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5話「警察と叫び」~明智~


「……またけったいなこった。探偵さん、アンタが久しぶりに外に出たって聞いてもしかしてと思ったけど。まさか久しぶりの遠出が殺人事件に巻き込まれるなんて」

「いや……本当に参ったよ」

「はーい。じゃあ逆側にゴロンしてくださーい」

「本当に……あ、はーい」

「ど、どういった状況ですか。なぜ、エッチなお姉さんが明智さんの膝枕をしているんですか」


 俺は、事件が起きた後の事情聴衆を終え、目の前で見た光景を忘れる様にミニスカ黒髪ロングの巨乳生足お姉さんの玉藻さんに耳かきをしてもらっていた。

それを見て、輪廻さん……スパイシーさんは俺を変態を見るような目で睨んだが、デブ刑事の相楽は諭すようにスパイシーさんの肩を叩く。


「あー、私ですかぁー? 私ぃ、心療内科医師の資格を持っているんですぅ。名前は、喰尾玉藻くうおたまもともうしまーすぅ。主に探偵さんのメンタルケアと、メタボさんの助手をしてまぁーす」

「そう言うこっちゃ、インチキ占い師。ワイは、相楽まや(さがらまや)、探偵さんの心は、スタイル無視の巨乳より、身長に見合ったスタイルのお姉さんが良いってこっちゃ」

「ふ、ふざけないでください! 人が死んでいるんですよ! ちょっとは真面目に……」

「こちとら、大真面目や。人が殺された。しかも証拠は、井戸の炎上でほとんどない。こんな状況、事件を解決できるのは探偵さんだけなんや。そんな探偵さんのメンタルがやられたままじゃ解決するもんも解決せんやろう」

「そ、そうですが……」


スパイシーさんは初めてだから怒るのは分かる。

俺は、昔から遠出するたびに事件が起き、警察にも何度も容疑者として疑われていたが、実際、俺は、高校生の頃からこの現象のおかげで、一時は高校生名探偵ととまで言われた。


「はぁーい。じゃあ、今回見つかった証拠でぇーす」

「玉藻さん! 待っていました!」

「ひゃん! 立ち上がる時は言ってくださいぃ~。胸が顔に当たります」

「ふへ、さーせん。と、それよりも証拠」

「……なぜでしょう。同じものを持っているはずなのにこの格差。むかつく……、で、自称探偵さん、何かあったんですか?」


俺は、渡された証拠品ファイルを集中してみた。

証拠品1 遺体。

死因は、首に絡まった井戸の水をくみ上げるための鎖による絞殺。

遺体の欠損は、火による焼きあとが多いため詳しいことは調査中。

鎖は、切れて落ちていった。


証拠2 井戸の中から見つかった焼け落ちたコードとガラス

火での劣化以外から推察するに明らかにここ数日のうちに現場に仕掛けられていた。


証拠3 身分証明書

定子の身分証明書、なぜか焼けていない。


「うーん証拠が少ない」

「そら、全部燃えとったんや。こんだけ残ったほうが奇跡やで」

「ちょっと現場を見ても良いか……」


その時であった。

どこからか、かや子さんの声が聞こえた。


「お、おじいさん! 意識をしっかり持って!」

「んなバカな! 警察が仰山おる中で殺人かい!」


俺達は、走って声の方に行くと、かや子さんが、慌てた山野目さんと一緒にカバンを漁っており、冬季さんは水を東雲さんにのませようとしていた。


「どうしたんですか! って! 東雲さん!」

「すみません! 東雲さん、アレルギーらしくて、え、エピペンを! くしゅん!」


かや子は、慌ててエピペンを探しており、くしゃみをするのに顔すら覆わない慌て様であった。


「かや子さん! カバンをひっくり返して! 命にかかわるものだ絶対にあるから! 山野目さんは、アレルギー手帳を探して!」

「わ、分かりました!」

「あ、ありました! くしゅん! くしゅん! すみません! 私は気にしないで」

「貸してください!」


俺は大慌てで、東雲さんの太ももにエピペンを刺すと、東雲さんのアレルギー状態は次第に良くなってきており、俺達は一安心をした。


「よ、良かった……皆さんはなぜここに」

「何も分からない今、お、お巡りさんに守ってもらい一日を過ごそうかと思っていたら、突然東雲さんが苦しみだして……」


冬季さんが語りだすと、山野目さんが、カバンからアレルギー手帳を見つける。


「あ、ありました! えっと、し、東雲さんは重度の動物アレルギーです」

「動物アレルギーがなんで……」


東雲さんは、俺達と居る間、動物に触れる機会はなかったはず。

それがなんでいきなり……。


「すいません! 皆さん! 申し訳ないですが警察の捜査が終わるまで、外には出んでください! 危険ですわ! それに皆さんは、容疑者でもあるんです! 今日はここで皆さん寝てもらいます! その間に警察は、捜査を続けるので」

「こ、困りますぅ。夜には化け物が!」

「何を言ってますねん! 賀画名井はん! そんなものいる訳ないです!」

「と、とにかく困るんですぅ! し、死人が出ますぅ! せめて明日の朝からに」

「んなあほな! それに今調べへんと証拠が」


警察の捜査をしないでと懇願する冬季さんであったが、相楽は、それをあほと一蹴した瞬間であった。


『ぐわおぉぉぉぉぉぉぉぉん!』


大きな叫び声から、山から聞こえてきた瞬間冬季さんは尋常でないほど怯えていた。


「ひいぃぃぃぃぃ! で、でたあぁぁぁ! みッ皆さん! 家なら安全です!」

「なんやねんホンマ! おい! 一旦撤収、家に避難や! 分けわからんが、何かあってからじゃ遅い!」


俺達は、声から逃げるように家に避難、そのまま一夜を過ごすことになった。




そしてその日は、全員が眠りに落ちた後、東雲さんの姿は消えていたのであった。

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