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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界鍛冶師の日常

作者: Szak

人界歴30008年


この世界には東西南北に大きな大陸が存在し中央には然程大きいとは言えないが島が存在しているのだが、この島に住む住人は性別種族に関係なくみんな何らかの鍛冶師という変わった島である。この島ではあらゆる物質や鉱石や素材が手に入り鍛冶師の作りたい物が作れるということなのだが実は1つだけ絶対に行ってはいけないとされている禁忌があるというのだが、ほとんどの鍛冶師はこれが何か知らないというか知らされていないという。この島には大きく分けて五つの刀派と4つの鍛冶が存在しており、鍛冶は刀鍛冶・製鉄鍛冶・農鍛冶・??鍛冶の4つに加えて紫雨・鈴鹿・伍陣・朱神(心)・???の5つの刀派が存在しており珍しいことに5つの刀派は扱う武器が1つも被らないということである。紫雨なら太刀、鈴鹿なら長刀、伍陣なら槍、朱神なら弓矢、???なら両剣という具合に武器種がバラバラなのだ!


 ここでなぜ鍛冶が4つしか存在しないかというと太刀と長刀は鍛造鍛冶であるため刀鍛冶となり両剣は鋳造鍛冶になるため製鉄鍛冶になり槍は農具の派生で作れるため農鍛冶になり弓矢は弓と矢を作るのに特殊な加工がいるため??鍛冶になるのだという。紫雨という刀派は紫という少女らしき者が祖とされており紫が打った武器はすべて片刃であったという。鈴鹿の祖は鈴鹿一鬼という鬼神だったと言われている。彼女の長刀はすべてを切り裂くとも言われている。伍陣という刀派は少し特殊で伍陣で使われる伍種という属性が存在しそれを扱えたのは奈木という一風変わった少年らしき者だったという。朱神(心)と言われる刀派は開祖が居ないとされているが、実は某国主の都合により記録から抹消されただけで居たのだが名を遠呂知という。遠呂知の作る弓は弓を番えてから的に当たるまで1秒未満だったと伝えられている。???は開祖が製鉄神ではないかと言われているが、これは過ちであり祖とされているのは神子みこではないかと云われているのだが神子みこが鍛冶をした姿を見た者はいないため定かではない。


 「おい、そこで何をしている?」


 「???」


 「そこで何をしているのか聞いている、答えろ!!」


 「おまえ如きに教える義理も義務も無いし俺がここで何をしていようと咎められる筋合いは無い!」


そこに居た子供のような容姿をした者は声をかけて来た者に対して答える義務も義理も無いと斬り捨て作業に戻ろうとしたのだが、声をかけた者は、その返答によほど腹を立てたのか鍛冶場に入ろうとするが何かに行く手を阻まれており入ることは出来なかった。実はこの鍛冶場は作業中に侵入されないために鍛冶場そのものが特殊な結界の中にあり常に鍛冶に必要な温度が保たれるようになっている。中に入るには中の鍛冶師が鍛冶を終えるまで待つしかないという。


 「クソッ、なんで入れないんだ?一体ここはなんだというのだ!」


 「おい、無知な者よ!そこは神聖な鍛冶場で鍛冶師以外は入ることが許されない場所だ!とっとと消えろ!」


 「紫の、気持ちは分かるがそこまで言わなくても良いのではないか?」


 「あの伍陣の鍛冶を邪魔しようとしたのだぞ!この無知は許される行為ではないだろうに鈴鹿の!」


声をかけた者は後から来た紫と言われる者と鈴鹿と呼ばれる者の会話を聞いて自分が無知であると言われたことに腹を立て(誰が無知だと!)怒鳴り始めて紫たちに当たり始めたのだが、紫たちは我関せずと言った感じで気にもしていなかったのが気に入らなかったのか声をかけた者は更に暴言を吐き続けついには暴力に訴えようとしたところで腕を掴まれ投げ飛ばされて気を失っていた。


 「誰だ、こんな動物以下の奴をここに入れたのは?」


 「遠呂知の、それでは動物がかわいそうですよ!こんな野蛮で脳みそも入っていなそうな奴と比較されるのは。」


 「おいおい、これは何の騒ぎだ?皆そろって何かおもしろいことでもやるのか?」


 「なんだ伍陣の、もう鍛冶は済んだのか?この無知なる者がおまえの鍛冶の邪魔をしようとしておってな」


鍛冶場で鍛冶をしていた伍陣こと奈木が周囲が異様な雰囲気なのに気づき鍛冶場でやることを済ませて出て来ていた。奈木が現在いまの状況を確認するために声をかけて、それに答えたのが遠呂知だった。遠呂知の説明によりここで意識を失ってる無知なる者の処罰をどうするか当事者である伍陣を含めて検討し始めるが中々決まらなかった。


 「遠呂知よ、なぜ鍛冶師でもない者がここに来れたか不思議に思わぬか?」


 「鈴鹿の、こやつは多分天翅だと思うのだがどう思う?」


 「天翅にしては無知な気もするが、昇華前の記憶でも残っておったのかの?」


 「まあ、何にしてもこ奴は処分確定なんじゃがな!ここは我ら鍛冶師の聖域ゆえに何者も入ってはならぬしきたりじゃ!」


この無知なる者は記憶を消して黄泉よもつ送りにでもするか?と遠呂知が言えば紫が記憶を消すのには同意しますが黄泉送りではなく完全に消した方がいいのではという。紫が言うには、この無知なる者はこの鍛冶場がまるで自分の物かのような発言をしていたのが消す理由だというのだが伍陣はさすがにやり過ぎではないかと紫を宥めている。


 紫の言う消すとは魂ごと消滅させることを意味しており、それは二度と生命として活動させることがないことであり、創造主により神々が6次元に落されて消滅させられる事と同義であることを指す。紫にしてみればこの鍛冶場はそれだけ神聖な聖域ばしょとしているのだろう。


 「き、貴様ら、さっきから大人しく聞いていれば我はれっきとした鍛冶師だ!その我が文句言って何が悪い!」


 「さすが無知なる者だな!鍛冶師あれば今目の前にいる者が何者か知らないはずはないんだがな?そもそも、さっきから妾たちの名前が出ているのに気付かないとか鍛冶師としてならありえないことじゃな!」


 「おまえのような無知なる者が鍛冶師を名乗るな!」


鍛冶師を名乗る無知なる者に対し紫はよほど我慢ならなかったのか、鍛冶師を名乗るなと大きな声で叫んでしまう。遠呂知もそれを見て気持ちはわかるがそこまで言わなくてもいいのではと心の中で思っていた。伍陣はまあ、5式を見られた訳でも無いし気にしてないというが流石に処罰無しとはいかず見せしめの為にも何かしらの処罰はするべきと考えている。それを見ていた鈴鹿は眉間に皺を寄せながらも紫を宥めている。結局、無知なる者は記憶を持たせたまま黄泉送りに黄泉で魂を完全に消滅させ残った肉体は黄泉の亡者に喰われたということだった。


 無知なる者が処罰されて幾日か経ったある日妙な事をいう輩が鍛冶場に来たというのだ。その者の話ではここは自分の土地で鍛冶場に居る者は侵入者だという。それはおかしな話なのだがどういう訳か?その者の言い分が正しいという者が多く現れた。そもそも、この鍛冶場は人界には存在していないので人間ひとが入れる訳も無くこの鍛冶場に入れるのは代々鍛冶神と武神の分身魂のみであり、鍛冶神と武神の神子ですら入れないとされている場所である。この鍛冶場は元々は双子星にあったものを別次元に移行させたものなので人界とは時間の流れが違う。


 「おい、貴様らここに来た者を知らんか?素直に話さねば、この私自ら処罰してくれよう!」


 「コレはあの無知なる者の仲間かの?紫の」


 「私に聞かれて困りますが恐らく同類でしょうね?どうします伍陣の」


 「ふむ、どうするかの?ここはやっぱりアレをするしかないのかも知れんな?遠呂知や」


 「我に聞くな、鈴鹿の、はどう思う?」


 「妾に聞いたところで何も変わらんのだが、もうここはダメかも知れんな!創造主様と剪定神(せんていのかみ)に相談してみるか?」


鈴鹿の言葉に4人とも納得しているのだが、ここで更に無知なる者の仲間らしき者が騒ぎ出していた。鈴鹿たちが剪定神(せんていのかみ)や創造主に連絡を取るのは容易なことで連絡用の式を使えばいいのだが、この騒ぎ立ててる無知なる者の仲間の前で式を打つわけにもいかずどうしたものかと5人で相談しているところに男神らしき者が突然現れて、この騒ぎは何事だと言い5人の説明を聞いた男神らしき者はならばこの星は消した方が良いかも知れないなと結論を出してしまったのだが、女神らしき者がそれは早計ではないのかしらと待ったをかける。


 「おまえら、俺を無視して何話してやがる。俺はここの領主で一番偉いんだぞ!」


 「ふむ、アレが原因ですか?確かにあれ程低能であれば星を消されてもしかたないでしょうね、アレの周りも同じようなものなのでしょう?」


 「せっかく、我らが創造主様から許可を得て先代の鍛冶場を使わせてもらっているのにまさかこんなことになるとは・・・」


 「せっかく、我ら二柱(ふたり)揃っているんだ星神のところに行って話を付けて来るか?」


剪定神(せんていのかみ)である二柱は星神に相談に行くとようなことを言っているが、周りの神々はもうこの星は終わったなという表情をしてるように見える。実のところ星神の所に剪定神が行くこと自体が普通ではないことであると神々は知っている。


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