表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

第4話

挿絵(By みてみん)

:

:


昼食後2人はヤンモー湖に向かった。なだらかな山道を歩いていると何人かの

地元の人たちが声をかけてくる。皆親切で、この果物を持って行けなどと日本では

考えられないような体験である。

通訳のティエンもそうだが、この国で出会った人々はすべて優しい。

ぢるは彼の安否が気になるものの、心は少し温かかった。

「ぢるさん、あれがヤンモー湖です」ティエンが山間から数キロ先の湖を指差した。

二人の足は自然と速くなり、 少し行くと中国側も見えてきた。

「ぢるさん あの辺りがチワン自治区です。 結構都会でしょ?」

確かにベトナム側の何もなさに比べてそれは明らかに街である。大きな工場もいくつか

見える。

「国境を越えるのに手続きは要らないんですか?」ぢるは少し不安げに聞いてみた。

「ここは東南アジアへの唯一の接点です。ですから毎日多くの車が行き来します。

そのため高速道路のゲート以外は何の手続きも要りません。但し、日帰りに限りですが」

彼の話では50キロほど南には、ベトナム・中国を結ぶ高速道路も出来ていて帰りは

そちらから廻るつもりらしい。1時間ほどしてヤンモー湖に到着したが、とても近づける

状態ではなかった。 

山崩れのため水位が10mほど上昇し道路など皆無だ。なるほどこの状態ならば

中国側へ逃げる方がが賢明であっただろう。

納得した2人は先ほどの村に引き返えす事にした。時計は3時になっている。

二人が村に戻ったのは5時を少し回っていた。話を聞きつけた村人たちが、何人も

ぢる達を迎えてくれている。身体は疲れているはずだが嬉しさで何も感じなかった。

「食事の用意が出来ているそうです。行きましょう」

食卓では先ほどの7人以外に、彼らの親戚なども居り、ぢるたちを合わせ13人に

なっていた。

木製の簡素なテーブルには昼とは違いパーティーのように食事が盛り付けられている。

「さあ、ご馳走になりましょう。」家の主人が何か言うと一斉に箸をすすめた。

「美味しいです!ねえ、ティエンさん。何ていえばいいの?」ぢるは笑いながら

話しかけた。

「ザッ・ゴンでもゴン・ラムでいいですよ。美味しいでしょ?これもどうぞ」

と言って魚を揚げたものをとってくれた。

食事が終わった頃、家の主人が歌を披露してくれると言って民謡を歌いだした。

皆が手拍子をし主人を盛り上げている。ティエンは車からギターを持ってきた。

そんな感じで3時間近く楽しい時間をすごした頃、皆がぢるの歌が聴きたいと

言うので1曲披露することにした。

「ぢるさん、何を歌いますか?」ティエンが笑いながら聞いた。

「それじゃあ・・・・・・おぼろ月夜」

「その曲なら知ってます!伴奏しましょう」

この日、ぢるは久しぶりにぐっすりと眠ることができた。

挿絵(By みてみん)




Beauty Plays Traditional Vietnamese Music

http://www.youtube.com/watch?v=oNhgCUk0LEA

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ