病弱な妹に「元気になる魔法」とか言いながら色々な所を撫でてたら、いつの間にか愛されてました
私の妹は生まれつき体が弱くて、風邪を引いては苦しそうにお母さんに看病されていた。
そんな妹をもう記憶がないぐらい昔から、可哀想だなと思って、何か出来ないかなと思って、
「げ、元気に、なる、魔法!」
カタコトの覚えたての言葉を使っては、優しく頭や胸、お腹なんかを撫でてあげ妹が寝るまで傍にいた。
小学生になっても妹は相変わらず風邪を引いていたけど、少し変わったのがしっかりと喋れるようになり、私に甘えてくるようになった事で……
「お姉ちゃん……元気になる魔法、ちょうだい」
「良いよ!元気になる魔法!」
「えへへ、お姉ちゃん、大好き」
「私も好きだよ!彩華」
私も私で妹の可愛い笑顔を見れるのが嬉しくて、妹をいつも甘やかしていた。
それから時は経ち、私の妹彩華が中学二年生になり、私、西田愛華が高校一年生になった頃、彩華は風邪を引くことがほぼなくなり、元気な少女そのものになっていた。
けれど、昔と変わらずよく私にくっ付いてきては甘えてくるし、夜になると布団に入ってきて、
「お姉ちゃん、元気になる魔法ちょうだい」
風邪を引いてもないのに私を抱きしめてそう言い、魔法をかけると嬉しそうに毎晩寝ていた。
私は、今まで一度も妹に嫌とか面倒くさいとか、どっか行って欲しいなとか思ったことがない。
ただただ可愛い妹の可愛い顔を見れるのが嬉しくって、今日もいつも通り彩華の頭を撫でてあげ、彩華の温かさと共に目を瞑り、明日は休みだし何をしようかなと軽く考えていると、
「お姉ちゃん……大好き」
私の体を更にぎゅっと抱きしめて、少し荒い息の中彩華がそう言ってくれる。
それが私は嬉しくて、優しく返事をする。
「私も大好きだよ、彩華」
すると今日の彩華はどこか違い、私の胸の中で何度か深呼吸をしてから離れると同時に、彩華は私の上に馬乗りになる。
「い、彩華?」
顔を赤くして、少し緊張している初めて見る可愛い妹の姿に名前を呼ぶと、両頬を優しく手で挟まれて、可愛い顔がぐいっと私に近付き、真剣な声で言葉をかけられる。
「お姉ちゃん。私と、付き合おう?」
ドキッと心臓が跳ねると同時に、私達は血の繋がった姉妹で、この一線を超えてはいけないと頭の片隅で思ってしまい、
「で、でも、私達、血繋がってるし……」
少し告白を拒んでしまうと、彩華は目を見開いた後、泣きそうな今にも消えてしまいそうな声で、
「私じゃ……だめ?」
ずるい言葉を言われてしまい、私の頭の片隅にあった考えが綺麗に消し飛んで、私は少し言う言葉に迷って間を空けたあと、ゆっくりと口を開く。
「こ、こんな私で良ければ……よろしくお願いします」
「うん……お姉ちゃん、大好き、愛してる。んっ♡」
「んっ♡」
私の言葉に安心と喜びと色々な感情が混じった表情を浮かべて、彩華はいきなり私のファーストキスを奪ってくる。
何度も何度も唇を挟まれては離れ、お互いに息が荒くなってやんわりと汗をかき始める。
そして体は絡まって服がはだけ、布団の中で渦巻く熱気に、彩華の匂いに、頭をクラクラさせていると、
「愛してる……お姉ちゃん」
先に彩華が落ち、私の貧相な胸の中で可愛く寝息を立て始める。その頭を私は優しく撫でて、
「はぁ♡……はぁ♡……おやすみ、彩華」
私も眠りに落ちた。
◆
朝。意識が覚醒して目を覚ます。
私の部屋のベットの上には私しかいない。
昨日の出来事は何だったんだろうかと、夢だったのかなと、そう思いながら一人リビングに行くと、
「あっ、お姉ちゃん、おはよ!んっ♡」
「んっ♡……い、彩華?」
いきなりエプロンを来た可愛い妹にキスをされ、恥ずかしくて思わず離れたあとに唇を手で覆い聞くと、可愛く笑って言ってくる。
「おはようのチューだよ。もう一回する?」
「あっ、えっーと……と、取り敢えず、遠慮するね」
「えー、残念。朝ごはん作ったから一緒に食べよ!」
今までそんな事なかったのに、私は彩華にドキドキしながらも頷き、心を落ち着かせつつ椅子に座ると、慣れた手付きで朝ごはんを準備してくれる。
そこそこ前から彩華が風邪を引くことがなくなったので、お父さんとお母さんは仕事で家を空けるようになった。
だからほんの少し前までは私が色々な家事をしていたのだけど、彩華がやりたいと言い出したのでそこから全て任せっきりになっている。
「食べよ!」
「うん」
「「いただきます」」
ただ凄いのが私よりも家事の才能があるらしく、何事もすぐに覚えてすでに私を抜かしている事。
今日の朝ごはんだって品数が多いし、しっかりと美味しい。
「料理、始めたばかりなのに……すごく美味しいよ」
「本当に?嬉しい。将来、お姉ちゃんと二人暮らしする時のために頑張ってるから」
「そ、そうなの?」
「うん。大人になったら、ずっと一緒に二人で暮らそ!」
「う、うん……」
そんな先の事をもう考えているんだと動揺しつつも取り敢えず頷き、朝ごはんを食べ進める。
すると、彩華は話題を変えて聞いてくる。
「お姉ちゃん、今日はどっか遊びに行ったりする?」
「ううん、今日は一日暇だから、家でゴロゴロしようかなって」
「なら、お姉ちゃん。私とデート行こ?」
「デ、デート?ま、まあ、良いけど……」
「やった!お姉ちゃん大好き!」
体調が良ければ昔から二人で買い物やら遊びに行く事は普通にあるのでなんとも思わないけど、デートと言われるとなんだか落ち着かない。
私は少しそわそわしながらも、彩華と喋りながら朝ごはんを食べ終わり、手を合わせて挨拶をした後、
「お姉ちゃん、もう先に準備してて良いよ。私も、洗い物片付けたらするから」
「一人で大丈夫?」
「うん!」
しっかりと頷いた彩華に私は笑顔を返して自分の部屋に戻り、服を着替えて、髪のセットを始める。
櫛で髪を梳いて、一つ結びにしたら完成。メイクはまだ始めたてで下手なのでせず、財布とスマホをカバンに入れて準備完了。
彩華はきっとまだだろうし、このまま部屋で少し待っていようかなとベットに腰掛けた時、いきなり私の部屋の扉が開いて、黒い下着姿の天使みたいな彩華が両手に服を持って入ってきた。
「どっちがいいと思う?お姉ちゃん!」
そして平然とそう聞いてきて、私は思わずドキッとして視線を逸してしまう。
でもここでちゃんと答えないといけないとそう思い、チラチラッと横目で見てから、出来る限りしっかりと答える。
「右、かな?」
「分かった!もうすぐ終わるから、玄関で待ってて!」
私の言葉に嬉しそうに頷いた彩華は、自分の部屋へとあっという間に戻り、私は体がフリーズした後、少し落ち着きを取り戻し、玄関で待っているとすぐに彩華はやって来て、
「お姉ちゃん、行こう!」
二人一緒に靴を履いて、手を繋ぎながら外に出る。
「どこ行くの?いつもみたいに街?」
「うん。どっか違う所が良かった?」
「いや、そんな事ないよ。彩華が行きたい所に行こう」
「……なんか、私がわがままな子みたい。私、お姉ちゃんのわがままなら何でも聞くから、気にせず言ってね?」
私の手を更にぎゅっと握って微笑む彩華に、私も笑って遊びに行く時にいつも言っている言葉を言う。
「離れちゃだめだよ」
「分かった!」
◆
電車に揺られて駅に降り、少し歩くと沢山の人が行き交い、高い建物が建っている都会に入る。
「まずは何する?」
「んー、服みたい!」
「分かった。なら、適当に歩いて服屋さん見つけよっか」
「うん!お姉ちゃん……大好き♡」
すっと耳元で不意打ちを食らってドキッとしながらも、
「私も大好きだよ」
いつも通りの返事をして、適当に歩いて行く。
「あそこはどう?お姉ちゃん」
「入ってみよっか」
ものの数分で、彩華が服屋さんを見つけて中へ。
「もう夏服が沢山置いてある」
「本当だ。まだ五月なのにね」
「お姉ちゃん、服選んで欲しいって言ったら、選んでくれる?」
「もちろん、良いよ」
「やった!」
彩華の服は大体私が選んでいるので、今日も似合いそうな服はないかと探してみる。
でも正直、彩華は可愛いので雑に決めても全然似合う。だからいつもみたいに、私の好みになるんだけど……
「これはどう?」
「わっ、可愛い!流石お姉ちゃん」
「あとこれとか、これとかも?」
「凄いいっぱいあって、迷っちゃうね……取り敢えず着てみよっかな」
少し悩んだ後、私が選んだ服を受け取り彩華は私の手を引いて試着室に。
「どう?お姉ちゃん」
そして、私が選んだ服を一着一着着て見せてくれ、
「全部可愛かったね」
「お姉ちゃんのおかげだよ、ありがとう。ちょっと待っててね」
全部着終わり、どれも可愛くて迷うなーと思っていると、カーテンの奥から手だけが伸びて手招きされたので、何かあったのかと顔を覗かせると、下着姿の彩華が私を試着室に引き込んで、激しくキスをしてきて……
「「んっ♡……んっ♡……」」
「お姉ちゃん、愛してるよ♡」
追加で耳元でそんな愛を囁かれ、今まで可愛い妹としてしか見ていなかったのに、もう見れなくなって私の体が疼く。
そんな欲に少し自己嫌悪するけど、もう彩華は私の彼女なんだからと思考が上書きされて、思わず手を出そうとした時、
「お姉ちゃん。私、これ買うよ」
服を着直した彩華が、私が最初に選んだ服を見せてきてそう言ってきたので、なんとか体が止まり、
「う、うん。凄く似合ってたから、いいと思う」
私は自分の欲を誤魔化すように頷き、試着室を出て落ち着く。その間に彩華は選んだ服以外を戻して、会計に。
「お姉ちゃん、ほら行こ!」
私が深呼吸を何回か繰り返し落ち着いた頃、彩華がこちらに来て手を差し出してきたので、優しく手を握る。
その手の温もりに、今まで感じたことのない感情を抱きながら、
「次は何する?」
出来るだけ平然と聞くと、彩華は少し考えた後、笑って言ってくる。
「ちょっと早いけど、昼ご飯食べよ?」
「いいよ。何食べる?」
「甘い物が良い!パンケーキとか?」
「パンケーキか……なら、カフェとかかな?」
「カフェ!行きたい!」
「可愛いね、彩華。ちょっと探すから、待ってて」
スマホでマップを開いて近くのカフェを調べると、意外と沢山ありその中から良さげなお店を選んで、
「行こ、彩華」
嬉しそうな彩華の手を引いて、歩いて数分のカフェへ。
こじんまりとした古風なそのカフェの扉を開き、中に入る。
「二名様ですか?」
「はい」
「こちらへどうぞー」
店員さんに付いていき、案内された席に座ると、
「お姉ちゃん、見て見て!」
すぐに彩華はメニューを開いて、美味しそうなケーキやパンケーキ、パフェのページを見せてくれる。
「すっごく美味しそう。私はケーキにしようかな」
「私はこのパンケーキにする!」
ほとんどカフェに来たことがない彩華は目を輝かせながら言い、私にメニューを渡してくれる。
それからすぐに、私も苺のショートケーキを選んで店員さんを呼び注文し、メニューを仕舞っていると、
「ねぇ、お姉ちゃん。ありがとう」
急に彩華が私にお礼を言ってきて、私は驚きながら言葉を返す。
「いきなりどうしたの?」
すると彩華は、恥ずかしそうにはにかんで、
「私さ、風邪ばっか引いてて、お姉ちゃんとかお母さんとかに迷惑かけてたからずっと言いたかったの。お姉ちゃんは特に、ずっと傍に居てくれたし」
今更ながらにそんな事を言ってくる。その言葉に私は笑って、私も言いたかった言葉を返す。
「迷惑なんかじゃないよ。好きで、ずっと傍にいたから。ねぇ、彩華。私を好きになってくれて、ありがとう」
私のお礼に彩華は目を見開いた後、物凄く恥ずかしそうに顔を赤くして、それでもゆっくりと私の耳元に近付き口を開いた。
「……あ……愛華。愛してる」
その言葉に私はドキッというか、もう好きになり過ぎて仕方がなくなり、疼きを必死に誤魔化して私も耳元で返事をする。
「私も愛してるよ、彩華」
お互いにどこか気まずい、でも嬉しい雰囲気の中、タイミング良く頼んだものが来て、
「お姉ちゃん。初デート記念に、一緒に写真撮ろう」
彩華と隣同士、頬を合わせて写真を撮り、私達は甘い昼ご飯を食べ始める。
「美味しいね!お姉ちゃん!」
「うん。美味しい」
量もしっかりあって美味しく、良いカフェに来たなと思っていると、
「あーん」
彩華がパンケーキを一口差し出してくれたので、パクっと食べ、
「……美味し。ほらお返し、彩華。あーん」
「……凄く美味しい。幸せ」
お返しをすると幸せそうな顔をして彩華は笑い、私はドキドキしながらも会話を続けて食べ終わる。
それから会計を済まして外へと出ると、
「お姉ちゃん、何かしたい事ない?」
そんなことを聞かれたので、私は何か彩華とお揃いの物を買いたいなと思い、少し考え、
「指輪買いたい」
端的にそう言うと、彩華は目を見開いた後、顔を赤くして、
「けっ、結婚指輪って……事?」
そう蚊の鳴くような声で言ってきたので、私は首を横に振って、
「ピンキーリングだよ。小指に付ける指輪買いたいなって。だから、お揃いの買おう。結婚指輪は、彩華が大人になったらね」
「えっ?あっ……うん」
勘違いして恥ずかしくなったのか、それとも私の言葉がほぼ告白だったからか、彩華は視線を下に向ける。
その間に、近くのアクセサリーを売っているお店を探して、
「行こう、彩華」
私は可愛い妹の手を引きながら歩き、意外と時間はかかったけど到着。
中に入るとキラキラした指輪からピアス、ネックレスまであって軽く見たあと、
「あった。これこれ」
ピンキーリングを見つけて、手に取って付けてみる。
「似合ってるね、お姉ちゃん」
「本当に?彩華はこれが良いとかある?」
「うんん、お姉ちゃんが選んだのがいい」
「分かった」
彩華の言葉通り、私が一番良いなと思ったものを選んで、会計を済ませて一つ彩華に渡す。
「はい、どうぞ」
「……付けて、お姉ちゃん」
「いいよ……はい」
「えへへ、お姉ちゃんのは私が付ける」
「うん。はい」
「愛華、私と結婚して下さい」
「えっ?急に?えっーと……はい、喜んで」
いきなりプロポーズをされて、私は恥ずかしさと戸惑いと喜びを覚えながら頷いて、返事をすると彩華は物凄く幸せそうに、小声で言葉を溢す。
「やった」
その姿に私は思わず頭を撫でてあげ、
「彩華。私、今日はもうしたいことないけど、どうする?」
そう聞いてみると、私の手をぎゅっと握って、
「なら、帰ろう。私、したいことあるから」
どこか小悪魔めいた笑顔で、そう答えてきた。
◆
家に帰ってすぐ、彩華に一緒にお風呂に入ろうと言われ、私は心臓をバクバクさせながら頷いた。
今までも普通に一緒に入ることはあったけど、彼女として見るとどこか恥ずかしくて……耐えれるか分からない。
「お姉ちゃん、入れるよー」
そうこうしている内にお風呂が湧いたようで、お互いに服を脱いでお風呂に入る。
「私、先に洗ってもいい?」
「う、うん」
今日は先に彩華が頭と体を洗って次に私。その後は、いつも通り二人で一緒に湯船に浸かる。
「お姉ちゃん、この指輪ってずっと付けててもいいの?」
「うん、良いけど……学校とか、お母さんお父さんの前では外して欲しいな」
「私達が付き合ってるの、他の人にはバレて欲しくないの?」
「で、出来ればね」
私の言葉を聞いて、彩華は肌と肌が当たる距離までいきなり近付き、
「分かった。愛華と二人っきりの時だけにするね……んっ♡」
「んっ♡」
耳元で妖艶に囁かれたあとキスをされ、優しく彩華の舌が入ってくる。
だから私も入れ返ししてしばらくキスをしていると、彩華は離れて私のおへその下をぎゅっと指で押し下に這わせ、
「お姉ちゃん……私の部屋に裸で来てくれる?」
そう言われコクリと頷くと、彩華は私の手を引いてくれ、一緒にお風呂を出る。
それから雑に体を拭いたあと、彩華の部屋に入って、私の可愛い彼女をベットに押し倒して、
「「んっ♡……んあっ♡……ぷはっ♡」」
お互いに疲れて眠りに落ちるまで、体を重ね合っていた。
◆
朝。びしょびしょのベットの上で、目が覚める。
そしてすぐに可愛い顔が目に入り、その唇にキスをしてベットから降り、時間を確認する。
時刻は九時過ぎで、学校には完全に遅刻。だから、もう気にする事なく、
「おはよ、彩華」
「おはよ……愛華」
可愛い彼女の名前を呼ぶと、可愛い声で私の名前を呼んでくれて、誘ってくる。
「朝のエッチ……しよ♡」
その言葉に私は笑って手を伸ばした。
「今度は、私の部屋でしよっか、彩華」
「うん♡」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
やっぱり百合は良いですね。何となく思いついたので、息抜きに書いてみたんですが、悪くないかなと思っております。
それに、姉妹百合は意外と書いてないので、すごく面白かったです!
ということで、気に入っていただけましたなら、色々な長編の百合とかも書いてるので、そちらもぜひ!
では、またどこかでお会いしましょう!
面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、
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