第12話
インターナショナルSOSクリニックのベッド。ぢるとティエンが見守る中、山田は
目覚めた。
「山田さん気づいたのね!・・・よかった・・」ぢるは山田の手を握りながら嗚咽を
漏らした。
「ぢる・・・・・会えてよかった」
「山田さん、今先生が来ます。どこか痛いところはありませんか?」
ティエンが心配そうに話しかけた。
「ありがとう・・・・・大丈夫みたいだ」
「心配したわ!もう会えないかと思った」山田の目を見つめながらぢるが言った。
顔は無精ひげが伸び、少し頬がこけていた。殴られたせいかまぶたが腫れている。
「あいつらは・・・・」山田はティエンのほうを見て言った。
「公安に連行されました。田中は逃走しようとして車にはねられ重体です」
「そうか。しかし何で俺を襲ったんだ?あいつら・・・・」
「山田さん。あんまり喋らないで・・無事だったんだから・・会えたんだから・・」
ぢるが山田の頬を触りながら震えるような声で言った。
「ぢる・・・・」山田の指がぢるの髪に触れる。
「ありがとう・・・・」
1週間後、帰国した山田とぢるが江ノ島のシェリーズキッチンでデスカレーを食べていた。
「・・・・・山田さん・・・ひどい・・・こんなの食べれないよ」
「帰国したらここのカレーを食べたいって思ってたんだ」
そういうと山田はいたずらっ子のような顔をした。
「あの時のお礼にご馳走するっていうから・・・・・・辛いよー」
ぢるは涙目で笑っていた。
「それにしても、あの時の50億というのが気になるなぁ・・・・」
ぢるが山田の言葉をさえぎった。
「もう忘れましょう。きっと警察が何かつかんでるわ。まかせましょうよ」
食事を終えた二人は海岸を歩いていた。
少し汗をかいた肌に海風と水面に反射する光が心地よい。
あれほどの出来事が、ずっと昔の事のようで少し懐かしい感じがしていた。
Jeff Beck Amazing Grace Instrumental
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