表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/20

第19話

挿絵(By みてみん)

:

ハイアットリージェンシーの7階から海を眺め、ぢるは大きく深呼吸をした。

「27年ぶりなんて思えない。おんなじだぁ・・・」

ルームサービスで頼んだ朝食のコーヒーを窓際に置くと、バルコニーに出てみた。

「いいお天気。散歩でもしようかしら・・・」

お気に入りの小説を持つとガーデンプールをぬけビーチに出てみた。

砂の上をゆっくりと思い出を踏みしめるように歩いていると、30年前のあの日を

まるで昨日のことのように思い出すことができる。

キラキラと反射する波がぢるの白いワンピースを揺らしていた。

ヤシの木陰からボサノバの優しい音色が聴こえる。

生演奏をしているのだろうか?近づいてみると観光客がサンデッキのベンチに寝転がって

ギターを弾いていた。

少し遠めに見ながら、ぢるは演奏の心地よさを味わっていた。

何曲か知ってる曲を弾いている。そういえば山田の趣味もギターだった。

一度はプロを目指したというその演奏を、ベトナムでもよく聴かせてくれた。

中でも彼のオリジナル曲、「木陰で」がぢるのお気に入りだった。

30年も前なのにその音色ははっきりと思い出せる・・・

とその時、さっきまでボサノバを演奏していた観光客が静かな曲を演奏を始めた。

麦藁帽子を顔にかけ、白い麻のジャケットを着たその男性は白髪からすると

60代だろうか?音が小さくなったので少し近づいて聴くことにした。

曲はミスティだろうか?少し切ない感じがする。

もう少し近づいてみる。ヤシの木を1本隔てた隣のベンチに腰を下ろしてみた。


「えっ!?・・・この曲・・・」

ぢるは突然の事に何が起こったのか理解できなかった。

あの曲だ。あの曲なのである。そう、山田がオリジナルだと言っていたあの曲・・・

ぢるはヤシの木越しにその男性に話しかけた。


「すいません・・・その曲は・・・何という題名ですか? 日本語解ります?」

男性は演奏をやめぢるの方を伺っている様子である。

「この曲は・・・木陰で といって私の作った曲です・・・」

ぢるは何がなんだか分からなくなっていた。

挿絵(By みてみん)


Wave

http://www.youtube.com/watch?v=O-uOBNw_6MI&feature=related

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ