 勝ったぞ神とやら! 全部といてやった!」

「し、東雲さん! 何を突然」


私たちが戸惑っている中東雲さんはもう目が見えないのか、感覚がないのか、一人で語りだす。


「やっぱりあいつは俺の子どもなんかじゃなかった! あの妖怪が、あの女を孕ませた! つまり俺の子じゃない! だから、全部、秘密組織が行った人体実験で、俺は、無実だったんだ! 俺を陥れるための罠!」

「な、なにを言って……」

「こいつ! 堕落女神! そんな奴ほっときなさい!」

「やめろ! 玉藻!」


私が慌てる中、何かを察したのか玉藻がすごい顔で東雲さんを睨むが、メタボが止めていた。放せと言われてもこの人はまだ生きていて……。

しかし、玉藻の言った意味を私は、すぐに知る。


「たった一回襲っただけで子どもができただ? 俺の子じゃねえ! そう言っているのに警察は俺を犯人と一方的に決めつけ、逮捕しやがった! たった一回、弱く貧弱な私が、世界に悪と決めつけられ逮捕されるなどおかしい! 俺は何も悪くねえ! 俺を悪いと決めつける世界が悪いんだ! だが今回ようやく俺は……俺は悪くない! だから……」


私は、東雲さんを抱く手が落ちていく。

地面に叩きつけられた東雲さんは、一瞬喋るのをやめる。

この男は、何かのためにこの家に来たと思っていたが、自分の犯した罪を否定するためだけに来ていた。

醜悪、私は東雲さんを睨みつける。


「東雲正親。強姦と強盗、殺人未遂の容疑で逮捕、逮捕後は、妖怪が自分を操ったなどの意味不明な発言を続け、精神鑑定により、精神異常が、見受けられ減刑。出所後は、ゴシップ記事を書き続ける生活を続けている……とのことだったが、こいつ未だに自分の罪を認めていないなんて」


あまりの醜悪な最期。

東雲は、息を引き取り、メタボは、語った。


「これ、探偵にも渡した資料や。読んでおけ」


そこには、今回の事件に関わる参考資料がのっていたが、私は、それを受け取らなかった。


「なぜ助けようとしたのでしょうか。私たちのしていた意味って」


意味が分からない。

必死になって助けた人物は醜悪その物。これなら助けないほうが良かった。

そう思うが、メタボは冷静だった。


「たくなあ……俺たちの今回の目標は、繁殖期に入ったヤマノケの駆除や、そっちが成功しているんやから、意味はあるで」

「ですが、こいつ……」


許せない。

私が殺していいならこいつを殺したい。都合の悪い事実を怪異のせいにし、自己満足で死んでいく。そんな奴を私は助けようとしていた。あほらしい。


「いった!」


そんなことを考えていると、玉藻が私をチョップして話す。


「あのね。今回の目的は達成。後は、拓君が、定子さんの殺人の謎を解き明かすんでしょう。そうすれば、この男が、ここの家にこだわっていた理由だってわかるはず。あんた、拓君と来ているんだから、ちょっとは手伝うことくらいしなよ」

「うぅ……そうですが」

「そう言うこっちゃ。このカスの死因は、財団の方で、通常の死因にしておくから安心して謎を解けや」


そうだ確かにまだ全部片付いたわけではない。

私は、まだ、定子ちゃんの死んだ原因が分かっていない。

そうとなったら、早く帰らないと。

私は、明智さんの待つ家に走って戻ることにしたのであった。


「あ、待って! 垂れてくるから! メタボおんぶ! おんぶ!」

「しゃあな……臭!」

「乙女に臭いとは失礼な」


いや、服を着てください。臭いです。

私は、玉藻に服とシャワーを能力で振る舞ったがちゃんと後悔した。

犬のイチモ◯の甲乙についてなんて聞きたくなかった。


***********************************************************************************


「……東雲さーん、どこですかー?」


 東雲さんが消え、俺は、家じゅうを歩き東雲さんを探していた。

スパイシーさん達もどこかへ行ったままいなくなるし、この家はどこかおかしい。

俺は、二階の一室、板を打ち付けられた扉以外を全て探したが東雲さんはいない。


「まさかな……」


明らかに怪しい扉。

開けろと言わんばかりの扉の中、もしかしたら東雲さんがいるかもしれない。

もしくはいつぞやの、孤島で住人が消えていく事件の様な連続殺人の可能性すらある。その場合の覚悟もして、俺は扉を蹴飛ばした。


「改・応・拳! 10倍ぇだ!」


俺はユーキャンで習った空手技で扉をけ破ると、そこには埃っぽい窓のない子供部屋があった。


「なんじゃこりゃ」


俺は散らばった日記を見つけた。だいぶ年季が入っており、古いものだとわかる。

日記を開こうとすると中から一枚の写真が落ちてきた。

それを拾おうとした時であった。誰かが近づてくる音に俺は驚きポケットに写真を詰めた。


「だ、だれだぁ……おふ!」


その刹那後頭部に強い衝撃が走って俺は、意識を切り離してしまった。

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― 新着の感想 ―
狐が多淫多情。傾国傾城って、最高権力者一人を籠絡するものだけど。
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