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死んだ
高校3年の秋。
そろそろ受験勉強も本格的に始めなくてはならない時期。
私は図書館で勉強した帰りだった。秋だと言うのに、全く涼しくないし、なんならセミだって鳴いている。
暑さで頭をやられていたせいだろうか。
そんな暑くて暑くてたまらない秋の日のことだった。
私は横断歩道を渡る途中、大型トラックに轢かれ、
死んだ。
死ぬ間際に、周りの人が叫ぶ声がした。
休む間もなく「きゃあ!」と叫ぶ女性。
「早く救急車を呼べ!」と叫ぶ男性。
もうダメだ。もう助からない。私が今どんな状態かは分からないけど、助かるような感じではないと分かる。
ああ、もう終わる。「甘藤 南乃花」の人生が。