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スライム 人間になる  作者: 浅川 大輝
犯人捜索編
19/50

初めまして。

 屋敷に帰り、二日後グランドから手紙が届いた。内容は長々とソウカと思い出話などが、書かれていた。大事な所だけを抜粋すると、近々会いに行ける。


 との事だった。


 俺が手紙を出したらグランドは会いに来ると返事をした。

もしグランドが犯人ならば、この返事で疑惑を確信に変えてもいいのではないだろうか。


――

それからもう二日後。


 この日にまた手紙が届いた。内容は今日頃屋敷に着く。

との事だった。


 その日の昼頃に到着予定らしいので、俺は客間に移動しそこでグランドを待つ事になった。


 それなりに高そうな服を身に纏い、待つこと数分。数十分。


 ミネラが部屋に入って来た。グランドが屋敷に着いた。と伝えに来てくれた。


 「そろそろ来ますからね。もう少しここで待ってて下さい。」


 背筋をピンと伸ばす。それから少し経って外からカツカツと複数人いるらしい足音が聞こえて来た。


 そうして、部屋の扉が開かれた。

入って来たのは四人。


 真ん中に、この辺りでは珍しい黒髪の少年。両隣にはガタイのいい男二人。恐らく護衛だろう。その後ろにはミネラがいた。


 多分グランドというのは黒髪の少年だろう。ソウカと年齢が近そうだし。


 「やあ。久しぶりだね。ソウカ。」

開口一番の声はかなり爽やかだった。顔といい声といい、彼には 『真面目そうな青少年』という印象を受ける。


 人殺しなのだからもっと冷たい目をしているだとか、ドスの効いた低い声をしているだとか、そんなのをイメージしていたのだが。


 貴族の挨拶なんてものは知らなかったので、自分流で真面目な挨拶をしておいた。

「お久しぶりです。グランド様。」

 

 立ち上がり一礼。するとグランドは驚いたように目を見開いた。


「そうなんだね。記憶喪失は本当だったか。」


 両隣の男とミネラに目配せ。男達はグランドに一礼して部屋を出ていった。ミネラは俺に手を振り部屋から出て行った。


 パタンと閉まる扉。ツカツカとグランドはこちらに近づいてくる。すると先程の人当たりの良い顔から一変。凄い睨み付けてくる。


 だが、喋りかけてくる気配はない。


俺から喋れという事だろうか。


……。


 よし話そう。聞きたい事が沢山あるんだ。


 「あの」

といったら手で制止される。


 「待って。ここで話すのは駄目だ。僕の護衛が近くにいる。」


 と小声で話すグランド。


 胸ポケットから小さな紙とペンを取り出した。

何かをサラサラと書いて俺に渡す。


 内容は

『僕はここに彼女と会うという口実で来ている。だが僕の意思でどこかに君と行く事は出来ない。ミネラさんに頼んでどこかに移動出来ないか?』


 俺はコクンと頷く。


 部屋を出てミネラを探す。見つけたミネラにお願いする。

行く場所は森の湖畔でいいだろう。あそこならグランドの護衛は入れない。


 「グランド様と森に出かけたい。」


 「分かりました。ちょっと支度をして来ますから、待ってて下さい。」


 了承を得られた旨をグランドに伝えに行くと、同様にグランドも護衛に事を伝えに行った。


 結果はソウカ側で誰か一緒に着いていってくれるのなら行っても良い。との事で、俺。グランド。ミネラ。の三人で森の湖畔に行く事になった。


 グランドが場所を移したかったのは誰にも聞かれたくない話があるからだろう。やはりグランドが犯人と決めて良いのではないだろうか。


 ――


 今回は以前とは違い二つの車を用意して行くこととなった。一つはグランドの車。もう一つは以前も乗った屋敷の車。


 ミネラの計らいでグランドの車に二人きりで乗ることが出来た。


 グランドの車が前で後ろからミネラが付いてくる形だ。


 車内は二人きり。ここでいくつかの話をしても良かったのだが、俺が酔ってしまったので、話は森に着いてからという事になった。



 

 

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