第11話
「おい。白状したか? 中西・・・・」
「あっ、田中さん。おはようございます。なかなか口を割らないんですよコイツ・・」
「なあ山田さん。このままだとあんた死ぬ事になるぜ・・」そういうと山田の
顔を殴った。
「俺には何の話かわからないんだ・・・カバンって何の話だ?」
山田がすがるように言った。すでに相当衰弱している。
食事は与えられてはいるがもう限界である。
「そこまで言うなら・・・仕方ない。明日には死んでもらう」そう言うと
田中は降りていった。
タクシーが倉庫から出て行く。それを見てティエンが車から降り倉庫に近づいた。
「ぢるさん、出来るだけ時間を稼いでください」携帯でそう伝えると倉庫に入った。
「山田さん・・・あんたも強情な人だ。命と引き換えに金を守るのか?馬鹿なやつだ」
「教えてくれ!カバンて何のことだ?・・・・金っていったい・・・・」
「まだ そんなことを・・・・50億の証券の入ったカバンの事だよ・・・」
この時初めて金のことを中西が口にした。
「本当に知らないんだ。たのむ助けてくれ!」
「田中さんにあんたの始末をつけるように言われているんだ。明日の朝には楽になれる」
「なぜ俺が殺されなきゃならないんだ?・・・・」山田は中西を睨みつけた・・・
と、その視線の先にティエンの姿が映った。
ティエンはゆっくりうなずき山田に合図を送った。
「わかった・・・カバンの在りかを話す・・・・」山田は中西の注意を引くため
小声で言った。
「・・・やっと話す気になったか」その時すでに中西のすぐ後ろにいたティエンが
角材を首筋に振り落とすと、小さなうめき声を上げ中西は床に崩れ落ちた。
「山田さん大丈夫ですか?」椅子に縛られたロープをほどきながらティエンが言った。
「ありがとう・・・・どうしてここが?」
「ぢるさんに感謝してください。彼女がここを突き止めました!」
「ぢるが来てるのか? ・・・・で、今どこに?」
「田中とコーヒーショップにいる筈です。心配は要りませんよ、もう公安が到着する
頃です。」
ティエンはすでにこの場所と、ぢるの所に公安を向かわせていた。
その時、外で数台の車のブレーキの音がした。
公安が到着したようである。
山田は安堵感から薄れてゆく意識の中で、ぢるの笑い顔を思い出していた・・・・
Miles Davis - Milestones
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